04.北区 名古屋を歩こう

で、名古屋空港はどこにあるの?

記事公開日:2004年5月5日 更新日:

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※記述は2004(H16)年4月取材時のものです。現在「名古屋空港」は「県営名古屋空港」となっており、中部国際空港にその座を譲りました。

如意輪観音の名の下に-にょらい塚跡・大井神社

 再び国道41号を南下し、丸新町の交差点に戻ります。今度はここから東に歩きます。すると左側に市バスの車庫があり、その向こうに北高校があります。学校の敷地内なので入ることができませんが、ここには「にょらい塚跡」があります。古墳の一つであったと言われています。また如来の名の由来は、このあたりに大洪水があった時、祠が流れて来てこの地にそれを祀ったため、「如意に来た」から如来になったと言われています。地名の由来って紐解いて見ると面白いですね。北区は全ての町名の由来が区のホームページに載っています。解明されていること自体にも驚きですが、そして全てがちゃんと理由があって付けられていることに驚きます。

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▲市バスの如意車庫です。やっぱり市内は交通の便が良いなぁ。
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▲にょらい塚跡のある北高校。

 さらに東に歩くと、次の信号を越えたところに大井神社があります。和銅・養老年間(700年代)に今よりも北西にあった大井の池のほとりに産土神として勧請したと言われています。ここには本地仏の如意輪観音が祀られていて、それにちなんでこのあたりを如意と名付けたといわれています。その後も村の名は大井村のままだったのですが、東区の長母寺の僧によって、如意村に改名されたとも言われています。

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▲大井神社です。結構広い敷地が残されています。
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▲こちらが本殿です。1300年の歴史。

不動明王の鋭い眼光-瑞応寺

 そしてさらに東に進み、次の信号を北に曲がると瑞応寺があります。このお寺には石黒重行が眠っています。現在の富山県である越中国貴船城主石黒重之の子として生まれた重行は、父祖の志を次いで南朝に仕え足利氏と戦って敗れました。その後一時奥州に逃れていたのですが、1393(明徳4)年に長谷川重行と名乗ってこの地に住み、味鋺・如意の領主となった人物です。昔も世渡り上手な人はうまくやっていたのですね。

 また、瑞応寺には如意山不動明王像があります。これは1765(明和2)年に安置されたもので、家内安全の仏様として広く信仰を集めるとともに、特に交通安全・除災招福の不動尊として、人々を守護するものとも言われています。力強い表情で、いかにも不思議な力のありそうな明王像でした。

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▲瑞応寺の入口にある、石黒重行の碑です。
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▲こちらが不動明王です。鋭い眼光。

古墳が遊び場・壊しちゃダメだよ-富士塚・六ヶ池

 先ほどの道に戻り、次の如意交差点を南下します。すると堀田橋があるのでその手前を生棚川沿いに東へ歩きます。如意保育園の前を通り過ぎ、少しすると右側に不思議な空間があります。マンションや家に囲まれながら、小さな塚が残されています。富士塚の周囲には大きな石がゴロゴロ転がり、住宅街にポツンとありながらその存在感の大きさに驚きます。木も多い茂り子どもたちの絶好の遊び場となっていました。

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▲住宅街に突如現れる木の塊かと思いきや。
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▲マンション側にまわると、石碑を見ることができます。

 富士塚の北には堀田天神、岳桂院といった寺社もあります。さらに水の流れを上流に辿っていくと、大きな池にぶつかります。六ヶ池です。そしてその池のほとりには小さな六ヶ池明神が祀られています。この六ヶ池は、かつて生棚川と一体になっていたのですが、池と川を分離させて、池の水位をさげておくことで大雨の際に雨水を一時的に貯める調整池として設置されたものです。周囲は広場としても綺麗に整えられていて、快適な住環境を演出しています。

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▲堀田天神です。
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▲岳桂院、桜が綺麗でした。
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▲六ヶ池のほとりにある六ヶ池明神です。フェンスに囲まれています。

空港はメインの座を譲る-名古屋空港

 さて、いよいよ北区の最北端です。これで北区散策も終わりです。北区は名古屋の空の玄関口...。その割には空港がまだ登場していませんよね。さすがに六ヶ池までくると飛行機の轟音が聞こえるようになります。六ヶ池から200メートルほど北に行くと名古屋空港が現れます。が、しかし見えるのは塀だけです。この名古屋空港、3,292,147平方メートルの敷地があり、その範囲は豊山町、小牧市、春日井市、そして名古屋市北区に渡っています。そのうち北区にかかっているのは敷地の南端、縦300メートル横50メートル程です。つまり名古屋空港は、敷地のわずか0.5%未満しか名古屋市に属していないにもかかわらず名古屋空港と名乗っているのです。

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▲六ヶ池です。この北側に散歩できる広場があります。
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▲名古屋空港の北区部分です。轟音だけが聞こえます。

 北区を「空港のある区」、として紹介するのにはちょっと無理がありましたね...。

 そんな名古屋空港も、2005(H17)年に中部新国際空港が開港すると、名古屋のメイン空港の座を明渡し、県営の飛行場として生き残ることとなります。となれば、今後飛行機の騒音は減るわけで、北区の住環境はさらに良くなりそうですね。ちなみに、春日井市になりますがこの先にある公園「エア・フロントオアシス」では空港に離着陸する飛行機を間近に見ることができ、飛行機ファンとカップルでいつも賑わっています。

>>東区へ続く


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