超高音質!大迫力!の…盆踊り!?-第33回共長夏まつり

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JR共和駅(愛知・大府市)

夏真っ盛り。週末の夜ともなると、地元の盆踊りの音が聞こえてきたりして、思わず出かけたくなりますよね。りんごあめにフランクフルト、金魚すくいに輪なげなど、様々な出店にワクワクします。

組み立てられた櫓の上では浴衣姿の人々が踊り、ちょうちんが吊り下げられ、トランペットスピーカーからはやたらと軽い音で定番の炭坑節が聞こえてくる…。というのがいわゆる普通の盆踊りなのですが…。

愛知県大府市に、それらの定番を覆す、とてもパワフルな盆踊り大会があると聞き、行ってきました。踊る人の数、踊る内容、さらには驚愕の大迫力と、思わず目から鱗が落ちた「共長夏まつり」。こんな盆踊り見たことない!?

「大府市共和駅前」

やってきたのは、JR東海道本線の共和駅。名古屋駅からわずか17分、近くに巨大ショッピングセンターがオープンしたり、交通の要衝でもあることから、ここ最近は人気の住居エリアとしてスポットを浴びています。とはいえ、大府の共和駅と聞いたら、やっぱり思い出すのはアレですよね。

テレビCMでおなじみ「大府市共和駅前・宝石の八神」です。

名古屋で宝飾店のテレビCMと言いますと、親子3代が登場する「名古屋清水口・美宝堂」を思い浮かべる方も多いでしょうが、八神は知名度で双璧を成すと言ってもおかしくないお店です。しかし、八神は受け狙いのCMをするわけでもなく、格調の高いCMで「正規販売店」をキーワードに正統派なイメージを植えつけているので、美宝堂とは方向性は正反対です。たぶん、客層も全く違うのだろうなぁ…。

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地域のキャラ「にこっぱ」

そんな八神のある共和商店街には、マスコットキャラクターがいます。以前、共和駅前には愛・地球博のキャラクター「モリゾー・キッコロ」が飾られていたのですが、撤去されてしまい、その寂しさをまぎらわすために、オリジナルキャラの「にこっぱ」が作られました。

大口を開けたひまわりのような太陽をモチーフとしていますが、「安値世界一への挑戦!」でもありませんし、「♪パッパッパッパァ~パソコンヤ」でもありませんし、「もしもしあたし~、今、ウッ、ウッン、ごめん、喉の調子が悪くて…エヘン虫にやられましたねぇ。」でもありません。

ちなみに、大府市自体には「オブリーくん」がいるので、「にこっぱ」はこの共和エリア限定のキャラとなっています。

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キャラもオリジナルなら音頭もオリジナル

オリジナルで作ってしまったのは、キャラクターだけではありません。市の音頭ならよく耳にすることはありますが、なんと今年、この共和地区では地域のオリジナル「にこっぱ音頭」を作ってしまったのです。

地元の自治会が歌詞を公募し、地元の元小学校教諭が作曲、さらに歌っているのは昨年の共長まつりカラオケ大会優勝者と、まさに共和の盆踊り。

まあ、こんな音頭を作ってしまう時点で、盆踊りに対する地元の意気込みを感じることはできるのですが、それだけにはとどまりません。

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この人出はいったい…

7月26日と27日に開催された「第33回共長夏まつり」。普通、町の盆踊りといいますと、大抵は踊っているのは一部の人のみで、あとは見に来ているだけの人が大半なのですが、この夏祭りのすごいところは、踊っている人の数です。

共和駅前のバスターミナルそのものを会場としていて、電飾にこっぱくんを囲んで、大盛り上がりです。

しかも、定番の音頭だけではなく、東海テレビのひまわり画像でおなじみの、今井由実子&宮沢桃子アナウンサーが歌う「Let’s Try!Go!Go!」や、「おどるポンポコリン」など、かかる音楽は多彩。にもかかわらず、皆、振り付けがしっかり合ってるということは、かなり事前練習を積んでいますねこれは…。やはりこの町、ただものじゃない。

そしてもうひとつ、盆踊りとして、普通はあまり考えられない決定的な特徴があるのですがその前に。

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♪のりのり~のりのり~

共和駅前へやってきたら、ここで食べなきゃ!といううどん屋さんで腹ごしらえです。東海テレビのぐっさん家が取材に来ただけでなく、あの東海ラジオ「NORINORIあふたぁぬーん」でメインパーソナリティを務めた、故・梅村勝彦さんがよく訪れていたという「うどんの大島屋」です。

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私がいただいたのは「カツカレーうどん」。え?うどんが1,350円?と思われるかもしれませんが、その価値ありです。カレーうどんは、片栗粉で濃厚にしてあるよくあるタイプではなく、ダシの味がかなり強め。なのでご飯にしっかり合います。

