14.神話と世界遺産と妖怪の山陰 おでかけレポ~全国・海外~

見る側も・見られる側も気持ちいい~?-河童の泉

記事公開日:2008年10月24日 更新日:


写真

TOPPY
ね、ねずみ男は溺れてるの?泳いでるの?

AIKATA
駅を出た瞬間、完全な鬼太郎ワールドになってるね。あ、でも電車で来るなら、電車自体も妖怪世界だね。

河童の泉

境港市大正町
見学自由
JR境港駅から徒歩3分

 ここまで、出雲、大田、松江、安来と、島根県内について世界遺産や神話を中心にご紹介してきましたが、最後は鳥取県へと足を伸ばしまして、境港をご紹介いたします。

境港といいますと、日本海と中海に挟まれた水の豊かなところで、島根県の北に浮かぶ「隠岐諸島」へのフェリーが発着しており日本海の玄関口として、海の幸の宝庫として知られています。

 でも私たちが境港へとやってきた目的はそうではなく、妖怪たちに会うためです。

 境港市は、ゲゲゲの鬼太郎の作者として知られる漫画家・水木しげる先生の出身地であり、それを120%以上生かした町おこしが実践されており、現在では、山陰に来たら寄らずには帰ることができないほどの観光地となっています。

 境港の町おこしとは、もう、町全体を妖怪一色にしてしまおうというもの。頭ではそれを理解したつもりで現場を訪れたのですが、想像をはるかに超える、あまりの妖怪まみれぶりに驚きを隠せなかったとともに、周到に練られた作戦により、思わず長居してしまう結果となったことにもビックリ。

 間違いなく、境港は妖怪の町です。では、行きましょう。

 境港での妖怪観光の出発点はJR境港駅。「さかなと妖怪にあえる駅」というキャッチフレーズそのままの駅です。私たちは駐車場に車を停めて駅に来ましたが、この境港へ電車でやってくる場合は、電車に乗った時点から妖怪ワールドです。

 鳥取県の米子と境港を結ぶ「JR境線」には、「鬼太郎列車」「目玉おやじ列車」「ねこ娘列車」「ねずみ男列車」が走っており、それぞれの駅に妖怪の名の別称が付けられています。たとえば米子駅は「ねずみ男駅」、余子駅は「こなきじじ駅」などなど。そしてもちろん境港駅は「鬼太郎駅」です。ですから、鬼太郎列車に乗ってやってくれば、電車に乗った時点から妖怪満喫です。

 境港の駅に到着したら、まずは観光案内所で「妖怪ガイドブック」を100円で買いましょう。スタンプラリーのスタンプ帳ですが、押さなくとも周辺案内として必需品です。昨年度は8万部、今年度はそれを大幅に上回る勢いで売れているとのことです。

 駅を出ますと、いきなり「水木しげる先生執筆中」の像が。これはJR境線の「妖怪路線化」を記念して建立されたもので、漫画を描く先生を鬼太郎、目玉おやじ、ねずみ男が取り囲んでいます。先生の横に座って写真を撮れば、もうすっかり妖怪の一員です。なぜなら、先生自身が妖怪だという噂もありますからね...。

 その後ろには、ポストの上に一反木綿にのる鬼太郎と目玉おやじの姿が。

写真写真

 そして駅前広場を挟んで北東にあるのが「鬼太郎交番」です。正式には境港駅前交番ですが、愛称がつけられ、設置された看板を夜は光る目玉おやじが照らします。しかし、それだけにとどまらないのがすごい。30歳の女性巡査部長が「ねこ娘」の着ぐるみを着て、パトロールに出ているという徹底ぶり。実は、一見平和そうに見えるこの界隈にも、実は大きな問題があるのです。

 駅を出た瞬間からたくさんの妖怪ブロンズ像に出会うことができます。1993(H5)年7月から町おこしとして設置されたもので、現在では133体を数えるまでになっています。しかし、何が問題なのかといいますと、盗難が後を絶たないのです。こんなの盗んでも、転売したらすぐにバレると思うんですけどね...。そもそも、妖怪を盗むだなんて罰当たりな。あれ?妖怪って罰当たりの対象だっけ?

 そんなブロンズ像のなかで、最新のものが「河童の泉」です。コンセプトは「やすらぎ、癒し」なんだか、妖怪とは縁遠い言葉のような気がしますが...。河童の泉には、その名のとおり「河童の三平」のほか、「河童とタヌキ」「悪魔君」そして「鬼太郎」「ねずみ男」などがいます。そんな泉を見ていると、なにやら煙が...な、何!?

写真写真

 実はこれ、泉から霧が噴射されるんですね。訪れたのは真夏の炎天下だったので、本当に気持ちよかった。気持ちいいといえば、その泉におしっこをしている鬼太郎の姿です。ここでは、幼少の鬼太郎が小便小僧として、泉におしっこをし続けています。

 そしてその泉を泳いでいるのか溺れているのか、ねずみ男。なんともおかしな構図です。

写真写真

 今年の3月に完成したばかりの河童の泉は、カランコロン通りと水木しげるロードの交差するところにあります。水木しげるロード散策はまだまだ始まったばかり。もちろん、スタンプラリーをしながらさらに妖怪まみれになります。

河童の泉(鳥取・境港市)

河童の泉


スポンサーリンク


-14.神話と世界遺産と妖怪の山陰, おでかけレポ~全国・海外~
-

Copyright© TOPPY.NET トッピーネット , 2024 AllRights Reserved.