安来といったらやっぱりどじょう。どじょうを食べるならやっぱり老舗。
結構歩いたり、あちこち移動したりしてるのに、あまり疲れを感じなかったのはやっぱり温泉のおかげかも。
さぎの湯温泉「安来苑」(島根・安来市)
TEL:(0854)28-6262
駐車場:20台
レストラン:11:30~14:00(不定休)
IN16:00~ OUT10:00
松江から、途中までは立派な国道432号線を通って山を越え、安来へとやってきました。安来と言ったらその名のとおり、「あら、えっさっさ~」の安来節、どじょうすくいを思い浮かべますが、今や全国区になったその安来節が伝わるのがここ安来です。時間があれば安来節を鑑賞したかったのですが、今回はスケジュールの都合上立ち寄ることができませんでした…。
では安来に何をしにきたのかと言いますと、安来節ですくわれたどじょうをおいしくいただき、ゆっくりとさぎの湯温泉で露天風呂につかるためにやってきたのです。そして翌朝は、アメリカの日本庭園専門誌が5年連続の日本一に選んだという庭園のある足立美術館へ。日本画を描くかのように作った庭園とは。
松江からグネグネとした細い名ばかりの国道432号線で山を越え、安来市へとやってきました。と言っても、安来の中心部ではなく旧広瀬町の中心部から安来に入りました。それには目的があります。「さぎの湯温泉」に泊まってゆっくりするためです。
さぎの湯温泉には、その昔白鷺がお湯につかって足の傷を癒したという伝説が残されており、今から1300年近く前に、その白鷺の姿を見た人によって発見されたと伝えられています。なんか似たような話をどこかで聞いたことが…。そうだそうだ。鹿が傷を癒したという伝説を持つ「鹿の湯」こと湯の山温泉が三重県にありましたね。
そういえば湯の山では、水道水を沸かしていたのに温泉と表記していた旅館の偽装が発覚、なんてことがありましたね…。そんな詐欺の湯の話ではなく、白鷺のさぎの湯に話を戻します。
さぎの湯温泉の効能は、白鷺もそうしていたことからわかるとおり、神経痛や筋肉痛、関節痛そして切り傷の治癒など。この温泉地にある全ての旅館に露天風呂があり、天然かけ流しとなっています。鷺はいても詐欺はいません。そんななか、どこの旅館に泊まろうかと迷ったのですが、今回お世話になったのは、昼間はレストランとして営業もしている老舗旅館の「安来苑」。
玄関にどじょうすくいで使われるひょっとこのお面の巨大なものが飾られているとおり、こちらの宿の自慢はどじょう料理。しかも、安来市内で最も古くから本格的どじょう料理を出しているお店とのことで、老舗旅館で老舗のどじょう料理を味わいます。ところがこの旅館、すごいのは料理だけではありませんでした…。
もちろん私たちは「どじょう料理プラン」でしたので、食事の前にどじょう鍋について「柳川鍋」にするか「ネギどじょう鍋」を聞かれました。それぞれ1つずつお願いします。食堂へと案内されると、目の前にはお刺身、おそば、そしてカニ!と豪勢にズラリ。お楽しみはやっぱりどじょう鍋です。
実は初めて食べたのですが、もうこれが本当に柔らかい。ありきたりな表現ですが、口の中で溶けてしまいます。ネギどじょう鍋のほうが、よりどじょうの柔らかさが引き立っていました。
柳川鍋とネギどじょう鍋の味の違いにもびっくり。全く違う風味です。そして薄味にもかかわらずどじょうの臭みが全くありません。たぶん何か秘密があるのでしょうね。さらにどじょうのから揚げも。なんと、直前まで生きていたものを揚げて、味付けは塩のみとのこと。どじょう堪能です。
おなかがいっぱいになったら、やっぱり温泉。安来苑はなんと、宿泊客は貸切露天風呂を無料で利用することができるのです。ただし、時間の予約などは受け付けていないので、誰も入っていない時を見計らって入る形になります。しかもその貸切風呂、内風呂もあってさらに露天風呂もあるという贅沢さ。これなら小さいお子さんのいる家族とかは特に大喜びでしょうね。ただし、洗い場は少ないです。そこはまあ、順番で。
お風呂を出ますと、さすが老舗旅館。私たちが幼かった頃に見たとしても、既にレトロと感じたであろうほどに古いマッサージ機が。そして建物内をよく見渡すと、昭和の前半のような消火設備の案内があったり、使われていない部屋のようですが、扉を開けるとほんのわずかしか廊下が無く、足を滑らすとすぐにまっさかさまという部分あったりと、現代では考えられないような構造で、ある意味本当の老舗。建物も老舗。
タイムスリップ感も味わえます。
と言っても、けっして汚いとか不便といったことはなく、昔からの設備を一生懸命メンテナンスして、綺麗に清掃している感じが伝わってきます。その、建物や設備が古いのに現役で綺麗という点に、タイムスリップ感を感じるのでしょうね。昭和好きにはたまらないかも。
そんな雰囲気の中のロビーに、インターネットコーナーがあるあたりのギャップも面白い。
コメント