イベントレポート

鉄道好きだけのためのものじゃないのね-丸栄・第5回鉄道模型展2008

記事公開日:2008年5月11日 更新日:

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 毎年この時期に開かれていて、丸栄百貨店の恒例イベントとなっているのが「鉄道模型展」です。私はマニア性分がある割には、幼いころから鉄道沿線に住んでいなかったせいか、鉄道にはあまり興味が無く、このイベントについても設営ドキュメントをテレビで見たにもかかわらず、行こうとは思っていませんでした。

 ところが、友人と栄で食事をする際に、「券があるけど行く?」と誘われ、せっかくだからということで行ってきました。実物を見てびっくり!鉄道模型がこんなに奥が深い趣味だったとは。

催事場の入場券は定期券

 丸栄の鉄道模型展は今年で5回目。丸栄の会社設立65周年記念イベントとなっていました。入場料は600円(中高生400円)なのですが、入場券は定期券タイプとなっていて期間中何度でも入場が可能でした。しかも定期券タイプというのはシステム面だけでなく、実際に入場券が定期券を模したデザインとなっていまして、かなり細かい。

 丸栄限定のBトレイン1両付のプレミアム入場券(1,200円)というのがあったらしいのですが、早々に売り切れたようでした。

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トミックスNゲージジオラマ

 会場には4つの集合式レイアウトがありまして、会場に入ってまず目にとまるのが、トミックス(TOMIX)のNゲージジオラマです。Nゲージとは、線路の幅が9ミリの鉄道模型規格のものです。

 ドクターイエロー(新幹線電気軌道総合試験車)が颯爽と走っていきます。鉄道知識の薄い私でも、さすがにこれの貴重さはわかります。毎月新幹線に乗っていた時期がありましたけど、見かけたことはなかったなぁ。ほかにも新幹線がたくさん。

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トミックス夜景ジオラマ

 トミックスはもうひとつジオラマを出していまして、何だかその一角が暗くなっています。何だ?と思ったらそれは夜景ジオラマ。車両の車内灯もついていますし、建物もライトアップされています。

 鉄道に疎い私の勝手なトミックスの印象としては、ビルなどの広告看板が細かいといったところですね。実在の商品の広告看板などが、リアリティを出していました。ただし、どう見てもその商品群が昭和5、60年代って感じでしたけど。

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カトーNゲージジオラマ

 続いて、カトーのNゲージジオラマです。こちらは背景側を列車が走っていて、その手前にビルや飲食店などがあり、さらに手前にたくさんの路線があるという、立体的な構成になってていて、横から見ると、駅前のロータリーとその賑わいの感じがよく出ていました。

 そのせいか、横から見るとすごく遠近感のある街並みとなっていて、実在する街なんじゃないかと思えるほどにリアリティを感じました。デニーズのダクトなんかも超リアル。そんなところにこだわるところがイイ!

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HOゲージジオラマ

 会場の最も奥にあるのが、4社共同によるHOゲージジオラマです。HOゲージは線路の幅が16.5ミリで、これまでのNゲージに比べるとその迫力は倍増します。今回の模型展は全てガラスケースなどがなく、生での展示となっていますので、列車が走る音が小気味よく感じられます。

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 Nゲージでも街並みや人々の様子にリアリティを感じたのですが、やはりHOゲージは縮尺も全然違うのでさらにリアリティが増します。作り手もやはりこだわる人が多いのか、なぜか山裾に電波塔が置かれていたりします。しかもそれは適当な作りではなく、ちゃんと送信段やリングアンテナなどが配置され、電波マニアも納得の逸品。その横を美濃町線が走っていきます。

 アンテナをそこまでリアルにする必要があるのか?と思ったのですが、それこそ、鉄道模型の魅力なのでしょうね。鉄道だけではなく、自分がこだわるものをその「自分の街」に置く。自己表現の手段として、また、現実逃避の手段としても鉄道模型は使えるというわけです。

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こだわりは人それぞれ

 会場には鉄道模型メーカー各社のブースもあり、即売もされています。と言いますか、本当はそれが一番の目的ですものね。

 さらに会場の外には体験コーナーがあり、ミニジオラマ運転体験や鉄道模型組立教室、ポスター撮影コーナーや、スーパーベルズスペシャルライブコーナー、販売コーナーなど、まさに充実のイベントとなっていました。

 そのなかに、大学鉄道研究会による展示があったのですが、中部大学鉄道研究会の作品には実在の広告ではなく、マツモトキヨシのロゴの形をした「マツカタヒロキ」や、ソフトバンクのマークが縦横逆になった「ハードバンクショップ」など、妙にパロディセンスのある広告があり、これまた、そんな楽しみ方もあるのかと驚かされました。

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「定期券」ですから

 体験コーナーや販売コーナーは会場の外になるのですが、入場券は定期券ですから、何度でも入場可能です。もう一度じっくり見てみることにします。よく見ると、さりげなく名鉄バスがいたりして、名古屋らしさを感じさせてくれるような演出が施されています。しかもその名鉄バスは古いデザインでこれまた懐かしい。

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 究極は、自宅にこういった鉄道模型を組み立てることがこの趣味の行き着くところなのでしょうね。もし自分が作るとしたら、自分の記憶にある昔の街並みを再現して...と夢が膨らみますね。

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実に奥が深い

 私はこれまで、鉄道模型というのは鉄道を趣味としている人が、自分の好きな車両を走らせるものだとばかり思い込んでいました。もちろん、そういう人も多いのでしょうけど、ノスタルジーを感じるためだったり、シムシティ的な楽しみ方だったり、奥深い趣味だということを理解できました。

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 都会の街並みだったり、村だったり、郊外の都市だったり、走っていく模型の電車を眺めていますと、自分の記憶とどこか重なり、これまでの人生を振り返ってみたり、まだ見ぬ未来に行くであろう土地を想像してみたりと、いつまで経っても飽きませんねこれは。

 これまで、テレビで紹介されていたりするのを見ても、鉄道模型は鉄道マニアの趣味だと決め付けていた自分に反省。ミニチュア大好き趣味を持ち、東武ワールドスクウェアやあちこちのドールハウスの博物館などに一緒に行った相方も、これは意外とハマりそうな気がします。

 たぶん、来年もこの時期に丸栄で開催されると思います。

関連情報

第5回鉄道模型展(丸栄百貨店)

取材協力

KAZ Communications

丸栄百貨店(名古屋・中区)MAP

丸栄

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