守山区[5] 瓢箪山
瀬戸街道沿いは人と車の往来も激しく…で、山はどこ?-瓢箪山
▲瓢箪山駅。周囲に山は見当たりません
名鉄瀬戸線に瓢箪山という駅があります。しかし電車を降りて駅前に出ても、守山区にしては珍しく商店やスーパー、パチンコ店が所狭しと立ち並んで喧騒があり、山は見当たりません。駅の南側には緑が多い松陰庵や長栄寺といったお寺はあるものの瓢箪状の山は見当たりません。
▲緑に囲まれている松蔭庵。でも山と言うほどではありません
今回は、思わず昔のドラマを思い出して「ざけんなよ!」と言ってしまいそうな街、瓢箪山を歩きます。
▲こちらは長栄寺。住宅街のなかにあります
瓢箪山の駅前には、お笑いマンガ道場の鈴木先生のものと思われるイラストのある酒の中山や、古めかしいスーパー・ユニー、パチンコ店や雑居ビルなどがあり、人と車の往来も激しく、いつも瀬戸街道は混雑しています。
▲瓢箪山駅周辺の瀬戸街道。酒の中山が気になります
瓢箪山を探すのですが、地図を見ても瓢箪山という地名は残されていません。残っているのは名鉄の駅とバス停、そして交差点くらいです。その交差点の看板を見て驚きました。なんと「ひょうたん山」と平仮名表記になっているのです。何でもかんでも読みにくいという理由でひらがなにしていたら、次第に漢字は忘れ去られてしまいます。ざけんなよ!です。
▲交差点名は「ひょうたん山」。平仮名なのは見易さ考慮?
しかもローマ字表記は「Hyotan’yama」。そこにアポストロフィは必要なのでしょうか。英語表記として正しいのでしょうか。「ひょうたにゃま」と読ませないための苦肉の策でしょうか。いや、英語表記として正しいのかを問う前に、「yama」にツッコミを入れるべきか…。
ちなみに、瓢箪山駅はかつて箪の字の「単」の部分が「單」となっている文字で表記されていたのですが、2005(H17)年1月から「瓢箪」の表記に改められました。日本語能力の平易化が進むと、そのうち平仮名の「ひょうたんやま駅」になってしまうかもしれませんね。
消防署にも像が登場!その名も驚きの…守山消防署
▲駅の西側を南北に貫くすいどうみち緑道
さて、瓢箪山駅の西側にはすいどうみち緑道があるのですが、やはりそこには名古屋にはつきものの子ども達をイメージした像が。3人の子どもの像が石に座って空を見上げています。
▲やはり名古屋の緑道には像が欠かせません
そして、すいどうみちの反対側、駅の東には守山消防署があるのですが、なんとそこにも像があるではありませんか。消防士二人が放水ホースを持って火を消している姿を像にしたものです。百歩譲ってその像は受け入れることにしましょう。台座を見るとその像には名前があるではありませんか。「消防像」…もうすこし捻りましょう??
