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伊勢湾岸道から東海環状に東海北陸そして東名…それだけ周ってその料金!?

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▲国道区間に入ると速度規制標識が登場。実際は何も変わらない。

別に無料になるわけではない

 前回と今回の2回に渡って、名古屋周辺に新たに開通した高速道路ドライブ編をお送りしています。前回は伊勢湾岸道を湾岸桑名インター(IC)から豊田ジャンクション(JCT) まで走りました。

 湾岸長島パーキングエリア(PA)では、ナガシマスパーランドに併設されたアウトレットモール「ジャズドリーム長島」にPAの足湯、そして名古屋のベイエリアを彩る「名港トリトン」、さらに高さ60メートルの大観覧車に天然温泉、複合商業施設が集まる全長800メートルのPA「刈谷ハイウェイオアシス」をご紹介しました。

 伊勢湾岸道は豊田JCTで東名高速道路に接続しますが、さらにそのまま進みます。すると豊田東ICの先から高速道路の名前が変わります。東海環状自動車道です。伊勢湾岸道は名港トリトンの部分だけが高速道路ではなく、国道302号の自動車専用道路区間になっていましたが、東海環状道は全線が一般国道 475号の自動車専用道路になっていてます。

 そのため、高速道路では普段見かけない最高速度を示す道路標識が至るところに設置されています。ここは高速道路ではなくあくまで一般国道なので、最高速度標識を設置しないと最高速度が60キロになってしまうためです。東海環状道には全線、伊勢湾岸道には名港トリトンのところだけに最高速度標識があるのはそういう理由からです。

 豊田東ICを越えしばらくすると東海環状道となります。東海環状道は三重、愛知、岐阜の3県をぐるっと周る道路であることから、各県の頭文字を取って「MAGロード(マグロード)」という愛称がつけられています。陶磁器の生産地である瀬戸市があることから、マグカップを輸送するルートという意味でもありませんし、マグロを輸送するルートというわけではありませんのでご注意ください。

 東海環状道は愛知県豊田市から瀬戸市、岐阜県土岐郡笠原町、土岐市、可児市、可児郡御嵩町、加茂郡八百津町、美濃加茂市、加茂郡川辺町、富加町、関市を通り美濃関JCTで東海北陸自動車道に接続されています。

 現在はそこが終点となっていますが、将来的には岐阜市、大垣市、養老郡養老町と延伸され養老で名神高速道路に接続、さらに三重県いなべ市を通って四日市北JCTで東名阪自動車道と伊勢湾岸道に接続されることになっています。実現すると名古屋を大きくぐるっと一周する環状になることから、東海環状道という名が付けられているというわけです。

 豊田東ICの先には豊田松平、豊田勘八、豊田藤岡ICがあります。その名前に思わず懐かしさを感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 豊田市は 2005(H17)年4月1日に三好町を除く西加茂郡6町村と合併し、愛知県内最大面積を誇り、長野県、岐阜県と隣接する巨大な自治体となりました。その際に藤岡町は豊田市に合併されてしまいましたが、東海環状道が開通したのはその13日前、13日間だけ東海環状道は藤岡町を通っていたことになります。そしてその名はインターに残されました。

 さらに1970(S45)年に豊田市と合併した東加茂郡松平町の名がインターの名前として復活しています。ちなみに勘八は峡谷の名前です。その豊田松平と豊田勘八の間にあるのが鞍ヶ池PAです。

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▲鞍ヶ池PAに入口はありますが、公園自体はかなり遠く、バスで。

この高速道路、トヨタのために作られたようなもの…

 鞍ヶ池PAは鞍ヶ池公園と繋がっていますので、高速道路から降りることなく公園に立ち寄ることができます。鞍ヶ池公園には豊田市の姉妹都市であるデトロイト市から送られたアムールタイガーがいる小動物園のほか、木曽馬やポニーなどがいる観光牧場、豊田から名古屋までを一望できる展望台、遊具広場などが配置された施設充実度の高い公園です。

 また、無料で入館することができるトヨタ鞍ヶ池記念館には、かつて名古屋市内にあった旧豊田喜一郎邸が移築されており、昭和初期の和洋折衷住宅を見ることができるほか、トヨタ自動車が保有している絵画を鑑賞することができます。さらにトヨタの創業から発展を勉強できる施設もあります。

 そして鞍ヶ池PAにはこの東海環状道の全容を展示した「MA Gロード館」もあり、パワーショベル体験という異色のコーナーもあります。PAとは思えないほど盛りだくさんな公園ですが、驚くことはありません。なぜならこの公園は元からここにあったもので、公園に後から高速道路がくっつけられたからです。

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▲鞍ヶ池公園の施設群は、PAから見るとはるか彼方。

 トヨタの豊田市を鞍ヶ池PAで体感し、さらに車を進めます。豊田藤岡ICで下りると猿投グリーンロードに乗ることができますが、ここでは降りずにそのまま東海環状道を進みます。猿投トンネルを越えると、せと赤津ICがあります。赤津ICにはPAが併設されていますが、ここは本当にPAのみで何もありません。せと品野ICの次は、誰かの鶴の一声でやたらと長い名前になってしまった土岐南多治見ICです。

 この東海環状道は土岐市を通っていて多治見市は通っていません。しかも多治見市の中心部からは大きく離れています。土岐市内のICですし、IC建設のために作業用地などを提供したのも土岐市です。元の計画ではここは「土岐南IC」でした。しかし開通が近づくと、なぜか「土岐南多治見」にしたいと、県が日本道路公団に対してIC名の変更を申請します。

