
名古屋に新しいチャンネルだ! の 第20回です
テレビ愛知の全国ネット番組といえば…
さて、テレビ愛知はローカル番組だけでなく、テレビ東京系全国ネットの番組もいくつか制作しています。単発のスペシャル番組は別にして、レギュラー番組としては長年、土曜の朝に1本と、日曜深夜に1本の計2本の30分番組を送り出しています。
日曜の夜は名古屋らしくクルマの番組
日曜の夜は、クルマ、バイク、レースの情報番組「モーターランド」がかなり長い期間放送され、スポンサーも自動車部品やメンテナンス用品関係の会社で占められていました。トヨタ自動車のお膝元である愛知県。その自動車王国を象徴したこの番組は、全国20局ネットで放送され、人気番組となりました。

▲「モーターランド2」三重テレビでは金曜7時の放送でした。(出典:三重テレビ)
土曜の朝は経済や自然
対する土曜の朝は、「大前研一の平成談義」「アジアを駆ける」などといった、テレビ東京系列らしい経済番組や、「自然バンザイ」など、硬派な番組を制作していました。
確かに、それがテレビ愛知の理想だったのかもしれません。愛知から、名古屋から、全国に通用するビジネス情報や、オピニオン番組…。しかし、営業的にスポンサーはなかなかつき辛かったようで、ある日、この枠はアニメへと移行します。
突然のアニメ枠に
それまで、名古屋の放送局でアニメをレギュラーで製作していたのは、名古屋テレビくらいでした。「機動戦士ガンダム」を始め、数々のロボットアニメを送り出し、成功を納めていました。それに続けとばかり、テレビ愛知もアニメを製作開始したのです。
「サイボーグクロちゃん」「突撃!パッパラ隊」「仰天人間バトシーラー」「東京ミュウミュウ」そして現在の「ぴちぴちピッチ」と数多くの作品を送り出しています。
アニメになってからは、スポンサーも安定しているようで、また、学校週5日制が導入され、テレビ東京自体が、土曜午前はアニメという編成をしているので、今後もこの枠はアニメが放送されていくことでしょう。
しかし、アニメというのはテレビ愛知に限らず、製作テレビ局らしさというものが出ることは無く、実際に作るのは制作会社という感じがするので、それほど内容的にはテレビ愛知製作の愛知発!という印象はありません。では、もうひとつの日曜深夜の枠を見て見ましょう。
テレビ愛知初の全国ネットバラエティー登場
安定していた「モーターランド」は、一度1992(H4)年3月に終了するも、「モーターランド2」として、2000(H12)年3月まで放送されました。そして「2」も終了し、なんだ「モータランド3」が始まるのか?と思いきや、こんな新聞記事が載ったのです。
「テレビ愛知が、初めて全国ネットバラエティーを製作。」
私は驚きました。モーターランドでないばかりか、テレビ愛知がバラエティ番組を制作すると言うのですから。
確かにそれまでにも、矢野きよ実さんとルー大柴さん司会の「夜もARI-ARI」というレギュラー番組や、吉本興業が協力した「ナインティナインの名古屋でナマ正月!広小路の熱き戦い」という特番など、ローカルでのお笑い番組はいくつかあったものの、全国ネット向けは硬派なイメージの番組ばかりだったからです。