そして驚くべきはカツの衣。カレーうどんに浸かっているにもかかわらず、サクサク感がいつまでも残っている上に、崩れない。とても繊細なカツカレーうどんです。

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一方、人気メニューはうどん付きの「かつ定食」。一切れいただきましたが、このカリっとした香ばしさは普通じゃありません。カツが2枚ついてくるのもうれしい。そしてこの、冷たいうどんにびっくり。ダシがものすごい濃厚。しょうゆよりもダシの味が強いというインパクト。

さらには、サラダがマカロニではなく、うどんやきしめんなのも面白い。繊細かつ大胆なうどん店でした。

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そのこだわりは一体…

では、夏まつり会場へ戻って、最後の考察です。この夏祭り、会場に到着した時から何かが違うのです。冒頭にも書きましたが、普通盆踊りと言えば、仮設のトランペットスピーカーから流れる軽い音を想像するのですが、この夏祭りは、腹に響くわ高音の伸びはすごいわ、それはまるでライブ会場のよう。

見るとステージの横には、BOSEのスピーカー「802-II」とサブウーハー「302-II」なんてのがドンドンと置かれているんですよ。そりゃいい音しますよ。

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さらに、会場の中央にはアンプがビールケースの上に4つ置かれていたり、会場の各所にもBOSEのスピーカーが置いてあったり、ミキサーもある本格的なPAが設営されていたりと、どう見ても普通の夏まつりではないのです。

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そういえば、BOSEといえば昔、ウォークマンなんかにつけると小さなスピーカーから音が聞こえる、「小坊主」「Hi坊主」なんてのがあったな…と思い出しましたが、それらは意匠が似せてあるだけのパチもんで、BOSEが出していたわけではありません。

そんなものが許されたあの頃、いい時代だったね、TAPEX(現・イメーション)。

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この技術は…

それにしても、本当に高音質で大迫力の夏祭りでした。炭坑節をあんないい音で聞いたのは初めて。ズシンズシンと腹に響き、頭の中まで鳴り響く高音の鳴り物。

たぶん、この共長夏まつりに毎年参加している人は、他の盆踊り大会に行ったら拍子抜けでしょうね。

ちなみに、この夏まつりの音響を取り仕切っているのは地元の山田電機商会。

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あなたの街の盆踊り、参加する人数が年々減っていませんか?その原因は音の悪さにあるかも?

オリジナルの音頭を作り、この日のために町の人々が前々から集まって踊りを練習し、さらには大迫力の超高音質。共長夏まつり、すごすぎ。

あまりの音響の充実振りに、一体何が目的なんだろう、と思ってしまいますが、そのこだわりこそが「職人」ってものなのでしょうね。

取材協力

KAZ Communications ♣ MyFM 883
 
この記事を書いた人
TOPPY/川合登志和

記事や脚本を書いたり、名古屋のラジオやテレビの構成作家をしたり出演したり、地域のFMラジオで喋ったりディレクターしたりミキサーしたり、講師したり、サイト作ったりしてます。

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コメント

  1. 小花一美 より:

    共長夏まつりで踊られた「にこっぱ音頭」の作曲をした地元も元小学校教諭とは、私もことです。今は半田市の横川小学校で教諭をしています。ひょんなことから「にこっぱ音頭」を見つけ、評判も上々であるので、嬉しく思い、メールしてしまいました。よろしく。
    (2008/09/16 2:40 PM)

  2. トッピー@管理人 より:

    >小花一美さま はじめまして こんばんは
    「にこっぱ音頭」を作られた方にメッセージをいただけるとは、ありがとうございます。昨今、場所が減っていることで地域のお祭りが無くなったり、規模が縮小されたりしているなかで、あれだけの規模でしかも街中で、さらにはオリジナルの音頭を作ってしまう、そんな地域の一体感がうらやましく思えました。もちろん、にこっぱ音頭そのものも良かったですよ~。
    (2008/09/24 4:58 AM)

  3. 共長小の6年1組 より:

    私の家は共和駅まで徒歩5~6ぷんです
    毎年祭りを楽しみにしています
    なので地元のことを書いてもらってとてもうれしいです

  4. トッピー@管理人 より:

    >共長小の6年1組さま こんにちは
    そうなんですか~!
    本当に近くに住んでらっしゃるんですね。
    今年もだんだん夏が近づいてきましたし、
    お祭り楽しみですね!

  5. RAV より:

    BOSEのPAシステム、翌週の大府駅夏祭りでも
    炸裂なんでしょうか?
    とても興味がありますが!!

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