はん月(三重・名張市)
先日、三重県名張市の友人のお宅に行ったのですが、その際に友人が昼食にと、予約制のお店の席をとっておいてくれました。名張の駅を見下ろす丘陵地に広がる住宅街、名張市立図書館からその住宅街を縫うように続く坂道を下りていきます。すると隠れ家のような建物が現れ、そこがレストラン「はん月」でした。
はん月という店名には大きな意味がありました。そこには、かつて東京に憧れていたにもかかわらず、諸事情から上京を諦めた私にとって、そんな道もあるのかとまさに目からウロコが落ちるような発想が隠されていたのです。
まるで山小屋?
店内に入ると、床、壁、天井、テーブル全てに木目が生かされていて、まるで山小屋に来たかのような印象を受けます。ランチタイムは午前11時半から午後2時半まで。座席数は22。ランチは1日20食限定の予約制となっています。また、午後2時半から日没まではティータイムとして営業をしています。
作りたて&バイキング
お昼ごはんは惣菜10品。メイン料理は作りたてが席まで届けられますが、そのほかはバイキング方式となっています。この日は「ほうれん草のおひたし」や「ブロッコリーとたまごのサラダ」といった前菜から「白菜とツナの煮もの」「すき昆布の煮もの」とどれもヘルシー。「じゃがいも、モロッコ、牛肉の炊いたん」と関西の柔らかい言葉で書かれたメニューに和みます。
おかわりは自由なのですが、10品をそれぞれしっかりと盛り付けると、お腹は充分に満足するボリュームです。揚げたてのエビフライがサクサクでご飯が進みます。煮ものの味も濃すぎず薄すぎずとても上品。けんちん汁も絶妙な味わいでホッとします。
食後にもコーヒーでゆったりと
食後にはコーヒーまたは紅茶と、焼き菓子がデザートとしてついてきます。これら全てで1,050円と言うのですから、とってもお値打ち。しかも満足感があってヘルシー。お店のある場所も然ることながら、店内もまるで隠れ家のような雰囲気で癒されます。ご近所の主婦たちの話に花が咲くのも無理ありません。
こちらでの営業は月の前半だけ
さて「はん月」というお店の名前に隠された秘密とは。それは、毎月1日から15日まで、半月しか営業していないということです。このお店は名張市出身の姉妹2人が今年3月にオープンしたお店なのですが、故郷というだけで、姉妹は二人とも東京在住なのです。
東京で主婦業をされていながら、故郷にお店を構え、月の半分だけをそこでオーナーシェフとして腕を揮っているのです。
月の後半はお店をカルチャー教室などの場所として貸し出していて、店内にはそんな案内の張り紙がいくつも。
上京するのか、故郷を守るのか。
一度でも東京に憧れて上京を考えた人、また、上京して故郷を離れた人ならその二つに悩み、どちらかに決断をして今があることと思います。私もそうです。
しかし、どちらかに決断を下すということだけが選択肢ではないということを思い知らされました。
上京することだけが全てじゃない。故郷に残ることだけが全てじゃない。
半月を故郷で地域のために働き、そしてもう半月を東京で暮らす。そんなスタイルもありなのですね。固定概念で固められてはいけないな…と、まさか昼ごはんからそんなことを学ぶことになるとは思ってもみませんでした。
コメント
確かに地元か都会かという二択の世界で生きてる人は多いですね。物事は多面的にみないといけませんね。
(2007/11/18 8:34 PM)
>tsechttp222.sec.nifty.comさま こんにちは
そうですね。まさに目からウロコが落ちました。自分もいつかは東京の風を感じられる名古屋っ子になりたいな、と、一つ目標が増えました。
(2007/11/20 5:54 AM)