おいでよ!名古屋みゃーみゃー通信 第1章 名古屋っ子気質

日本一ったら日本一

記事公開日:2003年12月6日

おいでよ!名古屋みゃーみゃー通信 第3回

イラスト

 前回、「名古屋っ子にとって名古屋は、世界に誇る日本のメジャー都市です。」と書きましたが、東京や大阪からだけでなく、札幌や福岡などの地方都市に住む人々からも、「名古屋は田舎っぽい、マイナー」と思われているということを名古屋っ子は薄々感じています。

 愛・地球博については、地元でも特に盛り上がっているわけではないのでそれほど気にはしていませんが、中日ドラゴンズがどことなく全国区になれないことや、名古屋は「大いなる田舎である」と言われていることも気にしています。名古屋の嘲笑ネタをやっていたタモリ氏のこともいまだにどことなく好きになれません...。

 しかし、それを否定することがイマイチできないのです。それは自分たちにも「名古屋はマイナーかも、田舎かも。」と思える部分があるからです。タモリ氏がやっていたネタについても、実は「そうだよな。」と思えてしまうのです。ところが、名古屋っ子は名古屋のそんな部分を認めたくないのです。

自信が持てる街はいいよな…

 ここが大阪や、他の地方都市には無い名古屋っ子の特徴なのです。例えば大阪という街は東京と対極にあるものの、独自のアイデンティティを持っています。東京が首都だろうと大都会だろうと、「大阪は大阪。」というスタンスをしっかりと持っていて、「東京に負けないぞ」とか「東京に肩を並べよう」といったものをあまり感じさせません。次元が違うとでも言いましょうか。

 実際、大阪は他の都市と張り合おうという意識も薄いようで、近郊の京都、神戸とともにお互いの街の良さを尊重しあい、個性を大切にしつつ、関西全体の発展を願っている印象を受けます。また、地方都市を見ましても、札幌には札幌の、福岡には福岡の、そして都市以外の地域でも、東北や九州、北陸、それぞれが自分の地域の良いところを知っていて、それをとても大切にし上手にPRしています。これは自分の県を郷土を、素直に愛していることの表れではないでしょうか。

大いなる田舎、自覚はしていても...

 タモリ氏は当時、名古屋だけをネタにしていたわけではありません。他の地方、もちろん大阪だってネタにされたのです。しかしそれらの街の人はそんなことでは怒らないのです。それは、心の底から地元に誇りを持っているからであり、お笑い芸人にネタにされたことくらいでイチイチ腹を立てないのでしょう。

わかっていても負けられない

 それに対し、名古屋っ子というのはいつも、「東京に肩を並べなくては」「東京に追いつけ、追い越せ」といった気概がある割には地元に自信が持てないために、タモリ氏のネタが例え本当のことでも、マイナスポイントをアピールされることは許せないのです。

 東京人に名古屋の悪いところを知られることイコール、東京との戦いのダメージになるのです。また、自分よりも格下(名古屋っ子は東京、大阪以外についてそう思っている)である福岡出身の芸人に言われたことでプライドも傷つけられてしまったのです。

 本当は、名古屋について東京と張り合う実力が無いことも、そしてとても変な部分があることも名古屋っ子はわかっています。加えて、「雄大な自然の北海道」「商売とお笑いの街大阪」「異国情緒漂う長崎」といったようなアピールできる特徴が、名古屋には無いのです。そんな、地元に100%自信を持つことができない名古屋っ子。

 そして、他の地方ほど自慢するものが無い名古屋。それでも東京には負けたくないのです。いや、できれば些細なことでもいいから勝ちたいのです。

名古屋駅のビル
▲こちらは世界一の名古屋駅。駅ビルとしての規模がです。※のちにギネスから取り消されました

だからこだわる日本一

 こういった思いから、名古屋っ子がとりわけ東京人に対してすぐに口にするのが、

「名古屋は○○が日本一」

 なのです。どういうことかと言いますと、東京や他の地域の人から何を言われようと、「名古屋はこれが日本一なんだから」という誇りが心の支えになっているのです。名古屋っ子ほど、日本一が好きな人はいないのではないでしょうか。もし、あなたに名古屋出身や、名古屋在住の友達がいたら聞いてみてください。「名古屋って何が日本一なの?」と。すると、面白い程にあれやこれやと出てくることと思います。

