オイシイもの食べたよ! オイシイレポート

変わり行く常滑で変わらないラーメン-味も器もユニークな競艇らーめん

記事公開日:2009年1月2日 更新日:

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 2005(H17)年の中部国際空港開港により、大きくイメージを変えた常滑。常滑の変貌はそれだけにとどまらず、現在も進行形で街は変わりつつあります。そんな常滑の街で昔ながらでありながら、変わった中華そばを出すお店があると聞き、地元の方の案内で訪れました。

 お店の名は「イトウ」。しかし店先に架かっている暖簾には「競艇らーめん」の文字。味も器も、そして呼び名もユニークなラーメンとは一体どんなものなのか、楽しみです。

 そして食べてビックリ、普通の中華そばとは全く違う味わいのものでした。

どうして?競艇らーめん

 お店に入りますと、一見普通の食堂のようなのですが、メニューの豊富さに驚くとともに、実はここが手打ちうどん屋さんであることに驚きます。「競艇らーめん」という暖簾なのに、うどん屋さんなの?

 イトウは、もともと手打ちうどん店として開店したのですが、常滑競艇場にもお店を出したことをきっかけに、競艇らーめんが登場したとのこと。

 このお店も、競艇場に近いこともあってか、店内には競艇選手のサインがずらり。さらに西川きよしさんのサインも。そういえば、きよしさんの相方といえば故・横山やすしさん。やすしさんといえば競艇ですものね。

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まねき猫...じゃない

 案内してくださった方によりますと、かつ丼も絶品とのことだったのですが、ここはやはり名物の競艇ラーメンを注文です。

 驚いたのはお店の方の掛け声。「競艇ラーメン3つ」と言うと、「はい、ボート3つ入りましたー!」って。競艇だけにボートなんですね。

 そして店内を見回していると、ふと招き猫のような目線を感じました...。

 しかし、振り向くとそれは招き猫ではなく...さすが競艇ラーメン。とこなめ競艇のマスコットキャラクターである「トコタン」の招き猫サイズのぬいぐるみでした。

 もう、「あなたを誘っていいでしょ~とことん愛してブブンブン~青い空~白い雲~」なんて曲が聞こえてきそうな気配...と思ったのですが、よく考えたら、とこなめ競艇がそのCMソングを使っていた頃にはまだ、トコタンはいませんでした。

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さすがうどん屋さん

 ラーメンができあがるまで、おでんをいただくことにしました。ラーメン店でおでんは珍しいですけど、ここは本当は手打ちうどん店。この季節、うどん店におでんはつきものです。

 どれにしようかな...と、牛筋に大根、そしてこの地方独特な赤はんぺん(赤棒)を選びます。もちろん、甘めの赤味噌もしっかり用意されていて、かけ放題です。おでんに甘い赤味噌、もうこの時点で至福のひと時。

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あっさりパンチ

 競艇ラーメンが運ばれてきました。

 おにぎりが1つ付いて、しかも大きなチャーシューが2つ入って550円(※取材時)は安い!器も独特で横長のボートっぽいものになっています。だから「ボート」なのね、と納得。

 見た目はいかにも中華そばで、だしはうどん店らしい風味なのですが、しょうゆが違うんです。地元産のたまり醤油を使っているだけあって、ガツンと来るんです。

 ですので、あっさりしたスープなのにパンチの効いたたまりの味という、これはいかにもこの地方の人が好む中華そば、という感じでした。なのでおにぎりとすごくよく合うんです。おいしかった~。

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わざわざすみません

 食べ終わって、お店の外観写真を撮ろうとカメラを構えると、「え?写真撮るの?」という声。あれ、いけなかったのかな...と思っていたら、

 暖簾が片寄っていたのをお店の方が気にしてくださり、わざわざ皆さんで直してくださいました。いや~、本当に暖かい気持ちになるお店でした。

 手打ちうどんと競艇らーめんの「イトウ」は、名鉄常滑線「常滑駅」の東です。また、とこなめ競艇の3階にもお店を構えています。

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変わり行く常滑

 実は道路拡張の影響で、このイトウは近々移転するとのこと。そうなんです。この常滑駅周辺とその西側に広がる「りんくう」は、まだまだ変貌しようとしているのです。

 常滑駅と中部国際空港のまんなかにある「りんくう常滑駅」。その周辺に広がるのが「中部臨空都市」です。すでに「J・ホテル りんくう」や「スポーツクラブ アクトスりんくう」、結婚式場などがオープンしており、まるは食堂が建設されています。

 そしてさらには、2009(H21)年秋にイオンモール常滑がオープンする予定となっています。※1

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 その先、中部国際空港を対岸に見渡すことができる海岸には、りんくう人工海浜が整備されています。長さは630メートルと東海地区最大級。

 離着陸する飛行機を見ることができるだけでなく、空気が澄んでいる日には対岸の四日市や鈴鹿山脈を見渡すことができます。沈む夕日も美しそうです。

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 常滑は、まだまだこれからも変貌していくことでしょう。ただ、どれだけ周囲の街並みやお店の場所が変わっても、あの競艇らーめんの味はいつまでも変わらずにいてほしいものです。

 今度はお腹を空かせて、競艇らーめんとかつ丼!と行きたいと思います。

※1 09.01.23付でイオンモールが開業を2010年以降に延期すると発表。

関連情報

取材協力

KAZ Communications

「競艇らーめん」イトウ(愛知・常滑市)MAP

愛知県常滑市鯉江本町6-37

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