★コミュニティFMの公開生放送に密着
★お祭りムードのなか長時間の生放送
★少しだけ出ちゃいました
市町村単位での放送エリアをカバーする小さなラジオ局「コミュニティFM」。ラジオというメディアの存在意義が唱えられるこの時代、コミュニティFMはやはり、地域密着に生きるしか道はありません。全国各地にあるコミュニティFM局はそれぞれ、いろいろな方法で地域へのアプローチを行っていますが、そのなかで、認知度を上げることができ、地域の活性化に貢献でき、収益にもつながるのが、スポンサーを舞台にして行われるイベントからの公開生放送です。
しかし、コミュニティFMは放送エリアが小さい。それはつまり規模も小さいわけで、人員も予算も限られています。そんななか、果敢にも奮闘する岐阜中濃エリアのコミュニティFM局「FMらら」の地元ショッピングセンターイベントからの公開生放送を取材させていただきましたので、レポートします。
開局1周年にして2度目の公開生放送
市町村単位の小さなエリアをカバーするコミュニティFM局。この地方は、三重県鈴鹿市に2009(H21)年3月に開局した「Suzuka Voice FM」を最後に、しばらく開局の無い状態が続きました。その間に、可児市と美濃加茂市をカバーしていたコミュニティFM局「FMでんでん」が廃局、また、名古屋を中心に愛知県や静岡県をエリアとしていた民放FM局「RADIO-i」が廃局となるなど、この地方のラジオを取り巻く環境は非常に厳しいものとなっていました。
ところがそんななか、岐阜中濃地域にはコミュニティFM局がやはり必要であるという強い思いを抱いた地元が動き、これはめったに無い例なのですが、一度FM局を失ったこの可児市、美濃加茂市、そして御嵩町をエリアとする新FM局・FMららが、2012(H24)年7月24日に開局したのです。その経緯につきましては、こちらの記事「FMらら・いよいよ開局へ…密着レポート!」にて詳細にレポートしています。
FMららは、開局した年の夏から、お祭りとコラボをした生放送を行ったり、花火の会場から音声のみの放送を行うなどの経験を重ね、年末には地元のショッピングセンター・アピタ美濃加茂店から初の公開生放送を実施。そのもようは当時も密着取材させていただきました。「美濃加茂からFMららが初の公開生放送」
そんなFMららがこの夏に開局1周年を迎え、1周年当日には、記念の初の11時間連続生放送と、3市町の常設スタジオからの同時生放送を実施。そして今回、アピタ美濃加茂店で大規模に開催された夏祭りイベント会場から、長時間の生放送を実施したのです。その成果やいかに。
金曜はあのロックな番組と特番生放送
アピタ美濃加茂店ではこの夏「美濃COME ON祭(みのかもおんさい)」と題して、7月26日(金)から29日(月)の4日間、平面駐車場に設けられた特設ステージにて、ダンスコンテストから郡上踊り、盆踊り、民謡、そしてマジックショーと、ショッピングセンターとしてだけのイベントではなく、地域の人を巻き込んだ形での大規模なお祭りが開催されることとなりました。
そんななかFMららは、金曜と月曜の2日間にわたって公開生放送を実施。さらには小学生以下を対象とした、オリジナルイベントも企画し、お祭りに加わったのです。両日の放送時間は合計8時間。そんな長時間にわたる公開生放送は初めてのこと。一体どんな内容になるのか…。
金曜はまさに長丁場。午後4時から9時まで5時間の生放送です。前回の公開生放送は、アピタの入口でのセッティングでしたが、今回は外。テントを張ってのサテライトブースです。ところがなんと放送の直前に雷雨に見舞われ、冒頭の数分間、回線がつながらないという愛嬌もありましたが、すぐに復旧。ところが、もうひとつ気になることが。
このサテライトブース、ステージのすぐ横にあったものですから、ステージで太鼓の演奏がはじまると、その音がマイクを通して入ってしまい、まるでそれは雷のよう。パーソナリティも最初は雷と間違えていましたが、すぐに気づくと訂正。むしろ、ステージの音がバンバン入ることで、臨場感が増したような感じさえしました。
金曜の午後4時は、北尾Kinnyさんとミシェルさんの「ROCKぱわーすてーしょん」。普段からテンションの高い番組が、公開生放送となれば、もうMAXです。会場には番組のファンの方も訪れて、盛り上がりました。
ステージとの一体感でそういう流れね!
