NAGOYA REPORT 万博便乗!新名所特集

納屋橋で実験屋台・東京で名古屋グルメ・そして登山!?名古屋グルメで思わず遭難

記事公開日:2005年6月4日 更新日:

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▲周囲に散策路も整備された旧加藤商会ビル。

 10回に渡ってお届けしてきました、万博便乗スポット紹介企画「名古屋新名所シリーズ」。ラストの今回は名古屋グルメを紹介します。まさしく便乗の期間限定屋台街から、東京で食べられる名古屋グルメ、そして絶対に名古屋でしか食べられない驚愕の名物メニューを出すお店をご紹介します。まずは名古屋の都心に誕生した期間限定屋台街から見ていきましょう。

実験的に屋台を復活

 名古屋の中心部を南北に流れる堀川。ここ最近は水質の浄化も少しずつ進み、かつてはドブ川の様相だった風景が次第に都心のオアシスと変貌しつつあります。広小路通が堀川と交差する納屋橋は1913(T2)年製。橋のたもとにある旧加藤商会ビルは1931(S6)年に建てられたもので、登録有形文化財となっています。

 この度、ビルの修復が完了しました。名古屋は地下街が発達している反面、地上に賑わいがありません。そこで堀川開削400周年となる 2010(H21)年に向けて、この広小路通を中心に活気を取り戻すべく「堀川納屋橋地区にぎわいづくり事業」が展開されています。そして愛・地球博が開催されている9月25 日まで、その事業をPRする一環として納屋橋の南側に屋台村「納屋橋環境劇場」が設置されています。

 納屋橋環境劇場に出店している屋台は5店舗。化学調味料を一切使わない無添加たこやき8個450円の「たこやきマイケル」、アサヒビールの焼酎を味わえる「納屋橋焼酎Barのりのり」ではきしめん(400円)などが楽しめます。もっと名古屋の味を堪能したい!という方も大丈夫。

 鉄板料理屋台の「てつまる」では名古屋流のお好み焼き(550円)や手羽先 (500円)を、そして「串やぶ」では、串かつの上に牛スジを赤味噌で煮込んだ「どて」が乗っかった「どてかつ(500円)」が人気。「みそ串かつ」と「どて煮」ふたつの名古屋名物を一口でよくばりに。

 さらに名古屋流の赤味噌が、もっとエスカレートしたメニューを出しているのがその名も「みそゴロー」。八丁味噌や七宝味噌をブレンドしたものを6時間煮込んだ「名古屋赤味噌ラーメン(650円)」で驚いてはいけません。ラーメンに味噌カツがどかんと乗った「味噌カツラーメン」がなんと650円。すごすぎです。

 各屋台は、単体で別の場所にお店を構えているところばかりですが、屋台のみのメニューもありそれらは期間限定ですのでお早めに。名古屋ならではの味ですが、名古屋っ子でもちょっと驚きです。今はラーメンにもかかわらず、創作だからと平気で4ケタの価格を設定するしゃらくさいお店が多い中、カツがラーメンに入って650円はお値打ち。

 リバーサイドの屋台村で箸をつつくなんて、少し前の堀川、少し前の名古屋では考えられない風景です。期間限定なのは惜しいなぁ。土日は全店午前11時から深夜0時まで。てつまる、みそゴロー、のりのりは平日のみ午後5 時オープンです。

 続いてその広小路通を栄方面に歩き、UFJ銀行の本店の横、UFJ名古屋ビル別館が取り壊された跡地に5月27日から9月26日まで期間限定で開かれている、世界の味が食べられるグローバルビアガーデンが「名古屋文化屋台広場」、略して「NAGOBUN」です。名古屋は何でも略します。

 占い、ネイルアートの「ビーナスポイント」と「駄菓子屋ケンちゃん」の他、10店舗の飲食店が出店しています。まずは「ナゴヤに感謝。ナゴヤに乾杯。」と名古屋っ子の心理をうまくくすぐるキャンペーンを展開している「キリンラガービール」でビールを仕入れて回りましょう。

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▲堀川を眺めながら究極の名古屋グルメを...納屋橋環境劇場。

 タイ料理の「クッキ・ヌードルズ」ではタイ風冷麺、タイカキ氷、棒春巻きを。でも冷麺と言ったらやっぱり韓国という方は、韓国冷麺、チヂミ、石焼ビビンバの「明恵亭」。中国なんか食っちゃえ!エビチリ、マーボー豆腐は「ファースト中華CHA-CHA」で。同じ中華なら友好的な台湾の味を!という方は「台湾夜市LITTLE TAIPEI」でジャンボチキンカツをどうぞ。さらにもっとワールドワイドな方はメキシカンフードの「KAZEYAデ・アミーゴ店」でタコスをどうぞ。

 世界の味って言ったって、やっぱり日本だわ。「広小路鐵板堂」で太麺やきそば、お好み焼きを。いやいややっぱり名古屋だわ。その名も「那古屋亭」では味噌串かつにどて串かつ。こちらもその名も「手羽先屋」で手羽先、焼き鳥、鳥の唐揚げをどうぞ。店名のネーミングがストレートすぎてハートに来ますね。

 そして今、流行しつつあると言われているジンギスカンを「熱風食堂」でどうぞ。最近ジンギスカンがはやりと言われていますけど、これはアメリカの牛肉輸入再開の見通しがたたず牛肉が高くなり、豚肉卸業者の関税逃れなど次々と問題が発覚し、豚肉も安く仕入れることができなくなった外食産業の苦肉の策で羊肉が注目を浴びているに過ぎません。羊肉は関税かかりませんからね。

