寿町・日吉町-遊郭の建物がそのままデイサービスに?運命の分かれ道

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中村区[7] 寿町・日吉町

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ユニーのある寿町から日吉町にかけては、かつて遊郭だった建物がたくさんあります。ユニーの駐車場のすぐ奥には、1994(H5)年に名古屋市都市景観重要建築物等第4回指定物件となった、「長寿庵」「旧松岡旅館」「料亭稲本」があります。

美人画に思わず惹きこまれそう-長寿庵

まず「長寿庵」ですが、かつて2軒つづきだった建物のうち、その南側のみが修復されて現存しています。1階の窓には連子格子が見られ、2階には高欄があり楼閣建築の特徴が見られます。また、1階入口には当時を偲ばせる美人画が掲げられており、かつての遊郭街を思い起こさせます。入口には「笹島(54)××××」という、ここの市内局番がまだ2ケタだったころの表札が貼ってあったりと、昔と変わることなく今もそこに歴史が残っています。

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▲長寿庵です。当時はこういう店がもっとずらっとあったのでしょう。

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▲美人画です。当時のままなのでしょうね…。

数十年の時を越え再び-旧松岡旅館

続いて少し北へ行った所にある「旧松岡旅館」ですが、今はデイサービスセンター「松岡大正庵」として使われています。このあたりは高齢化が進んでいて、リハビリ病院や看護専門学校などの医療機関をはじめ、デイサービスセンターもたくさんあります。どれも今時の綺麗な新築ビルであることが多いのですが、ここは遊郭をそのままデイサービスセンターにしてしまったのです。

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▲松岡大正庵です。「昔も通ったなぁ~」なんて言葉が…。

見ると、楽しそうに年輩の方々が歓談をしていました。ひょっとすると、若い頃よくここに通ったお兄さんが、数十年の時を越え、またここへやってきているなんてこともあったりして。人気があり、いつも満員だそうです。1912(T元)年に建築された外観には、大きな入母屋の屋根や、2階の高欄、べんがら塗りの透塀などを見ることができます。遊郭をデイサービスセンターにしたということが珍しく、新聞・テレビなどのメディアでも数多く取り上げられましたので、ご存知の方も多いかもしれませんね。

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▲大門のメインストリートにあるアーチです。大門は吉原と並び大きな規模。

江戸の異国情緒を味わう-料亭稲本・光明寺・西福寺

そして松岡大正庵の向かいにあるのが「料亭稲本」です。こちらは江戸末期の爛熟した文化を背景にした、異国情緒豊かな作りとなっています。門は反りの強い中国風となっています。こちらの料亭は現在でも営業しており、大正時代の建物にて、庭園を見ながら食事をすることができます。お座敷だけでなくテーブル席もあるとのこと。お座敷とテーブルではメニューが違い、お座敷でのコースは6000円と8000円があるそうです。たまには大正時代にタイムスリップして食事をするのもいいかもしれません。ただ、そのあと遊郭でお遊び…とは行きませんが。

※料亭としては閉店しました

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▲料亭「稲本」です。メニューは、稲本ホームページでご覧になれます。

そこから少し北へと歩きますと、バリアフリーのお寺・光明寺と、西福寺が隣り合っています。遊郭街はここまでです。しかし、大門交差点からこのあたりまでが全て遊郭街だったわけですから、ひょっとしたら東京の吉原よりも規模が大きかったかもしれません。かつての遊郭跡は、取り壊されて現在は別の建物になっているものの、ソープランドになり、今でも過去と同じ業種を営んでいるところと、建物は残っているものの、用途が変わっているという二通りの道を歩んでいます。

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▲「光明寺」です。確かにバリアフリーで優しいお寺した。

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▲「西福寺」です。光明寺のすぐ隣りにあります。

名古屋は性風俗産業が盛んと言います。それは今に始まったことではなく、中村区の大門に原点があるのではないでしょうか。かつての遊郭の建物を和風ソープランドにして営業したら、流行るんじゃないかな~。と思うのですが、今の法律ではそれは難しいのかもしれませんね。実際、営業している「旅館」はありますけどね…。

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▲このあたりにはお風呂さんがたくさんあります。建物もいい感じ。

では、遊郭を後にして日吉町から地下鉄東山線中村日赤の駅方向へと歩きましょう。清正幼稚園といった、さらに歴史を遡る名前を見かけるようになります。そして、そこから豊臣秀吉、加藤清正の生誕の地と言われる中村公園へと向かいます。

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▲名古屋第一赤十字病院です。新しい病棟もありますが、これは昭和12年のままかな…。

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コメント

  1. ara40oyaji より:

     「性風俗」に関してはまだ「名古屋」は明確な表記、区分がされていて「健全」な方です。
     十数年前の頃、私は関越自動車道を「新潟・上越市」に向かって車を運転していましたが 群馬県に入ったところで日が暮れてしまい一泊の後 翌朝再出発する事にして「渋川・伊香保」で高速道を降りました。温泉もいいかと思って。
     深夜でしたので通常の「温泉旅館」は夕食のサービス・タイムを過ぎていたため「食事処」の暖簾をくぐり、遅い夕食に有り付きました。食事中、女将さんが「いい子を付けてあげるけど?」と売春の斡旋を言い出したのです。表の暖簾には、その様な事など一切書かれていなかったのです。「ヤバイ所に入ってしまった。」私は食事代を払って店を出て、宿探しをしましたが有名旅館は何処も「満室」。こじんまりとした和風旅館が空いていたので帳場に行くと、出て来た女将さんが「どんなタイプの子がいいの?」と此処でも「斡旋」の質問が。「幾ら宿代をボッタ繰られるのか、後が怖い。」と思い、断わりを言って宿を出ました。男一人で入ると、どこもその様な事を言って来る場所と悟り、温泉に入れなかった事を残念に思いつつ、「前橋」まで戻ってビジネス・ホテルに泊まりました。
     この様に地方の中小都市では 地元の人以外では区別出来ない処が多く有ります。其の点では「名古屋」は明確に「表記・区分」されていて安心、健全です。
     

  2. トッピー@管理人 より:

    >ara40oyajiさま こんばんは
    名古屋の場合は、近くにあの岐阜・金津園があるのも、
    何か棲み分けになっているような感じがしますね。

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