松坂屋本店(名古屋・中区)
5月3日から8日まで、名古屋・栄の松坂屋本店で開催された、池田あきこさんの原画展に行ってきました。今回の「池田あきこ原画展~ダヤンとわちふぃーるど物語」は、池田あきこさんの第2回原画展という位置付けになっていて、昨年6月に大阪高島屋をスタートして全国で開催されています。
第1回の展示会から5年の月日が流れ、その間に池田さんは200点以上の作品を描かれています。今回の展示会では書籍の原画の他に、ジオラマや未発表の巨大な油絵も展示されるとのことで出かけてきました。
ねこのダヤンの池田あきこ先生
池田先生といえばやはり「ねこのダヤン」。しかし私がはじめて池田先生の絵と出会ったのは別の作品でした。私がまだ高校生だった1992(H4)年、誰だったかははっきりと覚えていないのですが、クラスの友達に薦められたテレビ番組がありました。
それは中京テレビで夜中にひっそりと放送されていた「ヨーヨーの猫つまみ」という5分番組でした。実質は2分程度のあまり動かないアニメで、毎回ヨーヨーという猫のおじさんが料理を一品紹介してくれる内容で、ちゃんとレシピの紹介もあり、アニメ版3分クッキングという感じのものでした。
それだけなら特に印象には残らなかったでしょうが、ココという白い猫がとっても可愛く、またBGMといい世界観といいとても心地良くて、夜中のまったりとした雰囲気とマッチしてすごくいい気分になれる時間でした。しかも料理の絵がとても美味しそうで、放送されていた夜中の2時や3時にはお腹にぐっときました。でも、当時はその作者を気にしたことはありませんでした。
再会?したダヤン
時は流れ私は大学生になりました。そして相方が教えてくれたのが「ねこのダヤン」でした。私は以前からカワイイもの好きだったので、どこか怖さを感じるダヤンは、最初あまり好きではありませんでした。しかし相方が行きたいというので、1998(H10)年頃だったか、山梨県の河口湖にある池田先生の美術館に行きました。そこで私はダヤンが暮らす「わちふぃーるど」という世界観に引き込まれたのです。
当時、河口湖の美術館は今のような独特な建物になっていたわけではなく、ペンションか何かだったと思われる建物に絵が展示してあるだけでした。ダヤンたちが描かれた絵にはそれぞれストーリーがあるのですが、絵なので断片的です。その奥にあるストーリー、世界観に私はとても興味を持ちました。そしてその後、ダヤンを主人公として書かれた小説を読み、池田先生のスケッチ旅行記なども読み、今ではすっかり相方よりも私のほうがわちふぃーるどの世界、池田先生に詳しい人間になってしまいました。
小説と街の二部構成
というわけで今回は、私一人で原画展に行ってきました。私は絵のことについてはあまり明るくなく、技法や画材といったことはサッパリなのでそのあたりの感想は割愛します。原画はダヤンが主人公の小説と、ダヤンの住むタシルの街という二部構成になっていました。
小説を読んでいる人には、あのシーンはこんな感じだったのか!という感動があったと思います。ダヤンの性格を知り、私はダヤンの絵をとても可愛く感じるようになりました。ただ見た目の可愛さではなく、キャラクターとしての可愛さ。原画からはさらにいろいろなものを感じとることができました。
原画を見てさらにふくらむ小説のイメージ
池田先生の世界観はとても個性的で、私には話の展開の想像がつかず、本を読んでいるとまるで雲をつかむかのような気分になります。だからこそ刺激を受けることもたくさんあります。でも、私が持っている想像や妄想とは全く別の次元なので、私の作り出すものが、わちふぃーるどの影響を受けるということは無いのです。
自分とは全く価値観や世界観が違うからこそ、池田先生の小説を読むのは楽しくて、ハラハラします。私も、人にそんな思いをさせることができるようなお話、世界観を自分のなかで作り上げていこうと誓ったのでありました。
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