▲「夜もARI-ARI」結構きわどい番組でした…。大須と言えば矢野さん。(出典:テレビ愛知)
衝撃の番組「イカリングの面積」
その番組は、東野幸治さん司会の「イカリングの面積」という番組で、発表された番組コンセプトは、世の中のあらゆる限界に挑戦し、それを検証するという、なんとも掴みようのない番組、その曖昧さに私の期待は高まりました。
そして、第1回、いざ見てみると、この「イカリングの面積」はとてつもない番組だったのです。
世の中のあらゆる限界を検証する…。その中身はとんでもないハチャメチャなものでした。シヤチハタ印は何回押せるのか、ヅラは何度までのズレがバレない限界か、ワンタッチ傘の開く回数の限界、ボール投げを犬が飽きる限界、糊で輪かざりが作ることが出来る限界などなど。シヤチハタというあたりが、名古屋を感じさせます。
かなりぶっとんでいた内容
その姿がまた変なんです。お笑いコンビや、「HYPER GO号2」という、オーディションされた、郷ひろみのバックダンサーの女の子たちが調査員となり、実際に検証するのですが、そのとき着ているおそろいのTシャツが番組特製の、白いTシャツに黒い太字で「イカリング」とだけ書いてあるというとてつもないもの。
しかも、勝手に調査に協力しようするという設定で登場するランディ・マッスルさん(現在テレビ東京「元祖!でぶや」で活躍中)は、自分で買ったと思われる白いTシャツに、同じようにマジックで「イカリング」と手書きしているなど、細かい笑いもあちこちに散りばめられていて、毎週目が離せませんでした。
電波少年のバッタモンと自ら言っていた…
テレビ愛知製作というのを抜きにしても、この番組はかなりツボにはまりました。そして、大型企画がスタートします。ハローバイバイというお笑いコンビにこんな指令が下ったのです。「厚底サンダルの限界を調査せよ。」
厚底サンダルといえば渋谷、そこから、自転車で厚底サンダルを引きずって、西へどこまで行けば厚底で無くなるのかというものでした。この番組のちょうど1時間前には、東京・日本テレビで「進め!電波少年」が放送されており、猿岩石やドロンズなどが大型企画で人気を出していました。
明らかに2匹目のドジョウなのですが、それをわざとやっている感じが伝わってきて最高でした。
テレビ東京系列の無い地域の洗礼
しかし、この企画には落とし穴もありました。東京から西へ西へといくのですが、当然静岡へ入ればテレビ東京系列は無いわけで、番組を誰も知りません。道行く人も冷たい視線です。
ところが、彼らが名古屋に到着すると、なんとテレビ愛知本社では大歓迎。局長自らひつまぶしを奢ります。しかし、それに対して「小遣いもよこせ」と要求するハローバイバイ関。電波少年とはやはり違います。こういう本性丸出しなところが最高でした。この調査は結局、東京から博多まで引きずり2682kmという結果となりました。
テレ東系列の無い地域の洗礼
続いてハローバイバイにまた指令がありました。「ボウリングの玉はどれだけころがせば、ビリヤード玉になるのか。」今度は東京から北へ行けというのです。しかも秋口にです。当然、東北では一切この番組は放送されておらず、誰も応援してくれません。
結局函館で引き返し、東京へ戻ってきたのですが、さすが東京では、知っている人が何人かいました。あるときは「え、これ電波少年じゃないの?」なんて言われる始末。しかもそれを放送するという潔さ。
突然の打ち切り最終回
さらに、驚くべきは最終回です。司会の東野さんはちょうどその頃、入院してしまい、最終回は総集編スタイルだったのですが、その途中、担当Dとプロデューサーとの電話のやりとりが挿入されます。
D「まだ言えてないです。頑張ってるんで…。」
P「早く言えよ。余計罪やで。」
相変わらず、ボウリングの玉を転がし続けるハローバイバイ。そこにDが話しかけます。「言いづらいんだけど、番組終わりなんだ。」唖然とするハローバイバイ。そして、番組の終了を告げるD「今日でロケ終わり、ここで終了。ゴールないよ、ここがちょっとしたゴール。」そしてキレるハローバイバイ。
提供もいないなかで頑張った
こんな最高なバラエティは未だかつて見たことがありません。しかし、スポンサーはほとんど付いておらず、困ったときの東芝頼みという状態でした。テレビ愛知では、なぜか自社製作番組に東芝がよく提供をします。
その次の番組は「SHOWBIZ COUNTDOWN」で、これは現在も続いています。しかしそれはテレビ東京の「JAPAN COUNTDOWN」の姉妹番組とも言える様な構成ですが、スポンサーのつきはまぁまぁです。
「イカリングの面積」はテレビ東京では作れないような、とても斬新な番組だったと思います。制作会社発信だったとしても、テレビ東京にはできないでしょう、こんな番組は。
アニメやテレビ東京の姉妹番組ではだけでなく…

伝説になるような番組を再び期待しています



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