- 名古屋近郊でイチョウの黄葉を楽しめる・学びの森
- 2003年には「冬ソナ」の聖地となり大ブームに
- それきっかけで誕生した「各務原キムチ」はすっかり名物に
ドラマきっかけで全国から70万人が訪れたイチョウ並木
先日、愛知県の黄葉の名所として知られる祖父江町(稲沢市)を通りがかったのですが、今年は色づきが遅くまだ楽しめませんでした。そして時期がやってきました。いざ、どこに黄葉を見に行こうか……となったタイミングで韓国で大きなニュースがありました。
それで思い出したんです。かつて韓国ドラマ「冬ソナ」の聖地として大ブームとなり、全国から70万人が訪れた岐阜県の各務原市にイチョウ並木があるじゃないか!と。
各務原市の学びの森プロムナード
やってたのは各務原市の「学びの森プロムナード」です。名鉄の各務原市役所前駅に隣接しているためか駐車場は一応有料ですが、最初の3時間は無料なのでよほど長居しなければ大丈夫です。
見事なイチョウ並木です。例年よりは黄葉の時期が遅いとはいえ、すでに葉は散りかけていて風が吹くとまるで忍法木の葉隠れのようになりました。
「冬のソナタ」の聖地
現在は「学びの森プロムナード」という名前が全面に出ていますが、並木の西端に「冬ソナストリート」という看板があります。
「冬ソナ」とは、2003年(平成15年)に日本で大ブームを巻き起こした韓国ドラマで、そのドラマに登場する並木道と「似ている」ということで「冬ソナストリート」と名付けられたのです。
さらにはドラマで使われた「雪だるまを置いたベンチ」と同型のベンチも設置され、たちまち「聖地」となったのです。当時、ドラマの主演ペ・ヨンジュンさんに日本の人々が魅了され「ヨン様フィーバー」とも称されるほどの大ブームで…。
各務原市はドラマの舞台であった韓国の春川市と姉妹都市となり、当時、黄葉する時期に開催された「冬のソナタ春川物語」というイベントには、51日間に全国から70万人がここに訪れ、その経済効果は約66億円だったというのですから、いかにすごい人気だったかがわかります。
学びの森となり…
その後、「冬ソナストリート」の周辺は「学びの森」として整備された一方で、韓国との関係はなんだかんだですぼみ、2016年(平成28年)にカフェ、2021年(令和3年)に遊戯施設「KAKAMIGAHARA PARK BRIDGE」がオープンするなど市民の憩いの場として拡張されています。
駅や駐車場から歩いていくと、まずは200~300メートルにわたって続くイチョウ並木があり、その奥にはオレンジ色があざやかなメタセコイヤ並木があります。
そこで改めて認識したのです。「冬ソナ」の舞台はイチョウのほうじゃなくてメタセコイヤのほうなのね。
各務原キムチが名産品に
その「冬ソナブーム」が各務原市にもたらしたのが「新名物」です。ブームをきっかけに、各務原市では特産品のニンジンと、姉妹都市の韓国・春川市の倒産品である松の実を使った「各務原キムチ」が誕生しました。
多くの人が訪れた「冬のソナタ春川物語」で人気となった「各務原キムチ」は一気に各務原の名物として認知され、いまや各務原と言えばキムチというほどに定着したのです。そのキムチが誕生する経緯は、日本でドラマ化されこの「学びの森」も劇中で登場しています。それが2011年(平成23年)のことでした。
もちろん、今も黄葉シーズンには多くの人が訪れていますが、今から20年前に、ここに51日間で全国から70万人がやってくるほどの大ブームがあった……というのは、今思い出しても衝撃ですね。
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