 ここで降りても多治見市街に行くにはかなりの時間を要しますし、長いIC名は高速道路では認識しにくいため避けるのが一般的です。にもかかわらずなぜ後ろに多治見がくっついたのかと、土岐市の怒りを隠せない様子が当時マスコミで取り上げられました。裏で多治見市の有力者が動いたという噂もあり、地元には大きなしこりを残す結果となりました。

 この土岐南多治見ICの近くには、御殿場などに大型アウトレットモールを展開するチェルシージャパンによる「土岐プレミアムアウトレット」が2005 (H17)年3月4日にオープンしました。コンセプトは「非日常」。山の中にポツンとあるという特徴を生かし、同じようにロッキー山脈に抱かれたアメリカコロラドの街並みを再現。

 そこに85のショップが入っています。名古屋地区では長島に次いで2番目のアウトレットモールとなりました。かつては御殿場まで買物に行くという名古屋っ子がたくさんいましたから、この土岐プレミアムアウトレットは大盛況。週末には長い渋滞が発生します。ただ、ここは高速道路を出ないといけませんので今回は横目に見るだけで通り過ぎます。

 土岐JCTで東海環状道は中央道と接続されます。そしてその先の可児御嵩ICは、2005(H1 7)年6月12日まで「花フェスタ2005ぎふ」が開催されている花フェスタ記念公園へ行くのに便利で、週末にはIC出口が渋滞するほどの人気ぶりです。花フェスタ記念公園は、その後7月に世界一のバラ園を有する公園として再オープンします。

 この可児御嵩ICは、実際にIC自体が可児市と御嵩町にまたがっているので、先ほどの土岐南多治見のようなわけのわからない意地によって生まれた名前ではありません。

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▲雄大な山並みに抱かれた土岐プレミアムアウトレット。

サービスエリアでタイムスリップ

 続いては美濃加茂ICです。ここは伊勢湾岸道・東海環状道で唯一のサービスエリア(SA) が併設されています。このSAはテーマパークに併設しており、高速を降りることなく立ち寄ることができます。そのテーマパークとは、中村玉緒さんが村長を務める「平成記念公園・日本昭和村」です。

 日本昭和村では、その名のとおり昭和を体感することができます。昭和と言っても64年ありますので幅があります。この昭和村がターゲットにしているのは昭和30年代。当時の里山風景のほか、縁日の仲見世、駄菓子屋さんといった文化、風俗を再現していて思わずタイムスリップをしたかのような錯覚に陥ります。

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▲美濃加茂SAは昭和村に接続。SA自体も昭和な雰囲気。

 昭和30年代を再現しているだけなので、ショーアップされているわけではありませんが、当時の食事や甘味を楽しむこともできますし、茶摘体験や陶芸教室、木工体験や乗馬、トレッキング、夏が近づくとホタルの鑑賞会など幅広く昭和体験をすることができます。季節のイベントも豊富で、節分や盆踊り、収穫祭といった日本の伝統を感じられるものがたくさん。

 昭和をテーマにした商店街やフードテーマパークはよく見かけますが、ここは当時の街並みだけでなく、空気をも再現しています。

 驚くべきことは、この昭和村も可児の花フェスタ記念公園も岐阜県営の公園であり、民間によるものではないという点です。岐阜県は昔からイベント立県構想を持っており、県全体を博覧会会場のようにしたいという考えがあります。世界遺産の白川郷、飛騨高山、美濃焼などと合わせて、その計画は確実に実現へと向かっています。

 美濃加茂ICを越えると、富加関ICがあり美濃関JCTで東海北陸道に接続されます。現在はここで東海環状道は終点となります。湾岸桑名ICから富加関 ICまで途中で高速を降りず「ナガシマスパーランド」「ジャズドリーム長島」「名港トリトン」「刈谷ハイウェイオアシス」「鞍ヶ池公園」「日本昭和村」に立ち寄ったとします。

 すると高速道路の走行距離は114.3キロで料金は4,050円になります。ここから湾岸長島に戻るのであれば、倍の8,100円がかかります。しかしちょっと待ってください。ここでとっておきの裏技をご紹介します。

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▲日本昭和村。有料施設ですのでお気をつけ下さい。

44分の1になる裏技?大公開

 ここでそのまま美濃関JCTから東海北陸道に乗ります。そして一宮JCTで名神高速に乗りそのまま東名高速へと抜けます。すると伊勢湾岸道と接続する豊田JCTが現れますので湾岸道を三重方面に乗ります。そして湾岸桑名ICを越えてみえ川越ICで降ります。すると通常なら走行距離は256.8キロで料金は8,800円となるはずなのですが、東海環状道は未だ環状になっていないので、途中に検札がありません。

 ですのでそんな経路を走ったことはわかりません。純粋に湾岸桑名からみえ川越までの200円で済んでしまうのです。新しい高速道路を走破し、なおかつアウトレットモールでのショッピングから大観覧車、動物園、美術館、テーマパークまで楽しんで、高速料金はたったの200円です。

 ただし、これはもちろん正規の料金ではありません。ETCならそのまま200円で通り抜けられますが、高速道路の発券には時間が記入されるので、収受員さん相手の場合は使わないほうがいいかもしれません。

 券にはちゃんと書いてありますから「走行された経路分の料金をいただきます」と。

 あとふたつ注意点があります。間違っても乗ったインターで降りないで下さい。どう考えてもおかしいですから。そして、上り下りの出入口が別々の料金所で乗り降りしないで下さい。これは地図上でICの形状を見たり、JHのハイウェイナビゲータで検索することである程度回避できます。エラーが出るコースは使用しないで下さい。

 さあ、高速路線図とにらめっこをして、あなたにとって最もお得なコースを探し出してみてください。

イラスト
▲私は実践せず、収受員さんに申し出てちゃんと料金を支払いました。お試しは、今流行りの自己責任でお願いします…。

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