実は妖怪って身近な存在なのかも…水木しげる記念館

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TOPPY
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そもそも、妖怪とは何なのか…。やっぱり怖い存在のような…。そんな妖怪と友だちになろう!

AIKATA
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トッピーが必要以上に妖怪を怖がってた理由がわからない。なんかうしろめたいことでもやってんの?

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水木しげる記念館(鳥取・境港市)

境港市本町5
TEL:(0859)42-2171
駐車場:なし
入館料700円
定休日:火曜(祝日の場合は翌日)
9:30~17:00(夏季は18:00まで)

水木しげるロードの最も奥に位置する、妖怪博物館「水木しげる記念館」へとやってきました。ここは、漫画家である水木しげる先生についての展示もあるのですが、基本的には妖怪の博物館です。先生からのメッセージは「ゆっくり妖怪を見れば、きっと友だちになれると思います」っとのこと。

私は、幼い頃から妖怪について、友だちやカワイイといった感情よりも、畏怖の念の方が強くあり、鬼太郎のアニメを見る際なんかにも怖さを感じたものでした。

でも、友だちになれるのなら、なりたいな…。

そんな想いを抱きながら、記念館へと入ってみます。

その前に、入口も注目です。「2008年は、世渡り上手なおれ様、ねずみ男の年!」ということで、ねずみ男のパネルと水木しげる先生のパネルが。さらにここにもブロンズ像「のんのんばあとオレ」が。少年時代の水木先生と、妖怪に精通していた先生の近所に住んでいたおばあさんの像です。この少年期のおばあさんによる導きによって、先生は妖怪の世界に入り込んでいったことが、後で記念館の展示からもわかります。

幼少期のエモーショナルな体験というのは、実にその人の人生を大きく左右するものだと私自身の体験からも実感しています。もし自分に子どもができたら、空想やイメージの世界を漂うことができる環境をしっかり整えてあげたいです。自分が親にそうしてもらったように。

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さて、記念館です。基本的に1階の展示は撮影禁止です。写真を撮影することが目的になると、妖怪たちと友だちになるという本来の目的を忘れてしまうことになるからでしょう。まずは「げげの間」。水木先生の人生をパネルで辿ります。壮絶な戦中体験と、それとは対照的な先生の自我を通す性格に感銘を受けるとともに、あこがれました。

それに続くように「水木しげるの仕事場」。先生の仕事場が再現されています。この仕事場で、先生は妖怪たちと語り合ってるということですね。

いよいよ妖怪の世界へ。「妖怪アパート」「のんのんばあとオレ」「妖怪洞窟」「あやしの土蔵」「映像シアター」と続きます。なかでも、のんのんばあとオレでは、水木先生がおばあさんから語られた妖怪の世界を追体験することができます。

そして「ふるさとの妖怪たち」では、全国各地の妖怪が紹介されています。ここで見ていると面白いのが、子どもたちが自分の住む県を指差して覚えている姿です。会話を聞いていると、その子たちがどこから来たのかわかります。長野、千葉、長崎…。みんなかなり遠くからここまで足を運んでいるんですね。鬼太郎、そして妖怪の求心力ってすごいや。

境港が妖怪の街になったことで、全国各地から商店街に多くの人が訪れ、なおかつ、最も奥に記念館を作ることによって、ブロンズ像を配置することによって、スタンプラリーを実施することによって、観光客が商店街の最も奥まで足を運ぶ…。これほどまでに完璧な商店街の活性化は、ありませんね。まさに、妖怪に救われた商店街と言えるでしょう。

続いて2階へ。2階は写真撮影が可能です。このとき、企画展示室では「妖怪道五十三次コレクション」が展示されていて、NHKが取材に来ていました。

有名な歌川広重の東海道五十三次の絵が妖怪バージョンになっています。身近なところでは、岡崎は「標河童(ひょうずんば)」、熱田の宮は「馬鹿(うましか)」、そして鳴海は「名店水又屋」。水又屋は有松絞りの木綿を扱うお店で、なんと真夜中は得意先の妖怪が来店するそうです…。今度鳴海に行ったら探してみようかな…。

他にも、鬼太郎に関する図書がずらり揃った「鬼太郎図書室」や、「鬼太郎と仲間たちの秘密」が。鬼太郎と目玉おやじの実物大パネルがあるので、大きさを比べてみるのも面白い。2階の展示のなかで特に私が面白いと思ったのが、先生の作品に登場する架空の本や商品を実体化してしまったもの。ほら、よくあるじゃないですかマンガのなかに出てくる偽者雑誌。そんなものを実体化してしまうセンスが素敵すぎ。

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記念館で感じたこと。妖怪に対して畏怖の念を抱くのは当たり前であり、その存在があるからこそ、人間の行動にある一定の歯止めがかかるという効果があるわけで、妖怪を普段の生活で意識しなくなった人間は、とんでもないことでも平気でするようになってしまう…。実は、妖怪よりも人間ってのはもっと怖い存在なのかもしれない…ですね。

そして水木先生のように、信念を持って努力を重ねて生きていけば、必ずや道は開けるであろう、そう信じることができました。妖怪と先生に背中を押されたような気がします。これからは、もっと身近に妖怪を感じながら生活して、妖怪と仲良くなれるように努力してみます。

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さて今回は、出雲大社の60年ぶりの御本殿特別拝観をきっかけに、神話の世界と世界遺産、そして妖怪と仲良くなるために山陰を旅してみました。

普段生活している名古屋とは全く違う空気が流れていることを、身をもって体験することができました。神話や妖怪に想いを馳せるとともに、妖怪で町おこしが成功している境港の影で、本当に苦しむ「地方」の姿を垣間見ることもできました。

名古屋から遠く離れた地での非日常体験。ぜひ、これを読まれた方も、神話の世界、世界遺産、妖怪の世界と、お気に入りの異世界を体験されてはいかがでしょうか。

境港から発せられる謎の電波「鬼太郎放送局」をFM80.8MHzで聞きながら、妖怪の街を後にしたのでした。

※鬼太郎放送局について…現在は運用が中止されたもようです。人間界に潜む、悪意のある妖怪の仕業かもしれません…。

関連情報

水木しげる記念館
ようこそ、妖怪の世界へ。境港市出身の漫画家水木しげる氏の創出した独創的な作品を中心に幻想的な妖怪の世界へとご案内いたします。

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