微生物研究の最前線-ミズホ
川原通から一本東にあるスーパー、タチヤから南東方向の川名山町方面へと歩きます。すると右手に「酸素微生物研究」と書かれた会社があります。この株式会社ミズホでは、「Mリン農法」に関する製品を研究・製造しています。Mリン農法とは、化学に頼らず自然を生かし、自然に順応した栽培技術を体系化した農法です。無農薬なのは当たり前で、かつリン酸を利用して生育調整を行ったり、堆肥による土作りを行い、より元気に作物を育てることを目的としています。一見、何の変哲も無いビルですが、その中は研究の最前線なのです。昭和区ですがミズホです。
▲見難いですが、道路右側にあるのがミズホです。 |
母子家庭を・子育てを支援-県営昭和荘・児童福祉センター
さらに歩いて行くと、左手に県立昭和荘があります。ここは母子生活支援施設です。18歳未満の児童を抱える母子家庭で、生活と養育が困難な母子、またはその子どもを保護し、自立を促進するための施設です。またこの先、川名山町と楽園町の間にある道をずっと歩くと名古屋市児童福祉センターがあります。福祉センターでは子育ての悩みや虐待に関する相談を受け付けています。福祉センターには児童遊園があり、ミニチュアの信号機や動物の形をした遊具を見ることはできましたが、子どもの姿は無く、雑草が生い茂り少し寂しげでした。
▲県立昭和荘では多くの子ども達が暮らしています。 |
▲名古屋市児童福祉センターの児童遊園は少し寂しげ。 |
コレクションを展示したいから…-桑山美術館
話は戻りまして、昭和荘の前を歩いていき三叉路を越えたところを右に曲がると、桑山美術館があります。このあたりはいかにも「山手」という感じで、結構急勾配の坂が連続します。桑山美術館は地下鉄川名駅からそれほど離れていないのですが、駅とはかなりの標高差があるように感じます。ちなみに、坂を下ったところにある山中交差点から向こうは、中川区から続く幹線道路「山王通」ですが、この山手に入ると、急に細い住宅街の坂道になります。名古屋には幅の広い幹線道路が多いものの、片側3車線の幹線道路が急に細くなり、生活道路になることが頻繁にあるので運転には注意が必要です。そういうところでは決まって迷います。さてこの桑山美術館は、初代館長である桑山清一氏が、収集した絵画や美術工芸品を公開するために作ったものです。展示品入替を行うため、2ヶ月休館したりしますので開館日には注意が必要です。ちなみにこの日も閉館期間ということで、入ることはできませんでした。
▲桑山美術館は残念ながら閉館中。 |
▲山王通が、急にこんな生活道路になってしまいます。 |
▲桑山美術館はここを右に曲がってしばらく行くとあります。 |
桑山美術館の前の道を東に歩くと、比較的太い道路に突き当たるのでそこを右に曲がります。その道は下り坂になります。山を上ったり下ったり忙しいのですが、周囲は桑山美術館のように、美術品や骨董品を収集しているだろうと思われる邸宅ばかりが立ち並び、防犯カメラが通行人を捉えます。そんな道を緊張しながら歩いていると、ふといかにも貧乏学生のアパートといった風情の建物が登場して、その不釣合いには思わず笑みがこぼれます。そしてその突き当りを右へ歩いて行くと、右手に中京大付属中京高校があります。
▲学生寮も多く見かけます。(文中の貧乏アパートとは無関係です) |
▲中京大学付属中京高校。甲子園の常連です。 |
中京は中京でもお間違いなく-中京大付属中京高校
かつては中京高校と言うと、やんちゃな生徒が多いというイメージがありましたが、中京大学がレベルアップし、さらに大学付属になったことで大学への入学がしやすいことから人気が高まり、今では人気私立高校の一角に食い込むようになりました。また、高校野球が強いことでも知られています。中京大学はここから南東に1キロほどの、同じく昭和区内八事にあります。ちなみに岐阜県にある中京高校とは関係がありませんが、三重県にある三重中京大学(松阪大学から2005年に名称変更)と中京大学は同じ法人です。岐阜県の中京高校も高校野球が強いので、勘違いされることも多いそうです。名古屋っ子としては知っておきたい中京マメ知識ですね。
子育てに悩んだらここにもお参りを-香積院
そして、その中京大中京高校の斜向かいには香積院があります。このお寺は1687(貞享4)年、現在の久屋大通に住んでいた豪商、味岡次郎四郎が亡くなった一人娘を弔うために建てたお寺です。総門には2体のお地蔵さんが並び、一体は子どもを抱き、もう一体の足元には14体の小さなお地蔵さんがいます。亡くなった子を思う父の気持ちが、児童福祉施設をこのあたりに集中させているのかもしれません。我が子に手をかけてしまう親、理屈ではわかっていてもそれを止められない親。児童福祉センターに相談するとともに、このお寺にもお参りすることをお勧めします。
▲香積院の山門前には、お地蔵さんが2体あります。 |
▲右のお地蔵さんは子どもを抱き、左は足元に小さなお地蔵さんたちが。 |
名古屋における私大の名門-南山大学
さらに住宅街を進み、坂を下ったところにある通りを右に曲がります。すると先ほどお話した児童福祉センターがあります。その角を左に曲がると、これまた名古屋の私大では名門の南山大学があります。そして大学の向かいは、思わず住みたくなってしまう地名の楽園町となります。最近では大学敷地内に、部外者は入れないように厳しく見張られているため、南山大学は外から眺めるだけにして、再び福祉センターの交差点に戻ります。それでも道中、何人かの女子大生とすれ違いました。女子大生は間違っても、先ほど見かけたようなアパートには住んでいないと思われます。
▲昭和区の文教地区の一端を担う南山大学。 |
▲大学の西側にある住宅地は楽園。 |
▲南山大学はこんな急坂の上にあります。 |
女子大生御用達-山手通・中京テレビ放送
そして再び東に歩くと、このあたりの高級住宅街に住むハイソな方々やお嬢様女子大生が訪れるであろうショップが並びます。自然食品、自然化粧品、健康食品・雑貨を専門で扱うラ・プラスや、オーダーメイドの靴屋さんなどです。そして八事日赤病院の交差点に出ると、思わずビックリ。南側にはものすごい数のマンションがひしめきあっています。この通りは山手通と呼ばれ、その地名の良さと周辺の住環境の良さから、人気の住宅地となっています。しかし、やはりそんな山手通沿いにも学生用アパートがポツン、ポツンと見受けられます。でも、こんなにオシャレな通りですから、着の身着のままで歩くことはできません。って、いくらアパートはボロくても、今はそんな学生いないか…。
▲自然食品、自然化粧品、健康食品・雑貨を専門で扱うラ・プラス。 |
▲八事日赤病院北の交差点から南には、マンションがずらっと。 |
▲奥に見えるのが八事日赤病院です。 |
交差点の奥には、大きなタワーが併設された中京テレビ放送があります。タレントの加藤晴彦さんは、かつてこのあたりを自転車で駆け回っていたとのこと。それが今では、中京テレビのスタジオに出演者としてやってくるようになりました。加藤さんが駆け回っていたころは、このあたりは違う意味で山の手といった様子だったようです。もっと前、中京テレビが開局した35年前は、丘にポツンとテレビ局があっただけなのですから。
▲中京テレビと東山タワー。近すぎて写真に入りませんでした。 |
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