新世紀名古屋城博・花フェスタ・FMLOVEARTH-本会場の外でのお楽しみその2

広告

写真
▲名古屋っ子の心の拠り所です。名古屋城。

 引き続き「万博便乗イベント」をご紹介していきます。「デ・ラ・ファンタジア」はなかなか興味深いイベントや施設が多いものの、特に名古屋らしいものは感じられませんが、もうひとつ名古屋市内で開催されるイベントで、いかにも名古屋というものがありますので、今回はそちらからご紹介します。

尾張名古屋は…やっぱりね

新世紀名古屋城博 ※6/19に閉幕しました。

 デ・ラ・ファンタジア開幕の次の日、3月19日に開幕するのが「新世紀・名古屋城博」です。名古屋っ子の心の拠り所名古屋城。尾張名古屋は城でもつ、城が無ければただの街。というほど名古屋っ子は名古屋城を崇拝しています。

 1989(H元)年に地方博「世界デザイン博覧会」を名古屋市が開催したときも、名古屋城は名古屋城会場として会場のひとつになっていました。さすがに今回は万博なので、この名古屋城が会場になることはできませんでした。それなら名古屋城単独で博覧会をやってしまおうというわけです。

 ちなみにこの新世紀名古屋城博もデ・ラ・ファンタジア同様、愛・地球博の公式サイトでは何ら紹介されていません。博覧会協会と名古屋市の間には溝があるのでしょうか。

 名古屋城博のサブタイトルは「よみがえる金シャチ伝説」。名古屋城といえば金のしゃちほこ。名古屋を本拠地とするJリーグのサッカーチーム「名古屋グランパスエイト」のグランパスとはシャチです。

 このように名古屋っ子と金シャチは切り離すことができません。シャチもそれをわかっているのか、野生のシャチが名古屋港から運河を通り、名古屋の市街地に迷い込んだことがありました。それほど名古屋っ子とシャチは強い絆で結ばれているのです。ということで、このイベントは金シャチの展示がメインといいますが、ほぼそれが全てです。

「金シャチドーム」では、波乱万丈な金シャチの運命を紹介します。金シャチはいつもお城の上で無防備に光り輝いていますから、やはり何度も盗難事件に遭遇しています。また 1871(M4)年には東京・湯島聖堂で開かれた第1回勧業博覧会に、1873(M6)年にはウィーン万博に展示された経験もあります。その勧業博覧会に展示された際、金シャチの気持ちを歌った「名古屋甚句」という歌があります。

「東京までも送られて、博覧会にさらされて、幾十万の人々に、鯱じゃ鯱じゃと指差され、こんなにくやしいことはない、いっそ死んだがましかいな。」…。

 今回、愛・地球博の開幕式にも金シャチは登場しますし、この新世紀名古屋城博の期間中はずっと展示されます…。もう、さらし者にするのはやめてあげましょうよ…。やはり金シャチはお城の上にあってこそ…なんて言ったらこのイベント全否定になってしまう…。

「よみがえれ本丸御殿」では3D映像で本丸を再現します。また「尾張の伝統職人工房」では名古屋の伝統産業の実演、体験、販売が行われます。そして特筆すべきは、名古屋を代表するタレントのひとりであるタクマさんのマジックショーです。タクマさんは東海ラジオで月曜から金曜の午前9時から正午まで3時間の生ワイド番組を担当されている、人気パーソナリティでマジシャンでもあります。

「金鯱座(きんこざ)」では、そのタクマさんによるマジックショーが毎日開催されます。平日は午後1時からと3時からの2回。土日は11時、午後1時、3時の3回です。もちろん期間中もタクマさんはラジオをお休みしないそうで…。その仕事のこなし方がマジックです。

 新世紀名古屋城博の入場料は高校生以上1,000円、65歳以上700円、小中生が300円です。正門へのアクセスは地下鉄鶴舞線・浅間町駅1番出口から徒歩12分、もしくは栄から市バス「栄13系統」に乗って「名古屋城正門前」で下車してください。さあ「よみがえる金シャチ伝説」を体感してください。

 しかし「よみがえる」だなんて、まるで金シャチがもう無いかの様な言い方ですよね。金シャチはずっとあります。また、キャッチフレーズは「金シャチに会いに来てね」。…。これって本当に金シャチのためだけのイベントなんですね。実に名古屋らしいです。会いにいってあげてください。そして決して指を差して笑わないようにご配慮願います。

イラスト
▲メッキでもいいんです。剥がれずに輝きつづければ!

