清雅日式レストラン(アルバータ州)
車内のテレビには、韓国のバラエティー番組が流れています。何を言っているのかは全然わかりませんが、売れない女性タレントに何かやらせて笑いを取る番組のようです。日本の番組には例えられませんが、車内の韓国人達からは笑いがこぼれているので人気番組なのでしょう。
カルガリー・清雅日式レストラン
それにしても、もしこれが日本人だけのツアーだったとしても、車内で日本のバラエティー番組を見るでしょうか。せっかくカナダに来ているのに…と思えてなりません。それは私が旅行者だからでしょうか。いや、半年こちらにいる相方でさえもそうは思わないと言います。それがバラエティーでなく日本映画でもあり得ないような…。
ここで「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」を見るのも違和感があります。それは我々がアメリカ・カナダかぶれだからでしょうか。
ボウ・レイクからしばらく走ると、高速道路93号は終点を迎えます。そこからはヨーホー国立公園方向からやってきたトランス・カナダ・ハイウェイ1号線を走ります。バンクーバーで最初に乗った高速道路にここで再び合流です。何度か休憩を取りつつバスは走り続けます。
バンフを越え、キャンモア (Canmore)を越えていきます。ボウ・レイクから走ること2時間半。カウボーイシティ・カルガリー(Calgary)に到着です。時刻は既に午後7 時になろうとしています。
ここで、ガイドさんが晩ご飯を紹介します。
「今夜はプルコギでーす。」
最初私たちは冗談だと思いました。昨日の昼はビビンパで、今日の昼もキムチ弁当。ここまできてプルコギということはないでしょう。昨晩もハンバーガーと言っておいてステーキだったし。しかしガイドさんはその後何も言う気配はありません。本当にプルコギなの…?
するとバスはケンタッキーフライドチキンのある駐車場に入っていきました。
▲本気でケンタッキーフライドチキンに行くのかと…。
「やっぱり今晩はKFCにしましょう。」
ガイドさんはそう言います。どうやらこちらが冗談のようです。私たちはその方がいいかも…と思えてしまいます。決して私たちはプルコギが嫌いなのではありません。名古屋の韓国料理店に食べに行ったこともありますし、美味しいと思います。しかし、これだけ唐辛子料理が続くとさすがに辛いのです。他の日本人の人達はどう思っているのかな。
ケンタッキーフライドチキンと共同の駐車場で、向かいにあったのは「清雅日式レストラン」。和食屋さんです。それならうどんを食べさせてくれー、と心の中で叫びます。そして奥の個室に通されます。4人席で、今回は今朝相方がカメラを落としてしまった日本人母娘と一緒の席になりました。コンロに架けられた鉄鍋と、キムチ各種、塩味のもやしが置いてあります。このもやしが薄味で美味しい。
「ここまで続くとはねぇ。」
私がボソっとつぶやくと、その母娘も同じことを思っていたようでクスっと笑います。ここまでこのツアーであった食事は5回、うち3回が韓国料理、しかもバスでは韓国のバラエティー番組を見ているのです。
▲手前のもやしがあっさりしていておいしかった。
「どこに旅行に来たのかわからないよね。」
その母娘のお母さんが言います。逆に、これが日本料理ばかりで日本のビデオを見せられたとしても、やはりそれは嫌だと言います。そうですよね、そうですよね。私たちは仲間を見つけて大喜びです。せっかくカナダまで来て、幕の内弁当にお寿司、うどん・そばそして日本のテレビなんて見たくないですよね、と話は盛り上がります。
相方が少し前に言っていた、韓国の人は自分の国が大好きだからね。という言葉を身をもって理解できました。相方にそのことを話すと、
「私もここまでとは思わなかったよ…。」
このプルコギ、味は良かったです。でも、しばらく韓国料理はいいなぁ。と言っても明日も韓国料理なのだろうか…。
▲味は美味しかったですよ、プルコギ。
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