イベントレポート

超高音質!大迫力!の...盆踊り!?-第33回共長夏まつり

記事公開日:2008年7月31日 更新日:

写真

 夏真っ盛り。週末の夜ともなると、地元の盆踊りの音が聞こえてきたりして、思わず出かけたくなりますよね。りんごあめにフランクフルト、金魚すくいに輪なげなど、様々な出店にワクワクします。組み立てられた櫓の上では浴衣姿の人々が踊り、ちょうちんが吊り下げられ、トランペットスピーカーからはやたらと軽い音で定番の炭坑節が聞こえてくる...。というのがいわゆる普通の盆踊りなのですが...。

 愛知県大府市に、それらの定番を覆す、とてもパワフルな盆踊り大会があると聞き、行ってきました。踊る人の数、踊る内容、さらには驚愕の大迫力と、思わず目から鱗が落ちた「共長夏まつり」。こんな盆踊り見たことない!?

「大府市共和駅前」

 やってきたのは、JR東海道本線の共和駅。名古屋駅からわずか17分、近くに巨大ショッピングセンターがオープンしたり、交通の要衝でもあることから、ここ最近は人気の住居エリアとしてスポットを浴びています。とはいえ、大府の共和駅と聞いたら、やっぱり思い出すのはアレですよね。

 テレビCMでおなじみ「大府市共和駅前・宝石の八神」です。

 名古屋で宝飾店のテレビCMと言いますと、親子3代が登場する「名古屋清水口・美宝堂」を思い浮かべる方も多いでしょうが、八神は知名度で双璧を成すと言ってもおかしくないお店です。しかし、八神は受け狙いのCMをするわけでもなく、格調の高いCMで「正規販売店」をキーワードに正統派なイメージを植えつけているので、美宝堂とは方向性は正反対です。たぶん、客層も全く違うのだろうなぁ...。

写真

地域のキャラ「にこっぱ」

 そんな八神のある共和商店街には、マスコットキャラクターがいます。以前、共和駅前には愛・地球博のキャラクター「モリゾー・キッコロ」が飾られていたのですが、撤去されてしまい、その寂しさをまぎらわすために、オリジナルキャラの「にこっぱ」が作られました。

 大口を開けたひまわりのような太陽をモチーフとしていますが、「安値世界一への挑戦!」でもありませんし、「♪パッパッパッパァ~パソコンヤ」でもありませんし、「もしもしあたし~、今、ウッ、ウッン、ごめん、喉の調子が悪くて...エヘン虫にやられましたねぇ。」でもありません。

 ちなみに、大府市自体には「オブリーくん」がいるので、「にこっぱ」はこの共和エリア限定のキャラとなっています。

写真

キャラもオリジナルなら音頭もオリジナル

 オリジナルで作ってしまったのは、キャラクターだけではありません。市の音頭ならよく耳にすることはありますが、なんと今年、この共和地区では地域のオリジナル「にこっぱ音頭」を作ってしまったのです。

 地元の自治会が歌詞を公募し、地元の元小学校教諭が作曲、さらに歌っているのは昨年の共長まつりカラオケ大会優勝者と、まさに共和の盆踊り。

 まあ、こんな音頭を作ってしまう時点で、盆踊りに対する地元の意気込みを感じることはできるのですが、それだけにはとどまりません。

写真

この人出はいったい...

 7月26日と27日に開催された「第33回共長夏まつり」。普通、町の盆踊りといいますと、大抵は踊っているのは一部の人のみで、あとは見に来ているだけの人が大半なのですが、この夏祭りのすごいところは、踊っている人の数です。

 共和駅前のバスターミナルそのものを会場としていて、電飾にこっぱくんを囲んで、大盛り上がりです。

 しかも、定番の音頭だけではなく、東海テレビのひまわり画像でおなじみの、今井由実子&宮沢桃子アナウンサーが歌う「Let's Try!Go!Go!」や、「おどるポンポコリン」など、かかる音楽は多彩。にもかかわらず、皆、振り付けがしっかり合ってるということは、かなり事前練習を積んでいますねこれは...。やはりこの町、ただものじゃない。

