- 鳥たちと仲良く…なってるのかな
- 奴らは虎視眈々
- 寝顔は天使なんだけどな
「満開の花のなかで、鳥たちと仲良しに。」というキャッチフレーズで、たまにテレビCMを見かける「掛川花鳥園」。
鳥に特化した動物園みたいなものだろうか?と以前から興味を持っていたものの、静岡県ということでなかなか足を運べずにいました。やはりどうしても「東海3県」とその外側の間には、大きな壁があるような気がします。
でもまあ、ここは思い切って…と、掛川まで行ってみることにしました。そこで待っていたものは、想像以上のふれあい。それはもう、仲良しを通り越して…。
ガラス張りのフクロウ…
県境を越えて静岡に入ります。カーラジオから流れるK-MIXのジングルが、東海3県から出たことを感じさせてくれます。名古屋のFM局とは違うテンポが耳に心地良い。
掛川インターから、案内看板に従ってわずか数分。フクロウの石像がお出迎えです。
すると、駐車場で地元民と思われるカップルの会話が聞こえてきました。
「私、掛川にずっと住んでるけど、ここに来るの初めて!」
え…ここってひょっとしてマイナースポット?不安がよぎります。最終的にそれは杞憂に終わるのですが…。
チゴハヤブサのアオちゃんのいる受付で料金を支払って入場します。するとそこには、ガラス張りのスペースにフクロウたちが。あれ…ふれあいは?やっぱり…と不安を抱きつつ足を先に進めると、そこには本当のふれあいが待っていました。
ペンギンと水鳥にえさをあげよう
受付のある長屋門を越えるとそこは「水鳥とペンギンゾーン」。たくさんの水鳥とペンギンたちがいるのですが、何がすごいって、鳥たちと見学者の間には壁も何もありません。しかもエサが売られていて、見学者が水鳥にエサをあげることができてしまうのです。
エサを買った人間を水鳥たちはよく見ていて、エサを手にした人の足に頭をこすりつけています。これはカワイイ。ええ、ここはカワイイで済まされました。
ちなみに、ペンギンへのエサやりは時間が決まっています(有料です)。
ふと見ると足元にカモが寝ていたりと、まさにふれあい。さらには、予約制でペンギンをだっこして写真を撮ることもできてしまうのです(もちろん有料)。ペンギンを抱っこするなんて、そうなかなかできる経験ではありませんよね。まあ、足元でカモが目を瞑って熟睡しているなんて状況も、そうなかなか経験できませんけど。
フクロウともふれあえます
大温室に入ると、まずは「フクロウとのふれあい」コーナーです。先ほどのガラス張りとは違って、もうホント、手の届くところに切り株があって、そこにフクロウたちはいるのです。夜行性ということもあり、昼間はかわいらしい寝顔を見ることができます。
なかには起きてる子もいるのですが、写真を撮るのがこれまた難しい。なかなかじっと同じ方向を見てくれないのです。しかも、フクロウというのは目玉と皮膚がくっついているので、違う方向を見るときには顔ごと動かしてしまい、なかなか正面の写真が撮れない…。寝顔の子はバッチリですけどね。
時間によっては、フクロウを手にのせて写真を撮ることもできます(やっぱり有料)。なかでも人気者なのは、何度もテレビ出演をしているアフリカオオコノハズクのポポちゃん。
普段は普通の体格をしているのですが、警戒すると体を細くして木の枝に擬態し、威嚇をする時は羽根を大きく広げて大きな体格に見せるのです。その様子は映像で見ることはできますが、一般公開はしていません。そりゃそうですよね。公開するためには、意図的に警戒させたり威嚇させたりしなければいけませんものね。この時は、他のフクロウたちと同じく寝ていて、赤と黒のパッチリおめめは見ることができませんでした。
直近では、5月8日19:30~「クイズでGo!ローカル線の旅~静岡・天竜浜名湖鉄道~(NHK総合)」、5月11日19:58~「世界まる見え!テレビ特捜部(日本テレビ系)」に出演するそうです。ハードスケジュールですね。そりゃ、寝てても仕方ないか。
ふれあいは次第にハードに
フクロウのふれあいゾーンを抜けると、広大な空間が広がります。そこあるのはスイレンプール。色鮮やかなコガネメキシコインコたちが群れをなして猛スピードで飛んできたかと思うと、一斉に金網に止まったりと大迫力です。
そしてここでもやはり、エサが売られています。小さなプラスチックケースに、コロコロと角切りされたフルーツが入っています。それを相方が手にした瞬間。奴らはそれを見逃すはずもありませんでした。
相方の手の上には4匹のインコが乗り、さらには肩に1匹、頭にも1匹。ちょっと間違えるとこれはもうヒッチコックの世界です。
なかにはしたたかなインコもいて、口に一つくわえつつ、さらに片手でもうひとつフルーツを掴んで、ガッチリと確保して別の場所でコリコリと美味しそうに食べているではありませんか。
全てのエサがインコたちに渡り、インコが去った後、相方の腕は傷だらけ。実は、腕につけるカバーが備え付けてあったのですが、相方は素手でやってしまったのです…。
相方の腕はまっかっか。いや、これこそ、真のふれあいをしたという証。
世界でここだけだそうですが…
行動力とアピール力のあるインコの印象が強いですが、この空間には他にもたくさんの種類の鳥たちがいて、目つきの鋭さに惚れ惚れしてしまうキンムネオナガテリムクや、手に乗るのは世界でここだけというエボシドリの姿も。
ぜひとも手に乗せてみたいところだったのですが、目つきも鋭く、爪も鋭そう…。先ほどの相方の状態を見た直後だったので、遠慮してしまいました。本当はきっと、大丈夫だと思います。推測ですが。
要注意フラミンゴは黄と黒
大温室の最も奥の空間は「クジャク、インコ類、フラミンゴゾーン」。フラミンゴについて、注意事項が書かれています。
「この先のエリアのフラミンゴはよく馴れていて、ふざけて人にぶつかってきたり、かむことがありますので顔を近づけたり触ったりしないようにして下さい」
ふむふむ。わかりました。
「特に左脚に黄色、と左脚に黒のリングのフラミンゴには気を付けてね!」
いや…「気を付けてね!」ってそんな…一瞬にしてリングを見極めないといけないのか…。
オオハシさんは女の子好き?
