双方向サービスと週末の地元情報番組

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ITビジョンからデジタル放送へ

テレビ東京は1996(H8)年10月、将来のデジタル化によるデータ放送を見据え、アナログ放送と電話回線を利用した双方向通信「ITビジョン」をスタートしました。

これは、専用の受信機を設置し、電話回線と接続することで、番組に連動した情報を取り出したり、プレゼントへの応募や、クイズへの参加、通販の申し込みをすることができるというものでした。

テレビ愛知も系列局としてネット番組だけでなく、ローカルでもITビジョン対応番組をいくつか設定しました。このITビジョンは一部の番組連動サービスを除き、デジタル放送開始目前の2003(H15)年10月、デジタル放送への準備という役目を終え、独立放送を終了しました。

グルメと旅のローカル情報をITビジョンで

さて、今回はそのITビジョンのお話ではなく、テレビ愛知のローカル番組についてです。現在、テレビ愛知が製作しているローカル番組の中で、2本柱となっているのが、「オイシイとこどり(旧オイシイのが好き)」(30分)と「遊びに行こっ!」(30分)です。ITビジョンでは、両方の番組で紹介した情報を、見たいときに取り出せるというデータ放送も行われ、力の入れ様が伝わってきました。

オイシイのが好き!

「オイシイのが好き!」は1996(H8)年4月にスタート、当初は小島一宏さん(元名古屋テレビアナウンサー)がリポーターを務め、毎週エリアを絞り、その街の食べ物屋さんを数多くピックアップして、それをコンパクトに30分にまとめ、感想よりも情報重視という、アップテンポなグルメ番組として人気が出ました。

「オイシイのが好き」小島さんが美味しそうに食べるんですよね…(出典:テレビ愛知)

現在は、一度「オイシイとこどり」というスタジオ番組にリニューアルしたものの、再び元のスタイルに戻り、エリアや、ジャンル、食材とテーマを絞って、毎回そのテーマに沿ったお店を紹介し続けています。

遊びに行こっ!

翌年1997(H9)年4月にスタートした「遊びに行こっ!」は、観光情報番組です。この番組は当初、それまでに無かった斬新なスタイルの旅番組として、土曜18:30という視聴率激戦区にありながら、二桁の視聴率をマークし、話題となりました。一時期はKBS京都、びわ湖放送などにもネットされるほどでした。

「遊びに行こっ!」第1回は京都。出演者は全然喋りませんでした(出典:テレビ愛知)

何が斬新だったかと言いますと、登場するリポーターは、タレントではなくモデル。ですからほとんど喋らなかったのです。そして、紹介する観光地について毎回、「王道VS提案」という形で、食べる、遊ぶ、見るなど、それぞれについて、必ず2つのプランを戦わせるというスタイルになっていて、普通の旅番組の2倍の情報が詰まっていました。

旅のプランを提案

ですので見る側は、実際に旅行に行く際、番組の行程をそのまま真似るのではなく、いいとこ取りをした、自分なりのプランを立てられるというものでした。

しかも、モデルさんは、感想を言うことはほとんど無く、次々と情報を紹介していくという、テンポのいい30分番組になっていて、見る観光雑誌という言葉がぴったりの番組でした。実際私は、この番組を参考によく出かけたものです。

現在はコント仕立てに

現在もこの番組は放送されていますが、当初のコンセプトとは違い、コント仕立ての旅行番組となっています。両番組は、リニューアルしているものの長く続いています。

テレビ愛知以外の在名局のローカル情報番組は、と言いますと、こういったパッケージ番組よりも、スタジオトークを交えたスタイルのものが思い浮かびます。

テレビ愛知にはそういった番組はありません。しかし、テレビ愛知も実は、ずっとそういった番組をやりたいという願望を持ち続けているようです。

かつてあったローカルの情報生ワイド番組

開局当初スタートした、「みのもんたの時間ですよー」以降、「ぴあぴあNIGHT」、「ごくらくタイムズ」など、テレビ愛知の生番組は、若者をターゲットにしたものばかりで、よくあるタイプのローカル情報番組というものはありませんでした。

そんななか1990年代初め「ほっとサンデー生放送」(60分)という、1時間の生情報番組をスタートしました。大学教授を司会に起用し、この地方の政治、経済について著名人が語り合いながら情報を提供していくという、それまでに見たこと無いような硬い番組でした。

「ほっとサンデー生放送」岐阜テレビでも同時放送されました。(出典:テレビ愛知)

テレビ愛知のローカル番組としては、異例の岐阜放送との2局ネットで、開始当初はすさまじい告知CMが流れました。

ほっとサンデー生放送

しかし、日曜の午前11時には硬すぎたのか、すぐにリニューアルされました。司会は劇団シアターウィークエンドの松本喜臣さんと、シンガーソングライターの水谷若緒さん、そして相澤伸郎アナウンサー(のちに西田修アナウンサー)の3人体制に。

料理あり、旅あり、ニュースあり、プレゼントありの、ローカル生ワイドとして改めてスタートしたのです。

これがとても新鮮でした。テレビ愛知でこういった生番組を見るのは初めてだったからです。また、司会の3人のやりとりが妙におかしく、毎週楽しみにしていました。

スタジオ公開で身近な番組に

最初のうちは誰も集まらなかった、大須演芸場前からのじゃんけん中継。どんな料理にも、必ず牛乳を入れてしまい、「えー、またここで牛乳ですかぁ。」と若緒さんに言われてしまう田中先生の料理コーナーなども忘れられません。

スタジオも公開スタイルとなっており、希望者は、応募すればスタジオで見ることができました。私はいつか行きたいな、と思っているうちに番組が終わってしまい、結局行くことはできませんでした。

身近なのに豪華ゲストも登場するバランス感

誰でもスタジオに行くことができ、大須演芸場に行けば、抽選ではなく全員がじゃんけんをすることができ、勝てばプレゼントがもらえ、FAXを出せば読んでもらえる。実際、私の出したFAXが何度も読まれました。この状況から察するに、視聴率は厳しい状態だったのかも知れません。

しかし、そんな身近に感じられる番組でありながら、藤田まことさんや、市原悦子さん、相原勇さんなど、豪華ゲストも多数登場しました。もちろん、テレビ愛知の事業絡みでしたけれども。

この「ほっとサンデー生放送」は、視聴者と出演者がとても近い関係だった気がします。今思い出しますと、まさしくこれが本当の双方向テレビだと言うことができます。しかし、1994(H6)年6月、突然打ち切られてしまいました。営業的には厳しかったのかもしれません。そして「オイシイのが好き」「遊びに行こっ!」に繋がっていきました。

生ワイドスタイルになるものの…

ところで、「オイシイのが好き」は2003(H15)年4月「オイシイとこどり!」(45分)と番組名を変え、突然スタジオ公開番組となったのです。しかも日曜11:15からという、「ほっとサンデー」を思わせるような時間にです。

しかし、「オイシイとこどり」は司会者の突然の降板騒動などで、たった数回、あっと言う間に、元の「オイシイのが好き」のスタイルの番組に戻ってしまいました。

ケン・マスイさんのダジャレのオンパレード。「みっちゃく」(出典:テレビ愛知)

それ以前にも、「みっちゃく」(35分)というケン・マスイさん司会の生番組を、「オイシイのが好き」とは別に、10:55から放送していました。その番組は現在「情報満載」(15分)として土曜の朝に録画で放送されています。

チャレンジし続けるテレビ愛知

me-ko
me-ko

どうしても日曜お昼にスタジオ生番組がやりたいのかも

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