 苦肉の羊肉。そんなほろ苦さもジンギスカンで味わってください。

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▲みそかつとラーメンの融合もすごいけど、さらにすごいお店が名古屋にはあります。それは最後に。

東京に名古屋の味が続々進出

 さて、ここまでは名古屋で味わえる期間限定の屋台村を紹介しましたが、ここからは東京で味わえる名古屋の味を見ていきたいと思います。こちらもかつてのスガキヤのように、場合によっては期間限定になるおそれもありますのでお早めに。

 まずは味噌煮込みうどん。名古屋で味噌煮込みと言えばやっぱりふたつの山本屋、「山本屋本店」と「山本屋総本家」です。今まで山本屋の味噌煮込みを名古屋以外で味わうことは不可能でしたが、山本屋総本家が2004(H16)年11月に東京進出。

 極太、生煮えと言われてしまう味噌煮込みうどんが東京で受け入れられますかどうか。いや、それ以前に赤味噌のビジュアルでひかれてしまうんですよね。東京で暮らす隠れ名古屋っ子の憩いの場となる可能性もあります。 JR山手線秋葉原駅近く、千代田区神田和泉町にあります。

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▲山本屋総本家の味噌煮込みが東京でも!

 続いて手羽先。名古屋で手羽先と言えば「風来坊」と「世界のやまちゃん」。風来坊は名古屋以外でも北海道静内、埼玉桶川、茨城日立、富山高岡、大阪西成、福岡、佐賀、熊本、さらにロサンゼルスにもあるのですが残念ながら東京にはまだありません。逆に首都圏進出に力を入れているのが「世界のやまちゃん」です。

 池袋に2店舗、新宿に4店舗、川崎に2店舗を構えています。新宿で山ちゃんというのも名古屋っ子にとっては不思議な感覚です。「世界の山ちゃん」という名前ですが、こちらは海外に進出していません。実態は「世界の風来坊」ですね。

 そして銀座にいきなり進出して話題となったのが、味噌かつの老舗「矢場とん」です。 2004(H16)年3月に出店しました。味噌かつはお店によって味に差があります。初めて食べた味噌かつがまずいと、その人は一生味噌かつが嫌いになってしまうでしょう。しかし、矢場とんで味噌かつ初体験をすれば、味噌かつってこんなに美味しいものだったのかと驚くこと間違いなし。

 同じ矢場とんでも、銀座にあるというだけで敷居が高く感じてしまう私の感覚は、東京にコンプレックスを持つ名古屋っ子特有のものでしょうか。

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▲世界の風来坊!?「元祖、手羽先は、風来坊です!」というCMでおなじみ。

東京にリベンジ!今度こそは

 東京編最後は白いスープでおなじみのスガキヤラーメンです。名古屋っ子にとってはマクドナルドよりも身近なファーストフード。2004(H16)年12 月に東京1号店高田馬場店を出店しました。でも、首都圏の方の中にはスガキヤを懐かしく思われる方もいらっしゃることでしょう。かつてスガキヤは首都圏に 80店舗もの店を展開していました。家賃とメニュー単価の乖離から一度完全撤退を決めたスガキヤが、5年ぶりに東京へリベンジです。

 もちろん、ちゃんと今回は策があるんですよね?まさか名古屋ブームだから便乗しちゃえとか、そういう軽いノリで進出したとなると...。と思っていたら、東京のスガキヤは名古屋よりも値段設定が高くしてありました。なんとラーメンが300円もするのです。え?安いんじゃないかって?いえいえ。名古屋のスガキヤではラーメンは280 円です。これでも何度か値上げしてるんですよ。そりゃ首都圏で家賃払うの大変だわ...。

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▲スガキヤの東京リベンジは高田馬場から。

今や人気は全国区の喫茶「マウンテン」

 さて、最後にご紹介するのは、やっぱり名古屋でしか食べられない味です。といっても名古屋名物ではありません。とてつも無いメニューを出す一軒のお店をご紹介します。そのお店の名は「マウンテン」。その名前から、このお店に行くことについて「山登り」という隠語を名古屋っ子はしばし使います。

 その山登りを甘く見てはいけません。味はかなり甘いにもかかわらず、初めて山登りをする者の多くは、遭難してしまうのです。遭難する飲食店とは一体どんなものなのでしょう。

 そのお店は地下鉄鶴舞線いりなか駅から北東に500メートル、昭和区滝川町にあります。店の前にはその名のとおり雪山の看板。この先の山登りは壮絶です。メニューを見ればいかに壮絶かがわかります。

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▲人はここで食事することを、山登りと言う。「マウンテン」。

「甘口抹茶小倉スパゲティ」「甘口いちごスパゲティ」「甘口メロンスパ」

 それだけで驚いてはいけません。量もすごい。マウンテンで腹八分なんてことはあり得ません。食事メニューだけでなく、パフェには鯛焼きが丸ごと乗っていたり、フロートには普通のアイスクリーム数個分のバニラアイスが乗っけられています。しかし値段はリーズナブル。でも「お値打ち」かどうかはあなた自身の目でお確かめ下さい。

 さあ、東京で、そして万博のついでに名古屋で名古屋の味をご堪能下さい。ただ、山登りをされる際はお気をつけ下さい。もちろん普通のメニューもありますが、マウンテンまで来て甘味スパを食べないのは、せっかく富士山の登山口に来たにもかかわらず、五合目で帰ってしまうようなものです。

 でも、いくら興味があるからと言っても、ひとりで複数のスパゲティーを注文するのは無謀というものです。滑落の危険があります。


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