ヤマナカ、フィール、カネスエ、ナフコチェーン、ヨシヅヤ。地元発祥のスーパーは数あれど、名古屋っ子にとって、古くから最も馴染み深い大きなスーパーといえばやっぱり「ユニー」。
その「ユニー」の名が、店舗名としては間もなく姿を消すことになりました。株式会社ユニーは昨年8月、グループ会社の株式会社ユーストアを吸収合併。ユニーとユーストアが同じ会社になったことでより合理化を図り、さらにイメージを一新するため、大型ショッピングセンター「アピタ」を除いて、全ての店名を「ピアゴ」に統一すると12月に発表があったのです。
全店舗の店名変更はまだ来月の予定なのですが、先駆けとして「ピアゴ」1号店がオープンしたと聞き、さっそく行ってきました。しかし...統一するという意気込みとは裏腹に、思わず「そんな中途半端な感じで大丈夫?」と思わされることになります。
ピアゴ1号店はあのユニーの跡地に
ピアゴ1号店がオープンしたのは、ユニー柴田店の跡地です。1970(S45)年6月20日から一昨年の2月まで、ここに37年近くに渡って存在していたユニー柴田店は、いかにも昔ながらのユニーという面影を残していて、懐かしさが漂っていました。
私はまだサラリーマンをしていた頃、営業活動中に車でこのユニーの前を通ると、思わず車を止めて、フードコートで食事をしたりしたものです。その時間だけは、まるで幼い頃にタイムスリップしたかのようで、ちょっとしたストレス解消になったのでした。
久しぶりに訪れると、6階建てくらいあった懐かしい柴田店の面影は、今や全く無くなっており、想像どおり平屋の建物が建っていました。そしてそこには見慣れぬ「ピアゴ」の文字。半円と円のユニーのマークから、ピアゴへ...。
先述のとおり、それはこの柴田店に限ったことではなく、今後全ての店舗からユニーのマークが消えることになるのです。
で、実際何が無くなるの?
現在、株式会社ユニーには、複数の業態・店舗ブランドがあります。
・ユニー(古くからのスーパー)
・アピタ(GMS)
・アピタ食品館(古い時期に建てられた小規模アピタを改装)
・ユニージョイマート(古い小規模なユニーを改装)
・ラフーズコア(ユニー運営のユーストア規模の店舗)
・ユーホーム(ホームセンター)
・ユーストア(元は別会社)
このうちアピタはそのまま継続。ユニー一宮店はアピタに業態変更が行われ、そしてホームセンターのユーホームを除き、その他全てが「ピアゴ」に統一されることになるのです。変更は2月21日(土)の予定です。
統一が狙いなんじゃないの?
それにしても気になるのが、今回オープンしたピアゴ1号店の店名。なぜか「ピアゴ柴田店」ではなく、「ピアゴ ラフーズコア柴田店」なのです。
どうして...そんな中途半端なことをするのでしょうか。ということは、普通の「ピアゴ」と「ピアゴ ラフーズコア」は商品構成やイメージが違うということ?まさか、他も「ピアゴユーストア」とか、「ピアゴユニー」といった、おかしなことをする気なのでしょうか。
ピアゴへの店名変更の目的はそもそも、イメージの統一が狙いなんじゃないの?という疑問に持たずにはいられません。
実は先週、ユニー社内でもそういった意思統一が図られていないのではないか?周知ができていないのではないか?という事態が発生したのです。1月20日付の中日新聞の広告に、次のような文言が記されていました。
「アピタ食品館・ジョイマート・ラフーズコアも『アピタ』に変わります。」
え!?アピタになっちゃうの?ピアゴじゃないの?アピタ食品館がアピタに変わるってどういうことよ?と思わず目を疑いました。これについてはもちろん間違いで、ユニーはプレスリリースを出すに至っているのです。このゴタゴタっぷりは見事です。
買い物してみました
というわけで、ピアゴ ラフーズコア柴田店で買い物をしてみました。まだオープンして1週間も経っていないということもあってか、近隣のユーストアに比べて価格が安いような気がしましたが、まあ、小規模店だけあって品揃えはちょっと満足いくものではありませんでしたね。
南区では既にレジ袋が有料化されています。私はいつもエコバッグを持ち歩いているのですが、ピアゴのレジ袋がいち早く手に入れられるかな?と思ってレジ袋を購入。しかし残念ながら、そこにはスーパーの名は入っていませんでした。有料用の袋は無料のとは別物なんですね...たぶん。
どこかで見たような?
それにしても、ピアゴに到着した瞬間からどこかのスーパーに似ているような錯覚があったのですが、はっ!と気づきました。
何となく似ていると感じたのは「ヤマナカフランテ館」。品揃えとかは全然違うのですが...。
ヤマナカには「フランテ」という高級スーパー業態があります。そして普通の「ヤマナカ」とは別に、そのフランテ風のヤマナカ店舗「ヤマナカフランテ館」という中途半端な存在があるのです。
色使いもそうですし、その「ピアゴ ラフーズコア」というネーミングセンスといい、何となくヤマナカフランテ館とイメージが重なり合ってしまいました。
それにしても、オープンして1週間も経たないというのに、外の床の汚さにびっくり。たぶん、滑り止め加工が施してあるためだとは思うのですが、まるで何か汚れが土壌から染み出てきているような、そんな黒ずみでした。
ユニーブランドって、まだまだ名古屋では強いと思うのですけど、それを投げ打ってまで登場させる「ピアゴ」。その狙いは本当に「統一」なのかな?と思えて仕方ありませんでした。
それとも、この柴田店は普通にラフーズコアとしてオープンするつもりが、ピアゴの計画が出てきたために中途半端な見切り発車ということなのでしょうか...。そうとは思えないなぁ。
129店舗の外観を「ピアゴ」に変えるのは、相当な費用がかかることでしょう。この不景気に果たして、それが何にどれほどの効果があるのか、そして本当にイメージの統一は図れるのか。2月21日を楽しみにしたいと思います。
まあとにかく、さようなら...ユニー・ユーストア。
でも、ユニーは会社名としてのみ残ります。結局捨てきれないのなら、捨てなきゃ良いのに...。正直、寂しいんですよ。