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絵画のように庭園を描く・滝も作る!-足立美術館

記事公開日:2008年9月21日 更新日:


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TOPPY
日本庭園の良さなんて、素人にわかるかな...と思ったけど、実際に目の当たりにするとやっぱりすごい。

AIKATA
さあ、庭園の写真を撮るぞー。え?芸術作品だから撮影不可?なんてことはないよね...?

足立美術館

安来市古川町320
TEL:(0854)28-7111
駐車場:400台
無休
9:00~17:30(10~3月は17:00)
入場料:2,200円

 安来にやってきたのは、どじょうを食べるという目的も確かにありましたが、当初の目的は、相方が足立美術館を写真に撮りたいというもの。何でも、足立美術館には世界が認めた日本一の日本庭園があるのだとか。相方はそのために一眼レフのカメラまで持ってくる力の入れよう。

「庭園とはいえ美術館だから撮影禁止じゃないの?」と、私が冗談で言うと、

「え!それは困る」と、困惑顔の相方。

 果たして、世界が認めた日本庭園とは。一体どんな風景が広がっているというのでしょうか。

 足立美術館はさぎの湯温泉のすぐとなり。大駐車場を完備していて、朝から観光バスが何台もやってきて、たくさんの人が降りてきます。受付から入りますと、目の前のガラス張りの空間から広がるのは「迎賓の庭」。さらには、創設者である地元出身の実業家、故足立全康さんが庭を案内する姿を彫刻したブロンズ像が指差す方向には苔庭。それはまだ序章に過ぎません。全体でなんと、50,000坪という広大な日本庭園が広がっています。

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 アメリカの日本庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」が毎年、日本全国755の庭園を対象にランキングを作成しているのですが、この足立美術館の日本庭園は手入れや維持管理が徹底されていることが高評価され、5年連続で日本一を獲得しているのです。ロビーからは「枯山水庭」が見えてきます。

 これらの庭園は、横山大観の日本画をモチーフとして造られたもので、コンセプトは立体の絵画。ですから全てがその芸術のために造られたもの。庭園の奥に見える滝「亀鶴の滝」ももちろん、絵を描くかのようにそこに造られたというわけです。

 やはり美術館ということで、所蔵作品の写真撮影は禁止されているのですが、この庭園は撮影OKです。それを知った相方は、安心して一眼レフを構えていました。さらに進むと、池庭、白砂青松庭が見えてきます。それら庭園を眺めながら一息つくことができる喫茶室や、お茶室もありますので、ゆったりした時間を過ごすことができます。まあ私たちの場合は、入場料2,200円を払った時点でお財布がゆったりしていないので、先へと進みます。

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 面白いのが、この庭園が立体絵画たる所以ともいえる演出です。建物の窓を大きく一枚ガラスで仕切り、まるで窓が額縁となって庭園が一枚の絵のように見える「生の額絵」や、同じように縦長に作られた窓の向こうに山水画がかかっているかのように見える「生の掛軸」など、広大な庭園を一部分切り取って生の絵として楽しむことができます。まあ、時には庭師の方や見物客の姿が絵の中に入ってきますけどね。そこも生ですから。

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 この美術館は、庭園がモチーフとしていますとおり、横山大観のコレクションで知られています。他にも北大路魯山人、河合寛次郎による数々の作品を見ることができ、日本の伝統芸術をじっくりと味わうことができます。

 さらには、林義雄さん、鈴木寿雄さん、武井武雄さん、川上四郎さん、黒崎義介さん、井口文秀さんといった方々による、キンダーブックなどに掲載された、子どもたちのために描かれた絵「童画」の所蔵品も多く、童画展示室もあります。

 私たちが訪れたのは夏でしたが、秋は紅葉、春はツツジと季節折々で様々な表情を見せてくれるであろう日本庭園。写真で見ただけですが、雪の降る静寂に包まれる冬も味があってよさそうです。ただ、雪の降るなか、山陰まで名古屋から車で来る勇気がありませんが...。

 それにしても駐車場が大きい。まあ、世界的に有名なのでそれくらい必要なのかもしれませんが、それに対して美術館の入口がとても地味で、最初は一体どれが美術館の建物でどこが入口なのかわかりませんでした。でも、その地味な入口の奥には広大なのに上品で静かな空間が広がっています。

 究極なのは、この美術館全てが個人所有というのがすごい。

関連情報

足立美術館

足立美術館(島根・安来市)MAP

足立美術館


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