岐阜県とバラ

新世紀花フェスタ2005ぎふ ※6/18に閉幕しました。

 以前「愛知万博開幕前レポート1・今こそ世界デザイン博大反省会」の回で、愛知県のおとなり岐阜県がイベント立県を目指していたことを書きましたが、そんな岐阜県が愛・地球博に便乗しないわけがありません。かつて岐阜県可児市で「花フェスタ’95」という地方博が1995(H7) 年に開催されました。

 大阪で1990(H2)年に開催された「花の万博」から5年という節目に開かれた花フェスタ95は、日本一のバラ園を目玉に多くの入場者を集め成功を収めました。その後、花フェスタの会場は「花フェスタ記念公園」として整備され、毎年30~40万人の来場者があります。

 花フェスタ95から10年。そして1990(H2)年にスタートした「花の都ぎふ運動」の15周年を記念して、同じ花フェスタ記念公園で3月1日から6 月12日まで「花フェスタ2005」が開催されています。10年前は日本一のバラ園が目玉でしたが、今回はさらにパワーアップし 7000種以上のバラを展示、世界一のバラ園が目玉となります。

 しかも、この花フェスタ記念公園は立地がとても良いのです。かつては山と田んぼの中にぽつんとあるだけでしたが、東海環状自動車道が3月19日に開通すると、花フェスタ記念公園から車で5分のところに可児御嵩インターチェンジが設置されるので、愛・地球博の会場から花フェスタの会場まで、自動車でわずか30分での移動が可能になるのです。駐車料金は500円、入場料金は大人1000円、高校生・シルバー700円、小中生500円です。

 花だけではなく、料理の鉄人でおなじみの石鍋シェフのレシピによるスペシャルランチや高山ラーメン、飛騨牛など岐阜の味を満喫することができますし、花フェスタらしくバラを使ったデザートも食べられます。バラ苗の生産量日本一の岐阜県で、世界一のバラ園を楽しむ。

 もちろんバラ以外にもチューリップ、パンジー、ポピーなど花に囲まれ見るだけでなく香りも楽しめます。私は公園のときに何度も行ったことがありますが、ゆったりと芝生の上でお弁当を広げたり、とてもリラックスできます。愛・地球博よりも自然をリアルに体感できるかもしれません。

 この花フェスタ2005については、愛・地球博の公式ホームページからリンクも張られており、博覧会協会と友好的であることがわかります。なぜ岐阜のイベントにリンクが張ってあって、名古屋市のイベントは無視なんでしょうね。愛・地球博の公式ホームページにあるリンクをじっと見ますと、浜名湖花博にもリンクが張ってあります。

 やはり自然繋がりなのかなと思いきや、浜名湖花博は昨年の10月に閉幕しています…。そうか、名古屋市だの岐阜県だの深い意味なんかなくて、博覧会協会が更新をサボってるだけですね。公式サイトがそんなんでいいのかな。

写真
▲世界一のバラ園。花フェスタ記念公園。

あぁ、あの頃は良かったなあ的音楽

FM LOVEARTH ※9/26に閉局しました。

 さて、万博会場の外で楽しめるもののひとつに、万博会場から放送されるイベントFM局があります。「FM LOVEARTH」です。これは便乗ではなく博覧会協会が公式に運営するもので、実際の放送はCBC(中部日本放送)とZIP-FMが共同で行います。周波数は77.3MHz、出力200wで瀬戸市の三国山から既に電波を発射しています。

 コンセプトは70~80年代。なぜ自然をテーマにした万博で、そんな高度経済成長からバブル景気にかけて、自然を破壊し尽くした時代の音楽に着目するのかは謎ですが、運営者の趣味か、その世代への訴求か。

※後に取材したところ、大阪万博の時代からこの愛・地球博の時代までを音楽で繋ぐという意図だそうです。

 かつて、名古屋で1989(H元)年に「世界デザイン博覧会」が開かれた際、同じようにイベントFM局「FM DEPO」が開設されました。DEPOはCBC(中部日本放送)とKDD(現在のKDD I)が運営し、番組と番組の間に垣根の無い、とても斬新なシームレスの放送に私は衝撃を受けました。

 当時名古屋でFM局はNHK、FM愛知、FM三重しか聞くことができず、斬新なDEP Oは多くのリスナーを獲得しました。しかしイベントFM局ですので、デザイン博が終了すれば当然閉局となり、それを残念に思ったリスナー達の声が、ZIP -FM開局に繋がったと言っても過言ではありません。

写真
▲FM LOVEARTHのスタジオは長久手会場北ゲートすぐ。

 そんなDEPOを運営したCBCと、DEPOの流れを汲んで開局したZIP-FMが共同で運営する「F M LOVEARTH」ですが、DEPOと同じように人気となるかどうかは未知数です。それはなぜかと言いますと、当時とは状況が違うからです。名古屋では NHK、FM愛知、FM三重のほか、ZIP-FM、RADIO-i、Radio80やコミュニティFMと多くのFM局を聞くことができるようになっていますし、ZIP-FMの登場でシームレス編成に名古屋っ子は慣れてしまい、既に斬新さを感じなくなっています。

それをわかっているのでしょう、あえてFM LOVEARTHはジングルを多用したシームレス編成にはこだわらないとのことです。既に開局はしていますが、未だに番組編成が発表されていないところを見ると…どうなんでしょうね。開幕してのお楽しみということでしょうか。それとも、番組を決めないという今までに無いタイプのFM局になるのでしょうか。それはそれで違う意味で衝撃ですね。ただ単にまだ決まっていないということは無いと信じています。

コメントはこちらから

Loading Facebook Comments ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました