07.昭和区 名古屋を歩こう

年中お祭り楽しい縁日

記事公開日:2004年8月11日 更新日:

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名古屋牛乳飲んでるの~?-馬頭観音・飯田街道

 塩付街道から飯田街道に入り、東へと歩いてきます。現在、国道153号線は2本走っていて北側は新設されたバイパスで、南側にある片側1車線の細い道路が旧・飯田街道です。当時の面影を残す建物は少なくなっていますが、ふと建物の端に観音さまがありました。馬頭観音です。かなり狭い角地にあり道路標識の棒が邪魔そうでしたが、綺麗な花が供えられていて大切にされている様子がわかりました。この観音さまは、この場所で馬車による運送業を営んでいた服部文五郎さんという方が同業者7~8人と共同で、1909(M42)年に馬の健康と輸送の安全を祈願して、ここに安置したものだそうです。現在は行き来する自動車を見つめています。

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▲約100年、この街道の移り変わりを見つづけています。

 また、駄菓子を売っているお店を発見しました。クッピーラムネやおにぎりせんべいなどが所狭しと店内を埋め尽くしています。「ロッテ」「チョコレート」という文字の看板が大きく出ていますので、すぐに発見できると思います。名古屋牛乳のショーケースが懐かしかったです。思わず「♪名古屋牛乳~飲んでるの~?」というCMを口ずさみたくなります。ちなみに名古屋牛乳の本社は、先ほどの西友のすぐ近くにあります。

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▲こちらが駄菓子屋さん。駄菓子屋さんにしては大きな店構え。
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▲品揃えは今も昔も変わらないのでしょう。

名古屋へのこだわり-稍名寺・マンドリン音の博物館

 しばらく歩いて行くと、左手にお寺があります。川名山稍名寺です。建物が綺麗で新しく見えますがその通りで、このお寺は1989(H元)年に再建された真宗大谷派のお寺で、阿弥陀如来が安置されているそうです。そして、もう少し歩いたところにあるのが川原神社です。この日は屋台が並ぶ縁日でした。楽しそうなので散策を終わらせてから行くことにします。川原神社を越えてさらに歩いて行くと、右側に「マンドリン音の博物館」という濃い茶色の不思議な建物があります。

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▲阿弥陀如来を祀る川名山稍名寺です。
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▲中央に見える茶色い建物が、マンドリン音の博物館です。

 この博物館は、かつてない盛り上がりを見せた「なごやの日」に開館しています。なごやの日とは平成7年5月8日で「758(なごや)」という語呂合わせの日です。マンドリンとは8本の弦からなる楽器で、もちろんここで見ることができます。イタリア製の名器が数多く展示されている他、日本最初のマンドリン製作家、鈴木政吉氏の初期の作品など他では見られないものが展示されています。また明治・大正時代の頃から現代まで、世界のマンドリンに関するレコードやCDが所蔵されていたり、館長である南谷さん演奏によるCDも販売されています。入館料は24歳以上700円、未満500円、小学生80円となっています。日本で初めてマンドリンが作られたのはこの名古屋、名古屋ゆかりの音色に耳を傾けるのもいいですね。ところで、この博物館の館長さんは余程「758」という語呂合わせが好きなのか、この博物館のホームページのオープンも1997年5月8日ということで、こだわりをひしひしと感じます。

小牧長久手の戦いで焼失-太平寺

 さて博物館を越えると山崎川が流れ、県道30号にぶつかります。右に曲がると地下鉄川名駅です。一旦右に曲がり駅の方向へと歩きます。すると山王通にぶつかるので、第三銀行のある角を右へと曲がり再び西へと戻ります。そしてしばらく歩くと右側に太平寺があります。このお寺は1533(天文2)年に建立されたのですが、1584(天正12)年の小牧・長久手の戦いで焼失。その後数百年の時を経て1897(M30)年に再建されるも再び焼失。現在の本堂は1931(S6)年に建てられたものだそうです。そしてその太平寺の右側にある細い路地を歩いて行くと、先ほどの川原神社の前に出ます。

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▲山崎川を越えると地下鉄川名駅に出ます。
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▲地下鉄川名駅です。奥に見えるのが第三銀行。
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▲太平寺です。小牧長久手の戦いはこの地まで影響したのですね。

1000年以上の歴史を誇る・火と土と水の神-川原神社

 川原神社にはこの日たくさんの出店があり、お囃子も聞こえてきました。何かお祭りがあるのかとワクワクします。川原神社の創建時期はわかっていませんが、907(延喜7)年の延喜式神名帳には既に記録が残っています。まず境内に入ると、左側に池があり弁財天が祀られていました。「川名の弁天さま」です。

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▲何やら賑やかな様子の川原神社。
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▲この日は暑かったので、冷しパインが美味しそう。
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▲川名の弁天さまの池は、深緑で神秘的。

 境内の出店では、かき氷やお面、フランクフルトなどが売られていました。人出も多く、浴衣を着た子ども達をたくさん見かけました。これぞ日本の夏。毎年この季節は日本に生まれてよかったと思います。この雰囲気は絶対に日本でしか味わえませんから。すると、社殿の前に大きな茅の輪がありました。そしてその横には榊立てなどお供え物が置かれているテントがあり「お供え物300円」と書かれていました。テントにいらっしゃった方に話を聞くと、今日は年に一度の「茅の輪赤丸神事」の日で、茅の輪を八の字状に左・右・左とくぐり、神様にお供え物をして、その後おでこに朱色の墨で印を打ってもらうと、夏を無病息災で過ごせるとのこと。

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▲本殿に近づいて行くと、次第にお囃子が聞こえてきます。
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▲これが茅の輪。くぐって無病息災。
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▲そして本殿にお供え物をします。

 さっそく300円を手渡しお供え物を受け取ります。そして茅の輪を左・右・左とくぐり本殿へと歩きます。もちろん、真ん中は神様が通る道ですので、少し端に逸れた所を歩きます。お供え物を供えお祈りをします。すると、神職の方が「こちらへ」と言って私を呼び寄せます。神主さんは朱色の墨を含ませた布がついた棒で、私のおでこにチョンと赤丸を打ってくれました。

「これで、この夏は無病息災間違いなし。」

 とお墨付きをもらいました。今後も散策を頑張れそうです。

 ところでこの本殿、とても色が鮮やかなのですがそれもそのはず。1998(H10)年に再建されたものなのです。かつての社殿は戦災で焼失しているのですが、1992(H4)年にも不慮の火災が発生し焼失してしまったのです。

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▲お囃子はここから聞こえていました。テープだったのね。
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▲今日ばかりはお囃子に合わせて飛び跳ねそう。
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▲浴衣姿の女性もたくさん見かけました。

 茅の輪、赤丸神事は毎年7月4日の正午から行われています。他にも川原神社では3と8が付く日に朝市が行われたり、毎月のように年中行事が行われ多くの人で賑わうそうです。境内にある川名稲荷社の月次祭も毎月8日の午後2時に行われています。いつも何かお祭りごとをやっていて、月に6回朝市がある。これこそ、身近な神社、身近な神様ですね。日本はいつも神様に見守られていて、神様がとても身近な存在であることがわかります。

 そういった信仰は別にしても、こういう縁日の雰囲気というのはたまらなく情緒がありますね。


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