 そしてもうひとつ、盆踊りとして、普通はあまり考えられない決定的な特徴があるのですがその前に。

写真

♪のりのり~のりのり~

 共和駅前へやってきたら、ここで食べなきゃ!といううどん屋さんで腹ごしらえです。東海テレビのぐっさん家が取材に来ただけでなく、あの東海ラジオ「NORINORIあふたぁぬーん」でメインパーソナリティを務めた、故・梅村勝彦さんがよく訪れていたという「うどんの大島屋」です。

写真

 私がいただいたのは「カツカレーうどん」。え?うどんが1,350円?と思われるかもしれませんが、その価値ありです。カレーうどんは、片栗粉で濃厚にしてあるよくあるタイプではなく、ダシの味がかなり強め。なのでご飯にしっかり合います。

 そして驚くべきはカツの衣。カレーうどんに浸かっているにもかかわらず、サクサク感がいつまでも残っている上に、崩れない。とても繊細なカツカレーうどんです。

写真

 一方、人気メニューはうどん付きの「かつ定食」。一切れいただきましたが、このカリっとした香ばしさは普通じゃありません。カツが2枚ついてくるのもうれしい。そしてこの、冷たいうどんにびっくり。ダシがものすごい濃厚。しょうゆよりもダシの味が強いというインパクト。

 さらには、サラダがマカロニではなく、うどんやきしめんなのも面白い。繊細かつ大胆なうどん店でした。

写真

そのこだわりは一体...

 では、夏まつり会場へ戻って、最後の考察です。この夏祭り、会場に到着した時から何かが違うのです。冒頭にも書きましたが、普通盆踊りと言えば、仮設のトランペットスピーカーから流れる軽い音を想像するのですが、この夏祭りは、腹に響くわ高音の伸びはすごいわ、それはまるでライブ会場のよう。

 見るとステージの横には、BOSEのスピーカー「802-II」とサブウーハー「302-II」なんてのがドンドンと置かれているんですよ。そりゃいい音しますよ。

写真

 さらに、会場の中央にはアンプがビールケースの上に4つ置かれていたり、会場の各所にもBOSEのスピーカーが置いてあったり、ミキサーもある本格的なPAが設営されていたりと、どう見ても普通の夏まつりではないのです。

写真

 そういえば、BOSEといえば昔、ウォークマンなんかにつけると小さなスピーカーから音が聞こえる、「小坊主」「Hi坊主」なんてのがあったな...と思い出しましたが、それらは意匠が似せてあるだけのパチもんで、BOSEが出していたわけではありません。

 そんなものが許されたあの頃、いい時代だったね、TAPEX(現・イメーション)。

写真

この技術は...

 それにしても、本当に高音質で大迫力の夏祭りでした。炭坑節をあんないい音で聞いたのは初めて。ズシンズシンと腹に響き、頭の中まで鳴り響く高音の鳴り物。

 たぶん、この共長夏まつりに毎年参加している人は、他の盆踊り大会に行ったら拍子抜けでしょうね。

 ちなみに、この夏まつりの音響を取り仕切っているのは地元の山田電機商会。

写真

 あなたの街の盆踊り、参加する人数が年々減っていませんか?その原因は音の悪さにあるかも?

 オリジナルの音頭を作り、この日のために町の人々が前々から集まって踊りを練習し、さらには大迫力の超高音質。共長夏まつり、すごすぎ。

 あまりの音響の充実振りに、一体何が目的なんだろう、と思ってしまいますが、そのこだわりこそが「職人」ってものなのでしょうね。

取材協力

KAZ Communications

関連情報

JR共和駅(愛知・大府市)MAP

大府市 共和駅

スポンサーリンク


-イベントレポート

Copyright© TOPPY.NET トッピーネット , 2024 AllRights Reserved.