07.昭和区 名古屋を歩こう

セレブが集まる・その名も!

記事公開日:2004年8月11日 更新日:

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イヌナシの木がもたらす涼-宝珠院

 八事山を降り、再び飯田街道に戻り半僧坊の交差点へと戻ります。今度は交差点を隼人池公園と同じ南西に曲がります。すると木々に囲まれた宝珠院が見えてきます。天正年間(1573-1591)に創建された宝珠院は、周囲のお寺と同様清洲越し、戦争疎開を経てこの地にやってきました。かつてお寺の周辺は隼人池に接する湿地帯で、イヌナシの木が群生していました。しかし今ではお寺の境内に2本が残るのみで、県と市の天然記念物に指定されています。木陰に入るととても涼しかった...。かつてはこうやって自然に涼が取れたのですね。コンクリートジャングルに一服の清涼剤です。

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▲隼人池公園のすぐ横にある宝珠院。
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▲天然記念物、イヌナシの木。

たまり醤油の味がたまらない-白髭神社・金城あられ

 宝珠院を過ぎると交差点がありますので、そこを右に曲がると朱色の鳥居が鮮やかな白髭神社があります。それほど敷地は広くないのですが、木々が覆い繁るなかを迷路のように鳥居が道を作っていてちょっとした迷路気分です。白狐の置物がたくさんありそれぞれの表情が違っていて面白かったです。神社の狐って、カワイイものからもの凄い形相のものまで様々な表情がありますね。怖いのは本当に怖い。夢に出そうです。

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▲朱色の鳥居が鮮やかな白髭神社。
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▲どっちから行っても、全てのお社に辿り付けます。
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▲白狐がたくさん。表情もいろいろ。

 白髭神社を過ぎると交差点があるので左折します。すると須佐乃男神社があります。始まりは1773(安永2)年、尾張藩士だった西村という人が自宅に祀ったのがきっかけで、次第に町民の信仰を集めるようになりました。そこで1906(M39)年にこの地に移り、町全体を守る氏神となったのがこの神社です。この道をこのまま歩くと飯田街道に出てしまうので、来た道を戻りさらに信号を直進します。すると「あらあら、あられ、あら、あられ、きん、きん、きん、きん、金城あられ」というラジオCMでおなじみの金城あられ本舗があります。名古屋のたまり醤油を使った香ばしいあられは、一度食べ始めたらやめられません。キムチ味、明太子味などバリエーションも豊富です。

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▲かつては個人的なものだった須佐乃男神社。
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▲中央にある白い建物が金城あられ。

セレブが集うお店がずらり-雲雀ヶ岡

 金城あられの周辺からは、ちらほらとお店が並ぶようになります。カリスマ美容師がいそうな美容院や、絵画などを売るアートなお店、そして有機野菜にこだわった厳選素材を使用したレストランChez KOBE(シェ・コーベ)、陶磁器やガラス工芸品などを扱うクロッカーガーデンなど、街並みががらっと変わります。店がずらっと並んでいるのではなく、それぞれのお店の敷地が広く、緑が広がるゆったりとした雰囲気です。この先は瑞穂区なのですが、瑞穂区内もこのあたりは高級住宅街。雲雀ヶ岡交差点周辺にはこういった高級住宅街に似合うお店がたくさんあります。それらのお店は後ほど見るとして、先に新福寺へと向かいます。

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▲美容院やブティックが並びます。
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▲Chez KOBEで優雅なひとときを...。
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▲セレブは雑貨にもこだわります。

宮本武蔵百四十九忌記念-新福寺

 雲雀ヶ岡交差点を左に曲がりしばらく歩くと、半僧坊新福寺があります。このお寺は1885(M18)年に現在の中区栄3丁目に建立され、1910(M43)年にこの地に移されたものです。半僧坊の名の由来ですが、方広寺開山禅師の危機を救った弟子が入門する際に、禅師から「姿は俗人だが心は僧。故に汝は半僧坊だ」と言われたことに由来するものだそうです。この半僧坊は観音さまの化身だったといわれ、本尊の阿弥陀如来の頭の中に観音さまが納められているのだそうです。

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▲雲雀ヶ岡交差点から西へ300mほどにある半僧坊新福寺。
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▲姿は俗人って、どんな姿をしていたのでしょう。

 そして本堂の前には宮本武蔵の碑があります。武蔵の碑はこの新福寺と南区笠覆寺(笠寺観音)にあるのですが、ここの石碑は「新免政名供養碑」と呼ばれ、1793(寛政5)年の武蔵百四十九年忌の法要の際、円明ニ天流を伝えた左右田邦俊五代の門弟、市川長之がその門人とともに建てたものです。武蔵は尾張藩主義直に面会し、藩士と剣術試合を行い二刀を使う圓明流を伝えたとのことです。関ヶ原の戦いでも大活躍した武蔵。名古屋っ子がどこか惹かれつづけるのも頷けます。そのせいか、名古屋では長年ラジオで宮本武蔵の朗読劇がリピート放送されています。

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▲宮本武蔵を弔う碑。かつては別のお寺にあったのですが廃寺によりここへ。

やっぱり横文字じゃないとね-ヒバリーヒルズ

 さて、雲雀ヶ岡周辺の散策に戻りましょう。金城あられやシェ・コーベの他にも美味しそうな香りを漂わせるお店がたくさんあります。神戸屋にはカワイイ牛の像がありました。こんなカワイイ姿を見てしまっては逆にステーキが食べにくくなってしまう気もします。そしてオシャレなお店もたくさん並びます。神戸屋のすぐ横にある輸入雑貨専門店コアでは、いかにも大きなお庭に似合いそうな置物などがディスプレイされています。

 そして高級住宅街といえばやはりペットです。獣医もありました。ワシヅカ獣医科病院です。この獣医さん、不思議なマークの看板を掲げています。蛇にVの文字。蛇の毒にもヴィクトリーといったところでしょうか。意味深です。まさかあの車のマークをもじっているのかな...。

 どうやらこれは、海外で医者を示すマークに、獣医であることを示す「V」がつけられたもののようです。

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▲モ~食べらんない。
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▲やっぱり庭には輸入雑貨よね~。
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▲ヘビの毒にも負けない(?)獣医さん。ひょっとしてアルファロメオ?

 そんな海外のようなマークがあっても、溶け込んでマッチするような街並みでとてもオシャレ。しかし、しかしです。通りにあった街路表示に私は驚きました。ここは雲雀ヶ岡。そこにあるこの商店街の名はいかにも名古屋らしいセンスでした。その名も「ヒバリーヒルズ」。それだけならまだいいでしょう。千葉のチバリーヒルズなんかよりもよっぽどましです。ところがです。筆記体のアルファベットで「Hibari Hills」...。

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▲ヒバリーヒルズ。カタカナのほうがいいんじゃない...?

 それは...どうかな。

 そしてさらには、交差点を越えた瑞穂区内にある、ういろうでお馴染みの青柳総本家には「Aoyagi」の文字。

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▲セレブに合わせて「Aoyagi」です。

 と、とにかく、アルファベットにすれば、とにかくオシャレなんです!

>>熱田区へ続く


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