午後6時からは特番に。そこからは北尾Kinnyさんと、以前もアピタ美濃加茂店からの放送を担当された、ひかりんさんの進行となりました。この時間は何をするのかと思ったら、ステージでの発表を終えた、ダンスコンテストの入賞チームインタビューや、次にステージに立つ鳴子踊りのチームへの意気込みを伺うといった形で、ステージと連携する形での番組構成となっていました。
これはいいですね。ステージに上がる前にラジオに出れば、演者さんもそこでひとつ気分が盛り上がりますし、コンテストの表彰式後にラジオのインタビューは、子どもたちも思い出に残りますものね。そして何より、聞いている方にとって、ステージで何をやっているのか?が、ステージの音をそのまま流すよりも伝わってきますものね。これは、主催者側との調整、大変だったでしょうね。
ネット環境があればこの設備で
こういった会場から放送局に音をどうやって送っているのか、気になるところです。かつては無線で飛ばしたりというのが普通で、そのためには大規模な設備や費用がかかりました。しかし今は、インターネットのおかげで随分やりやすくなったのですね。
ブースにはマイクとCDプレーヤー、そしてミキサー。ミキサーで音を集約したら、そこからはコーデックという機械を通してインターネット回線へ。FMらら本社に設置したコーデックで音を受けて放送へ。インターネット回線さえあれば、この設備で放送クオリティの音質での中継が可能なのですから、すごい時代になりましたね。
しかしやはり、無線ではなくネットでの中継となりますと、どうしても遅延が発生してしまうのですよね。CMが本社出しなので、その調整は大変そうでした。
大雨に見舞われましたが盛り上がりました
かわってイベント最終日、29日(月)は午後6時から3時間の生放送。この日はじゅんじゅんさんとひかりんさんの担当です。初日もそうでしたが、店長をはじめアピタのスタッフが登場して、推しポイントをお話しするのが面白い。しかも台本どおりな感じではなくて、アドリブを交えてでしたので、それぞれの方の素の言葉がとても身近に感じさせてくれますね。大型ショッピングセンターでありながら、近所の商店街のような親しみやすさを、電波を通して感じることができる番組のつくりになっていました。
ところが、この日は雨。しかもかなりの強さでして、ステージイベントはすべて店内での開催に。放送ブースも入口横の屋根はあるものの…という場所に。ひょっとして閑散とした展開に?と残念に思っていたら、これが逆の展開に。
雨が強く降ってきたことで、立体駐車場からぬれずに買い物ができるこのお店に足が向かったのか、はたまた、ステージイベントの大トリに登場される、東海ラジオの人気パーソナリティ、タクマさんのマジックショー目当ての方がたくさんいらっしゃったのか、理由はわかりませんが、屋外イベントが中止になったとは思えないほどに、店内はにぎわいました。
FMらら企画のイベントも成功
FMららでは、このお祭りから生放送するだけでなく、ひとつイベントを企画していました。それが「店長さんと警備さんを探せ」。小学生以下を対象にカードを配布、店内のどこかにいる店長さんと警備さんを探してスタンプを押してもらうと、もれなく景品がゲットできるというもの。
150名様限定だったのですが、見事にカードはすべて捌けてしまい、景品をゲットできたお子さんたちは大喜び。もちろん、狙いはFMららを知ってもらうことです。ラジオと接点が少なさそうな世代に、ラジオに興味をもってもらうアプローチをすること。地道ですけど、それが将来につながるわけですよね。いや、つなげないと…。
ちょこっと出させていただきました
この日も、ステージイベントを終えた「民謡バンドこまち」が放送ブースでラジオに登場するなど、ステージとラジオの一体感がありました。でもさすがに、東海ラジオのパーソナリティであるタクマさんの登場はありませんでした…。残念。
実は私も少しマイクの前でしゃべらせていただきました。だって、黙っていられませんよ。名古屋生まれの私が愛する地元ブランドですからね。アピタ・ユニー。アピタへの思い、e-priceへの思い、しっかり語らせていただきました。まったくヨイショなんかじゃあありません。小さい頃からユニーのフードコートでスガキヤラーメンを食べて育ったようなものですからね。
開局1周年にして、2度目の公開生放送も盛況のうちに終わりました。冒頭にも書きましたが、スポンサーを舞台にして行われるイベントで、認知度を上げることができ、地域の活性化に貢献でき、収益にもつながるわけですが、コミュニティFMがこれだけのことを行うということは、容易なことではありません。まだ開局1年の局が、それをコンスタントに実現できていることは、誇れることだと思います。
一度、FM局を失ってしまった地域だからこそ、特にですね。これからも地域とともに、地域に育てられる、支えられる形での発展、期待したいです。さらにこの夏は、8月3日(土)には御嵩町で催された「第18回よってりゃあみたけ~夢いろ街道宿場まつり~」から4時間生放送、17日(土)に美濃加茂市で開催される「おん祭MINOKAMO 2013夏の陣」からも生放送を行う予定とのことです。
あれ?「可児夏まつり2013」からの生放送は?現実も、ありますね。
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