▲と思ったら、消防署にまで像が。その名も「消防像」
瓢箪山というのは古墳のことだったのね-守山瓢箪山古墳
インパクトのあるものが次々と登場し、瓢箪山にやってきた目的を忘れそうになるところでした。山を探しているのでした。
▲北のほうにこんもりとした山らしきものが見えてきました
北のほうに緑がちらっと見えましたので、北へと歩きます。道路は細く、さらには南北にすぐ一旦停止があるために、道路にはふたつの「止まれ」が書かれていて、道路は止まれという文字で埋め尽くされている状態になっています。
どちらに行っても止まれです。にっちもさっちもいかないとはこういうことを言うのでしょう。
▲あまりにも文字同士が近過ぎて、何が何やら…
しばらく歩くと、緑が覆い茂る瓢箪山公園が現れました。史跡を示す看板があります。これこそ瓢箪山と思い説明看板を見ます。ここは1985(S60)年に名古屋市の史跡となっている守山瓢箪山古墳です。前方後円墳で、全長63メートル、前方部幅58メートル、後円部直径36メートルの二段築成となっていて北西方向に向かって作られています。
▲瓢箪山公園に到着。公園の北側にこんもりとした丘が
なるほど、この古墳が瓢箪山というわけですね。ここまで瓢箪山ではいろいろとつっこんできましたが、これは納得です。
▲その丘こそが瓢箪山古墳です。前方後円墳が瓢箪の形ということかな
1952(S27)年に行われた調査では、古墳の周囲に幅10から12メートルの濠があり、埴輪の破片などが採集されたそうです。現在その部分は埋められ公園になっています。この古墳は5世紀末から6世紀初頭にかけて作られた後期の前方後円墳と考えられているそうです。
瓢箪山とはそういう形の山があったのではなく、古墳が瓢箪形の山に見えたから名付けられたということのようです。なかなか面白いネーミングだなと思いきや、全国各地に瓢箪山という名の古墳はあるようで、それほど珍しいものでも無いようです。
ずーっと作りかけ?の一方通行道路-守山小学校・利海寺・浄土院
▲ずっと前から作りかけの守山小学校前の道路
さて、守山小学校の北側には太い道路が東西に走っているのですが、まだ作りかけで、通り抜けはできるものの殺伐とした感じがします。工事を途中で投げ出されたような雰囲気が漂っています。
▲山門が真新しくピカピカの利海寺
そしてその道路の北側には利海寺と浄土院、そして守山中学校があります。利海寺、浄土院ともに山門が立派で、特に利海寺は真新しくこのときはまだ工事用のバリケードが置かれており、ピカピカという言葉がピッタリな感じでした。
▲守山幼稚園の奥にある浄土院
ざけんなよ!が撮影されたのがココ-守山中学校
ここで注目すべきは守山中学校です。私がこれまで、なぜこの瓢箪山の回に限ってあれこれツッコミを入れて「ざけんなよ」と言ってきたのか。それはこの守山中学校が「ざけんなよ」だからです。
と言っても意味がわかりませんよね。実はこの守山中学校、あるドラマの撮影に使われたのです。
▲ドラマの撮影に使用された守山中学校
そのドラマとは、1999(H11)年からTBS系列でお昼に放送された「キッズウォー」です。え、あのドラマって舞台は東京の練馬区でしょ?なんで名古屋なの?と思われた方も多いかもしれません。
確かにドラマの舞台は練馬区でした。劇中で走っていた救急車も東京消防庁でした。でも、撮影は名古屋で行われたのです。なぜなら、あのドラマを作っていたのは名古屋の中部日本放送(CBC)だからです。
ドラマに登場した学校はこの守山中学校なのです。その他の場面についても、この守山区周辺の河川敷や商店街などで撮影されたのです。矢田川の河川敷は、NHK「中学生日記」でも撮影に使われることがあります。
ですから、名古屋の人たちは「キッズウォー」を見ながら、あれって大曽根だよなぁ。千種だよなぁと思っていたわけです。
だったらいっそのこと、練馬だなんて設定はとっぱらって、舞台も名古屋にすれば良かったんじゃないですかね。そうすればもっとブレイクしていたかも。「おみゃーみてゃー先生じゃにゃーわ。ざけんじゃにゃー!!」と茜が叫んだら大爆笑間違い無しですよね。あははは。
私、今回かなり多くの人を敵に回した気がするので、今回はこの辺でそそくさと失礼します。
瓢箪山2010
瓢箪山のユニーはピアゴに名称を変更しましたが、健在です。そして、守山小学校北側を東西に走る、作りかけのような一方通行道路についても、今もまだそのままです。ここまでくると、小学校の横の道路なだけに、通り抜けをさせず、交通量の増加を抑えるために意図的に放置しているのではないかとさえ思えてきます。
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