イベントレポート

県境を越えて川を越えて…手と手を取り合う第27回日本ライン夏まつり納涼花火大会2006

記事公開日:2006年8月14日 更新日:

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 前回の記事では、岐阜と愛知が意地を張り合う長良川の花火大会について書きましたが、今回は対照的に、岐阜と愛知が手を取り合って開催する花火大会に行ってきましたのでご紹介します。毎年8月10日に日本ラインと呼ばれる木曽川に架かる、犬山橋とライン大橋の間で開催される「日本ライン夏まつり納涼花火大会」です。今回で第27回を数えます。国宝犬山城をバックに大輪の花火を見ることができます。3000発と数は少ないのですが、この花火大会には大変面白い特徴があります。

川の両側の市長メッセージが

 花火大会が始まるまで、拡声スピーカーではふたつの市長のメッセージが流されます。ふたつの市とは、木曽川を挟んで両側にある愛知県犬山市と岐阜県各務原市です。この日本ライン夏まつり納涼花火大会は、犬山市と各務原市の共催なのです。そのためか、花火自体も木曽川の中央、県境に浮かべられた4艘の船から打ち上げられるのです。それにより、他の花火大会ではあまり見られないオモシロイものが見られるのです。

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打ち上げはペンライトでやりとり

 花火大会は午後7時半から8時半の1時間に渡って行われ、それぞれの船から順番に花火が打ち上げられるのですが、クライマックスでは4艘全ての船から一斉に連続して花火が打ち上げられます。大迫力です。この花火大会で見られるオモシロイものというのは、花火師さんのやりとりです。

 船の上で花火を上げるので、それぞれの船に乗った花火師さん同士が、ペンライトで指示を出し合うのですが、川岸から見ているとその様子が見られるのです。そして点火、打ち上げの瞬間も目の当たりにすることができるのです。

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ナイアガラで結ばれる愛知と岐阜

 4艘同時の打ち上げが終わると、ライン大橋の手前でナイアガラが愛知県と岐阜県を結びます。この日の川岸は、犬山市側、各務原市側ともに出店がずらりと並び、両岸ともに花火見物の客でびっしりと埋まるのですが、犬山側と各務原側ではひとつだけ違いがあります。各務原市側からは、国宝犬山城をバックに花火を見ることができるのですが、犬山市側は犬山城が背後になってしまうため、お城と花火という楽しみ方はできません。

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 このあたりは周囲を山に囲まれているため、花火が1発打ちあがると、それがまるで山びこのように、「ドーン、ドーン、ドーン、ドーン」と東の方へと音が続いていき、それにより迫力が増します。それもこの花火大会の特徴です。ナイアガラが終わると、その東の方からまきわら船がやってきます。船の上では子ども達が太鼓の演奏をしています。そして鵜飼の船が撤収して、花火師さんたちが船から川岸に戻ってきて花火大会は終了です。

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地元ラジオではウラ花火大会?

 最近では、花火の打ち上げにもコンピューターを導入して、自動化しているところも多いのだとか。この花火大会は全てがアナログで、花火師さんの職人技が生きています。そしてその様子を目の前で見ることができる点が、他とはちょっと違うところです。そして音の迫力もすごく、いろいろな角度から楽しむことができました。

 楽しかったといえば、以前このトッピーネットで紹介しました、犬山市のコミュニティFM局「まちの放送室」はこの日、「ウラ花火大会」という特番を組んでいまして、花火大会を生中継するのではなく、花火の効果音とともに、花火を見にやってきた人たちとのトークや交通情報、そして見物客へのお知らせなどを織り交ぜ、とても楽しい放送をしていました。

 愛知と岐阜が手を結んだ花火大会と言いましたが、やはりあそこは手を結んでいません。そう、あそことは新聞社です。この花火大会の後援には中日新聞の名はありますが、岐阜新聞は影も形もありません。いつの日か、中日新聞と岐阜新聞が共同で後援する年がやってきたら、その時こそ本当に、愛知と岐阜の手が結ばれる時がやってきたと言えるのではないでしょうか。

 永遠に来ないでしょうけど。

取材協力

KAZ Communications

関連情報

木曽川河畔(愛知・犬山市)MAP

35.391303, 136.944225

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