
名古屋に新しいチャンネルだ! の 第17回です
地元色といえばローカルCM
在名各局は、ローカル局としての使命なのか、各局がドラゴンズ、グランパスの応援番組を編成しています。読売巨人軍中心の日本テレビ系列である中京テレビでさえ、ドラゴンズ応援番組が存在します。
やはり地域密着路線としては欠かせないのでしょう。しかし、名古屋テレビは長年続けていた「ドラゴンズ倶楽部」を終了し、現在は「ロノの魂」という総合ローカルスポーツ番組になっています。この番組ではあまりドラゴンズを取り上げることはなく、サッカーが中心となっています。
かつて存在したローカルスポンサー優遇枠
さて、ローカル色が出るものといえば、こういった番組の他にCMがあります。かつて名古屋では、どのテレビ局を見ていましても、急にローカルCMの塊にぶつかることがよくありました。
普段は全国規模の会社のスポットCMばかりなのですが、ある時間になると静止画スライドCMなどが連続したものです。
どこの局でもよくあったのが、「青柳ういろう」「大須ういろ」「両口屋是清」「オリエンタルカレー」「守口漬」「永島たんす店」「名古屋牛乳」など。
各局それぞれのみで流れていたのを思い出すと、CBCであれば「名古屋地下街サンロード」「洋菓子のボンボン」「フロアーユートン」。名古屋テレビであれば「金原造園」「週刊チョイスニュース」「仙養閣」「日本業務代行」。中京テレビなら「センテック通販」といった具合です。
広域局からは廃止されてしまった
ところが、最近はこういったローカルCMを、テレビ愛知以外で見かけることが少なくなりました。正式な名称は失念してしまいましたが、実は、以前は各テレビ局に「地元企業優先時間帯」なるものが存在していたのです。この時間のみは、地元企業に限り、全国規模の会社よりも安く、スポットCMを打つことができたのです。
しかし時代はバブルになり、他の地方の放送局では、CMを流しきれないくらい契約し、未放送事件などが起こるほど景気は良くなり、テレビ局は黙っていてもCMの申し込みが溢れる時代となりました。
当然、名古屋のテレビ局にも、全国規模のスポンサーがどんどんCMを申し込んできます。そこで、邪魔になったのが「地元企業優先時間帯」です。その時間も、通常のCM料金を払ってくれる全国規模のCMを流したほうが、当然売り上げは伸びます。そのため、各テレビ局は軒並みその枠を廃止しました。その後広域局には、そう簡単に地元企業がCMを打つことができなくなってしまったのです。
ローカルスポンサーがテレビ愛知に集まってきた
テレビ愛知は、こういった状況になると、ますます存在価値は高まりました。テレビ愛知は他の広域局と違い、愛知県のみをカバーする県域局ですから、もともとCM料金が低く設定されているのです。地元企業も比較的CMを流しやすいことから、広域局からどんどん地元企業が流れてきました。
時期は異なりますが、以前、CBCテレビで「ちびっこ展」という、子どもの描いた絵を紹介する5分程度の帯番組があったのですが、この番組は納屋橋まんじゅうの一社提供でした。ところがテレビ愛知が開局してしばらくすると、番組ごとCBCからテレビ愛知に移ってしまったのです。これも、CM料金が流しやすかったお陰だと思われます。
この番組は、現在なくなってしまいましたが、テレビ愛知を見ていますと、実に地元企業のCMの多さに圧倒されます。「質屋」「パチンコ店」「和菓子」「サウナ」「住宅」。他の広域局ではそれほど見かけないCMが、テレビ愛知ではどんどん流れます。
テレビ愛知は「大須」にあるイメージが大きい?
また、テレビ愛知が名古屋の下町、大須にあるということも多少影響しているのか、古いフィルムCMなどが登場します。一見すると、テレビ愛知は古くからある名古屋の老舗テレビ局かと、勘違いしてしまうほどです。「大須ういろ」提供のニュースを見ると、なぜかホッとします。
地域経済の活性化にも一役買っている
テレビ局の使命のひとつに、地元経済の活性化が挙げられると思います。テレビ愛知が他の広域局と同条件で、地元企業に安く門戸を広げているというわけではないので、一概に言うことはできませんが、たまたま生まれたこの状況によって、テレビ愛知は地元企業のCMを流し、地域経済にも一役買っているというわけです。
営業的には岐阜や三重にとって脅威?
ただ、愛知県域とは言え、実際には岐阜県や三重県の都市部でも映るため、岐阜市や四日市市のお店や企業も、テレビ愛知でCMを流しているのを見かけると、岐阜放送や三重テレビにとって、テレビ愛知が脅威の存在であるということも感じます。
実際、テレビ愛知が開局する前、名古屋でも広域局にCMを流せない企業は、比較的名古屋でも映る三重テレビにCMを出稿していました。現在でもその名残からか、それとも特定の視聴者層が狙える番組を流しているからか、野球や競馬などの番組には、名古屋の企業CMが三重テレビにもよく登場します。
地元タレントがよく登場し地域の芸能も後押し
ところで、そういったCMだけでなく、テレビ愛知の地域密着性はもうひとつあります。名古屋というのは場所が良く、東京や大阪からタレントを呼びやすいという点があります。そのため、名古屋ローカルの番組を見てみても、ほとんどの出演者が、全国区のタレントと地元アナウンサーで占められています。
しかし、テレビ愛知のローカル番組は、名古屋のタレントが多く出演し、また、地元の芸能活動、大須「ロック歌舞伎スーパー一座」などについても「ニュースアイ」で多く取り上げるなど、地域の活性化にも力を入れている様子が伝わってきます。
ナゴヤドームのドラゴンズホームゲームの中継権を獲得!
唯一の愛知県域局として、地域密着にかけるテレビ愛知にとって、やはりドラゴンズというのは、大きな存在なのです。
わざわざ広島、神宮、甲子園とスタッフが遠征してロードの試合を中継したり、視聴率的に苦しくとも、形を変えながら続けてきたドラゴンズ応援番組。それが報われるできごとが、2001(H13)4月25日にありました。
この日、ドラゴンズはヤクルトを迎え、ナゴヤドームでの試合でした。そうです。テレビ愛知は開局以来初めて、ドラゴンズのホームゲームを中継することができたのです。
この日は、実況の中でも開局以来初めてであることの報告がありました。まっ白なドラゴンズのユニホーム。そして、見慣れたナゴヤドームの映像も、テレビ愛知の画面で見るのはとても新鮮でした。
先発局を差し置いて…
その後も年に数試合、毎年テレビ愛知にはドラゴンズホームゲームの放映権が与えられるようになり、先発の名古屋テレビ、中京テレビを差し置いて、ドラゴンズナイターを中継しています。でもこれって、努力の報いというよりも、やはり中日新聞系列だからなんだろうな…。まぁある意味、これでやっと、テレビ愛知は名古屋ローカルのテレビ局として認められたような気がしました。
かつてはナゴヤドームからもテープをバイクで!
ちなみに、1997(H9)年3月ナゴヤドームにFPUが設置される以前は、試合が終わるや否や、大急ぎで編集して、大須のテレビ愛知本社までバイクで運んでいたそうです。
野球の試合が長引いて…

スポーツニュースの時間まで試合が続いた時は、どうしていたのだろう…



コメント