01.中村区 名古屋を歩こう

中村公園-秀吉・清正も占った?お寺にハートマークのむすびの輪

記事公開日:2004年2月16日 更新日:

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 名古屋第一赤十字病院を左手に見ながら鳥居通を進みます。鳥居通という名前が付いているとおり、この先太閤通とぶつかる交差点には大きな鳥居があります。この鳥居は豊国神社の鳥居として1929(S4)年に建てられたもので、1993(H5)年8月に修復されて現在の姿となっています。

ビルより大きい?大鳥居-豊国神社大鳥居

 この大鳥居は、中村公園へと続く車が通ることができる参道を跨ぐ格好になっていてかなりの大きさを誇り、高さはなんと24メートル余り。観光ガイドブックにも載る名古屋の観光名所のひとつとなっています。

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▲豊国通の南から北を望みます。交差点を直進するには、車ごと鳥居をくぐらなければなりません。

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▲近づくとその大きさにビックリ。後ろのベスト電器ビルと比べると...。

参道にもデフレと外部資本が-豊国神社参道

 その参道をまっすぐ北へ進みます。書道用品・水墨画用品兼書道教室のお店や、和菓子を売るお店などいかにも門前町という雰囲気なのですが、そのなかに「キンブル直営・久」という和菓子屋さんを発見しました。キンブルとは、愛知県内に4店舗あるリサイクルショップで、何でも買い取るために独特な品揃えと破格の安さで有名なお店です。そのキンブルはここ最近、リサイクルショップ内のスナックテナントのノウハウを活かして、「和菓子・久」を、ここ中村公園店をはじめ9店舗展開しています。

 驚くべきは、その安さです。みたらし団子40円、たいやき50円、おはぎ50円...。しかもタイムサービスでは半額になります。消費者にとっては嬉しいのですが、こういった店が進出してくると、元々ここで商売を営んでいる個人商店は大変だろうなぁ。と考えながら、ふと前を見るとセブンイレブンがあるではありませんか。

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▲参道です。名古屋の古い街並みにも、セブンイレブンが...。

 セブンイレブンが名古屋に進出し始めたのは2002(H14)年の12月です。と言うことは、このセブンイレブンはここ最近オープンしているはず、ひょっとして違う種類のお店を営んでいた方が業態を変えたのかと思えてしまいます。こんな門前町にまでデフレ、そして東京資本の進出の影響があるのだと実感しました...。ちなみにこの参道では、毎月9のつく日は「九の市」が開かれ多くの露店が出て賑わいます。

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▲10分ほど歩いて、突き当たるのが豊国神社のある中村公園です。

幼少の秀吉・日吉丸とその仲間たち-豊国神社(中村公園)

 大鳥居から10分ほど歩くと、中村公園が見えてきます。まず正面にある、今度は普通サイズの鳥居から豊国神社へと入りましょう。豊国神社は、豊臣秀吉を祭神として1885(M18)年に創建されたもので、出世、開運、茶道、建設などにご利益があるとされています。中村公園は、この神社を中心として広がっています。

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▲豊国神社です。秀吉の絵が掲げられています。

 神社のすぐ右側には「豊臣秀吉生誕の地」の記念碑があります。1536(天文5)年、秀吉は木下弥右衛門の子としてこの地に生まれ、幼名を日吉丸(あるいは小竹)としました。すぐ右には「日吉丸と仲間たちの像」も設置されています。日吉丸を中心に5人の子どもがワンパクに遊んでいる様子です。この時は、その5人を黒い猫が見守っていました。秀吉が幼い頃も、このあたりで猫を撫でていたのでしょうか。

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▲「豊臣秀吉生誕の地」の記念碑。他にも説はあると、予防線張ってます。

 ちなみに秀吉生誕の場所はここともう一箇所、中村区中村中町という説があります。そちらも後で行ってみることにします。生誕の地はどちらであるにしても、このあたりで幼い頃の秀吉が仲間と遊んでいたのは間違いないわけです。

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▲「日吉丸と仲間たちの像」もちろん中央が日吉丸。

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▲黒ネコが彼らを見つめていました。昔と変わらぬ風景かも...。

清正は秀吉のおとなりさん?-妙行寺

 もうひとり、幼名を虎之助と言い1562(永禄5)年にこの地で生まれた武将が加藤清正です。11才から秀吉に仕え、朝鮮に出兵し虎狩りをしたことでも有名です。後に肥後の国の領主となっています。その清正が生まれたのが豊国神社の東側、妙行寺です。このお寺は、清正が名古屋城築城の際に余った材木を使って立てたお寺で、清正像が置かれています。

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▲妙行寺にある清正公の像です。今にも動き出しそうな感じです。

 清正像は熊本本妙寺から死後に贈られたもので、今も故郷・中村を見守っています。今にも動き出して指揮を執りそうな勢いです。この中村公園の前の通りは「清正公通」と呼ばれ、かつては大変賑わっていたそうです。

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▲妙行寺さん。清正自らが、生誕地に建てたお寺です。

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▲「清正公通」歩道には清正にちなんだマークが埋められています。

願いか叶うかハートでふたつの輪っかがお答え-常泉寺(中村公園)

 そして、その妙行寺のすぐ北側にあるのが、秀吉の植えた柊のある常泉寺です。ここは清正が秀吉をまつるために創建したお寺で、境内にはその「秀吉手植えの柊」のほか、「秀吉産湯の井戸」があります。また秀吉の像もあり、たくさんの人がお参りしていました。そして、この常泉寺で見逃してはいけないのが「むすびの輪」です。

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▲常泉寺です。境内には秀吉手植えの柊の木があります。

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▲こちらは、秀吉の産湯を汲んだと言われる井戸です。

 むすびの輪とは、一番上にハートの印がついた石の柱の上下にそれぞれひとつずつ、回転する石の輪がつけられたもので、ふたつの石の輪には全く同じ色の線がいくつか入っています。実はこれ、本堂でお祈りしたことについて、その思いが叶うかどうかを御仏がすぐに答えてくれるという画期的なシステムなのです。まずは本堂にてお祈りをします。そうしたら、このむすびの輪のまずは下の輪を思いっきり回します。次に上の輪を同様に回し、下の輪と同じ位置で止まれば、「その思いは叶う」と御仏のお墨付きがもらえると言うわけです。2つまでのズレはあとひといき、3つ以上のズレは努力が肝要とのことです。

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▲「豊太閤の像」です。生まれ故郷を見つめています。

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▲こちらが「むすびの輪」お寺にハートマークってちょっと違和感。

 では、さっそく試してみましょう。本堂へ行きお祈りをします。するとそこに「太閤出世ぞうり」というものを発見。これは欲しい、と思ったのですがなんと売り切れ。これはいやな予感が...。そしてお祈りをしてむすびの輪へ。まずは下の輪を回します。すると黄色い線が一番上の位置でとまりました。そして、上の輪を回します。緊張の一瞬...。なんと、ピタっと全く同じ位置、黄色の線が一番上の位置で止まりました。これは本当に嬉しかった。実は、最近難病にかかった家族が私にはいるものですから、救われた気がしました。お墨付きありがとうございます。きっと治ると信じています。

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▲中村公園、休日にはたくさんの人が参拝に、犬の散歩にと訪れます。

 みなさんも揃うといいですね。でも、もし揃わなくても努力すれば報われるのですから心配は無用です。秀吉と清正の戦国パワーをわけてもらいましょう。天下統一も夢じゃない?

中村公園MAP

中村公園


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