 名古屋以外に住む人は、自分の住む街の一体何が日本一なのか、普段そんなことを意識してはいないでしょう。別にそれを聞かれることもなければ、披露する必要も無いからです。もちろん名古屋っ子もそれを聞かれることはありません。しかし、これまでに書いたような意識から、馬鹿にされる前に予防線としてさりげなくこういった自慢をするのです。

一度インプットされたら永遠

 しかも名古屋っ子のいけないところは、一度でも日本一と言われたことがあるものは「名古屋が日本一だ」と刷り込まれてしまい、たとえ順位が入れ替わってしまったり間違っていたとしても、そういった情報は受け入れようとしないのです。いや、名古屋にいると耳に入らないのです。

 「名古屋は地下街がすごい」

 と、聞いたことはありませんか?名古屋っ子がまず自慢するもののひとつに地下街があります。観光ガイドや、名古屋を扱った名古屋本にもよく登場します。「名古屋では、繁華街が地下に広がっているので、地上を歩いている人がいない。」ですとか、「デパートへ行くにも、ビルに行くにも皆地下街でつながっているので、雨が降っても濡れずに移動できる。」ですとか、とにかく自慢します。そして口を揃えて言うのが、「名古屋の地下街は日本一」です。

名古屋の地下街の何が日本一なのか

 ところがです。各都市の地下街総面積を比べますと、日本一は東京都区部で226千平方メートル、2位は僅差で大阪市です。対する名古屋は172千平方メートル。(2002年国土交通省調査)おかしいですね。他のデータも見てみましょう。地下街の店舗総面積を見ますと日本一は大阪市で59,000平方メートルです。また、単独で日本一の面積を誇る地下街は大阪市の梅田にあります。

 私は意地になりあらゆる本を調べてみました。そのうち「名古屋の地下街は日本一」と書いてあった名古屋本があったので読んでみたのですが「発達が日本一」。なんと抽象的なのでしょう。また、日本一と言い切ったテレビ番組でも何が日本一なのかには触れられていませんでした。

 また、名古屋の地下街は日本一古いとも言われています。名古屋で最初の地下街は1957(S32)年3月にオープンしたナゴヤ地下街(現・サンロード)です。大阪のナンバ地下センター(現・NAMBAなんなん)が「わが国における本格的地下街の第一号」と名乗っているようですが、こちらは同年の12月なので名古屋よりも遅いことになります。まあ、当時のナゴヤ地下街は本格的な地下街として認められるようなものじゃないという意味なのかもしれませんが...。

 ところが、調べてみたところ東京の神田地下街が1932(S7)年オープンとのこと。結局名古屋の地下街は何が日本一なのでしょう。

シャッターの地下街
▲名古屋一の繁華街・栄地下。深夜じゃありません。午後8:45でこれ。

そして本質は見えなくなる

 実は日本一と言える部分も実際にあるのです。まずは、「人口に対する地下街の面積」。そしてもうひとつは、「繁華街の地下面積比率」というもの。つまり、名古屋の商業施設全体のうち地下にある割合が日本一なのだそうです。さらには地下街自体の数が日本一なのです。地下街の数が多いということは、それぞれの地下街は小さいということになりますね。

 そんなこじつけの数字を持ち出してまで日本一と言うことに意義があるのでしょうか。もっと本質をアピールして欲しいものです。

 こじつけの日本一よりも、名古屋の地下街ならでは長所を全面にアピールすべきだと思うのですが実は名古屋っ子、そういったことが実に苦手なのです。PRがこれほど下手な地域と言うのも珍しいと思えるくらいです。事実、名古屋の良いところって他の地方の方ご存知ですか?ひょっとしたらPRが下手なのではなく、魅力的なところを見出すことができないという可能性もありますが...。

 だからこそ、さらに「日本一・日本初信仰」が強まり、それに縋っていくのです。

イラスト
▲平日でも9時少し前には、お店は閉店しだします。サラリーマンも帰ります。遅くまで飲むのは転勤族がメイン

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