ここで私たちが楽しみにしていたのが、掛川花鳥園の人気者である「オオハシさん」です。まるでプラスチックでできているのではないかと思えるほど、鮮やかな色をしている大きな口ばしが特徴です。東山動物園で見たことはあるのですが、当然ここでは直にふれあえてしまうのです。
オオハシさんにエサをあげようとするのですが、彼(推測)は絶対と言っていいほどに、男性の人間には近寄ってくれません。しかし、相方がエサをあげようとした瞬間、あっさりと相方の腕に乗っかって、パクパクとエサを食べ始めるではありませんか。しかもそれは彼だけではなく、他のオオハシたちを見ても、女の子の腕にしかとまっていません。
オオハシさんは女の子好きなのか…。
なーんて思いながら横を見るとその瞬間、クジャクがいきなり羽根を広げてびっくり。求愛活動です。どうやら私は、オオハシさんには好かれなかったけれど、クジャクには好かれ…あれ、キミはオスだよね?
バイキングでゆったりと
さて、この掛川花鳥園には飲食施設もあります。温室のなかにある「花の下のレストラン」です。バイキング営業時間は午前11時から午後3時までで、土日祝など休日が1,380円、平日は1,000円で食べ放題です。(大型連休はさらに別料金の場合あり)
バイキングと聞いて、勝手に洋食を想像していたのですが、完全におもいっきり和食です。ホッと落ち着ける味でした。掛川の郷土料理である、クチナシの実で染めた黄色いおこわ「染飯」も味わうことができます。
そして鶏のからあげがおいしかった。でもね、ここでからあげを食べるのはちょっと…いや、これもふれあい?
屋外でショー&エミュー
最後は屋外でのショーをご紹介しましょう。ショーは1日に何度かあって、それぞれメニューが違います。私たちが見たときは、鷹匠ショーとフクロウの飛行ショーでした。
この日は、風が強かったこともあって、ハクトウワシもちょっと飛びづらかったのか、ちょっと鷹匠さんもやりにくそうでした。驚いたのは、鷹匠さんがイギリス人だったことですね。
そしてもっと驚いたのは、観客の頭ギリギリのところを飛ぶ鷹。たぶん、その瞬間に立ち上がったら…やられる。
フクロウの飛行ショーも興味津々でした。夜行性で昼は目が見えないというのは都市伝説で、実際にはしっかりと見えているのだそうです。羽根を広げたフクロウ、カッコイイ。
ショーを見終わった後は、エミューにエサをあげてみます。エミューたちは柵のむこうにいるのですが、この柵はエミューたちのためだけにあるもので、人はその柵を越えて中に入ることができます。
こういう、口ばしの鋭い鳥たちには、目をつつかれそうで怖い…ですか、もちろん全然大丈夫でした。
ペンギンもウトウト
午前中は元気だった水鳥やペンギンたちも、昼下がりにはすっかりウトウト夢の中。立ったまま目を瞑って眠るペンギンはまるで天使のようです。
鳥たちと仲良しに…なれた気がします。
実際のところ想像以上でした。鳥たちを展示しているのではなく、鳥たちが生活している家のなかにお邪魔させていただくという感じで、まさにふれあい。
特にすごいなと思ったのが、全てがバリアフリーになっていて、車椅子の方でも楽に移動できるように設計されている点です。実際に車椅子のお年寄りがたくさん来場されていました。お年寄りのところに寄っていく鳥たち。アニマルセラピー、いや、バードセラピーですね。天使のような鳥たちの表情とともに、お年寄りたちの笑顔も印象的でした。
ただまあ、ふれあいと言っても、鳥によっては激しい愛情表現をしてくる子もいます。家路へと着く相方の腕には、しっかりとインコとの友情が刻まれていました。ミミズ腫れという友情が。
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