★忍者を本気で学術研究
★心・技・体のすべての能力を兼ね備えた存在
★見学時には忍ばなくてもいいようです
この夏、東京の日本科学未来館で開催された企画展「The NINJA~忍者ってナンジャ!?~」が忍者のお膝元、三重県の三重県総合博物館MieMu(みえむ)で開催されていたので行ってきました。
アニメや映画などで存在が知られ、今や世界中からの観光資源ともなっている忍者。しかしその実態は謎ばかり。今回の企画展は三重大学の学術研究などで明らかになってきたものを、実体験できるようにしたものです。
忍者を追体験することで、現代社会を生き抜くヒントも探ろう!ということなのですが、見つかるでしょうか。
※2017(H29)年1月9日までの開催でした
神秘的なものではなく科学的なもの
まずは忍者がいろんな作品でどのように描かれているのかを振り返って、ああ、忍者ってそうだったようね!という記憶を辿ったところで、忍者の「やってみよう」です。
相手を指一本で立てなくする方法、重いものを簡単に持ち上げられる井桁動作など、一見すると何か神秘的な力を使っているようで、実は分析されている忍者の動き。展示を見ると単純なようで、真似をしようと思うと単純ではないという不思議。
実践!忍者修行
「忍者ハットリくん」で読んだ記憶があったのが、跳躍力を高めるために行なう修行が、ひまわりの種を植えて、毎日その高さを跳んでいくといつの間にか…なものがハイテクにできるようになっていたり、音を立てるとパトランプが回転してしまう忍び足体験。そして手裏剣修行です。
最初は会場の演出に怖がっていた2歳の娘も、跳躍力修行に夢中になるうちに楽しくなってきたようですが、さすがに全然跳べてはいませんでした。
五感を鍛えのろしを上げる
続いては五感を鍛えます。視る、聴く、嗅ぐ、触る、味わうです。これが結構それぞれにリアルでして、嗅覚は本当に意外とアレがいい香りだったり、そんな匂いをかいで大丈夫かな…なんてものがあったり。感覚を研ぎ澄ますのも忍者の修行ですね。
そして任務の遂行です。あることをすればのろしが上げられるというヒントを探しながら順路を進み、実際にのろしがあげられるかどうか。竹筒で盗聴して情報を聞き取らなければなりません。これが結構な難関です。
ハイテクバーチャル滝修行
ナンジャ大滝は、スクリーンのなかを文字が流れる滝なのですが、そのスクリーンの前に立つと自分の影が登場します。そこでポーズを決めると技が出せます。効果音もあって2歳の娘も夢中でした。自分の影から技が出るのは爽快です。
修行をすべて行なうことで、忍者認定証がもらえます。娘も「忍者のカード!忍者のカード!」と大喜び。跳躍力も手裏剣ものろしもどれもクリアはできていませんが、それなりに達成感はあったようで、それ以降ずっと忍者に親しみを持ち続けています。
現代社会を生き抜くヒントはあったか
ロビーには「変装せよ」と題した大きなパネルが。顔を出すことで変装ということになるわけですが、忍者はどんな姿で世の中にまぎれているかわからないというわけです。
ネット社会もそうかもしれませんね。インターネットはリアルと対比した存在として語られることが多いですが、実はネット上にあるすべてのものはリアルな人間が作り出したもの。リアルでは温厚で優しそうなあの人も、実はネット上では別人格だったりなんて。
インターネット社会は、1億総忍者社会といえるかもしれません。
ちなみにこの「The NINJA~忍者ってナンジャ!?~」は、一部の撮影禁止ゾーンを除いてほとんどの場所で写真撮影が可能どころか、SNSでの拡散を推奨しています。忍びの展示なのに忍ばなくていいのです。
いや、試されているの。これは試されている
コメント