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あなたもテレビに出ませんか!?わずか2週間だけ設置されたナゾの看板の真意は?

記事公開日:2009年11月2日 更新日:

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★イタズラにしてはカネがかかってる
★言いたいことはわかるようなわからないような...
★わずか2週間で消えてしまった

 2ヶ月ほど前の話になります。東浦町や大府市など、知多半島の付け根で複数の変な看板を見たという情報が入りました。私はその話を聞いたとき、いわゆる誹謗中傷ビラのような、手書きの粗雑な作りの看板を想像したのですが、情報によると看板は金属製で、しかも文字はちゃんとフォントになっているとのこと。

 そして肝心の内容は...「あなたもテレビに出ませんか?」

 まったく意味がわかりません。そこでさっそく、現場に急行しました。

まずは高架橋の欄干に

 大府市内を走る国道155号線を東から西へと向かいます。すると、JR大府駅の南側で線路を越える高架橋の途中にその看板は現れました。

 それは橋の欄干にくくりつけられており、情報の通り、ちゃんとした金属製の看板に、手書き文字ではなくフォントでこう書かれていました。

「あなたのお店もテレビに出ませんか?」

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 思わず「はぁ」という声しか出ません。あなたのお店もテレビに出ませんか?と唐突に言われてもねぇ。注目すべきはその左側、やや小さめの文字でこうも書かれているのです。

「10万・20万・30万~(応相談)」

 なるほど。10万から30万またはそれ以上のお金を出せば、テレビでお店を紹介してもらえるというわけですね。

 しかしここで一つ目の疑問が。

 勧誘している看板の割には、問い合わせ先が一切記載されていません。これでは、「応相談」と言われても、誰に相談して良いものやら。

問合せ先が判明!?

 その先の「大府高校北」の交差点を左折し、国道366号線へ。するとまた、尾張森岡駅の近くにも同じ看板を発見。でも、今度の看板には問い合わせ先が書いてあるではありませんか。

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 先ほどと同じく、右側に大きな文字で「あなたのお店もテレビに出ませんか?」、左側に小さな文字で「10万・20万・30万~(応相談)」ここまでは同じです。

 しかし、この看板の下部には黒文字で「各テレビ局まで」とあります。

 ここで二つ目の疑問。各テレビ局まで...と言われても...。ということは、特定のテレビ局が勧誘をしていると言うわけではないということですよね。ひょっとするとこれは、手の込んだ誹謗中傷なのでしょうか。

さらにもうひとつ発見

 さらに国道366号線を南下すると、再び同じ看板を発見しました。3つ目の看板も2つ目と同様に「各テレビ局まで」の文字が入っています。

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テレビに出るのはお金がかかる?

 これはたぶん、お金を出してテレビにお店を紹介してもらうこと自体を勧誘する看板ではありませんね。だとしたら、どうしたって問い合わせ先が「各テレビ局まで」はあり得ません。

 そもそも、テレビでお店を紹介してもらうには、どうしたらいいのでしょうか。

 テレビ番組でお店を紹介してもらうには2つの方法があります。

 1つはお金がかからない方法。これは、特徴あるお店や超人気店など、テレビ局のほうから「取材させてください」とやってくるタイプのものです。全国ネットの番組で紹介されるお店はほとんどがこっちで、その場合、費用は発生しないどころか、謝礼が出ることもあります。

 その逆なのが、テレビで紹介してもらうためにお金を支払う方法です。要は、CMのようなもので、新聞に例えると記事広告に当たります。この手法は、関東や関西のテレビ局では使われておらず、名古屋以下の地方局で散見されるもので、要は番組をフリーペーパーのような扱いにして、取材先から制作費を賄うというものです。

 もちろん、名古屋以下の地方局の番組全てがこうだということではありません。どことは言えませんが、名古屋でもあるリサーチ番組は前者で、取材されてもお金はかかりませんが、一方のあるグルメ番組は後者で、取材されるとお金がかかると言われています。

 つまりこの「あなたのお店もテレビに出ませんか?10万・20万・30万~(応相談)」という看板は、お金を払ってテレビに出て話題になることを、誹謗中傷する目的で設置されたと考えるのが自然ではないでしょうか。

 今回発見した3つの看板のうち2つの前には、行列の出来ているお店があり、それぞれ過去にテレビで何度も紹介されているお店です。

中傷する意味があるのか?

 ここで三つ目の疑問です。そもそも、お金を払ってテレビに紹介してもらうことは、悪いことなのでしょうか。

 それが悪いと言うことになると、新聞にチラシを入れることも、フリーペーパーにクーポンを載せることも、テレビCMを流すことも悪いということになります。

 それに、きっかけがお金を払ってのテレビ露出だとしても、肝心の商品に魅力が無ければ人気は長続きしないでしょう。

 情報によりますと、この看板はわずか2週間ほどで姿を消したそうです。それから2ヶ月、いろいろと情報収集を試みましたが、結局なんだったのかはわからず仕舞いとなってしまい、今回、悔しいですが、そのまま見たまま記事としてアップすることにしました。

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 この看板を設置した人は「このお店はお金を出してテレビに紹介してもらって人気になったんだ...そんなのって...」と思わせることが狙いだったのでしょうけど、私の感想はただひとつ。

「ひがみってイヤだね~」

 でもね、ちょっとその気持ちがわかってしまう自分もいるので、自分への戒めも込めてこの言葉を吐いていますけどね...。

 そりゃ、うまく行ってる人を見れば、うらやましいと思う気持ちは誰にでもあるでしょうからね...。

 でも、こんな誹謗中傷看板を作る暇とお金があったら、そのひがんでる主人のお店もテレビに出ればいいのに。

関連情報

取材協力

KAZ Communications


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