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いつまでも動物たちに愛情と感謝を

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 清水稲荷神社では鶏が歩き回っていました。その稲荷神社の北側には、たくさんの猫が自由に歩き回っているお寺があります。長楽寺です。この辺りは細い路地が多く、それまで自動車がすれ違えるほど幅があった道路がいきなり細くなって車両通行止めになったり、歩くのにも狭い通路があったりします。そんな界隈にあるので思わず見逃しそうになってしまいますが、「長楽寺」という石碑と、山に太陽が昇る看板を探してみてください。実は、長楽寺に猫がうろうろしているのには意味があると言います。いったいどんなお寺なのでしょう。

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▲道路が急に細くなり車両通行止めに。
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▲今度は歩行者がすれ違うのも困難な道路が登場。
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▲迷っていると…ありました。長楽寺の石碑です。

 長楽寺は尾張三十三観音第四番のお寺で、811(弘仁12)年に弘法大師が夢のお告げにより創建したものです。そのときは寛蔵寺と名付けられました。しかし寛蔵寺は文明の頃(1470年頃)に荒廃してしまいます。その後義山禅師が再興し、長楽寺と改称されました。1940(S15)年までは呼続公園一体が長楽寺だったのですが、現在の公園部分は名古屋市に寄贈されています。神仏習合となっていて実は清水稲荷神社もこの長楽寺の一部です。ところで猫です。境内では無防備にグデーと猫が寝っ転がっています。そこには「エサを与えないで下さい」という看板があります。お寺に猫が居着いてはやっぱり困るのかな?と思ったら違います。その下には「健康と長寿のために」と書いてあります。お寺は猫の健康を心配してエサを与えるなと言っているのです。

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▲参詣者用駐車場のこの看板も目印。駐車場の前が山門です。
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▲こちらが山門。山門は小さいですが、奥に広いです。
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▲猫たちがのんびりゴロゴロ。

 お寺にある卒塔婆を見ますと、「ラッキー」「ラブ」「コロ」「メリー」といった名前が並んでいます。そう、この長楽寺は動物供養で有名なのです。境内には動物専用の火葬場、動物霊園、動物守護観音があります。また、栄の中日ビルの前に銅像がある、片足を失ってまでも主人を暴走車からかばったことで知られる盲導犬サーブのお墓もあります。サーブのお墓にはたくさんの盲導犬が一緒に供養されていて、盲導犬慰霊碑ともなっています。盲導犬の供養と、福祉の大切さを思い起こして欲しいとの願いが込められています。一生を人間のためだけに尽くす犬。尊敬に値します。

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▲動物たちを供養する卒塔婆。
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▲盲導犬サーブ号のお墓と盲導犬慰霊碑。

 動物と一緒に暮らすと、動物から癒しや安らぎを与えてくれるだけでなく、動物から本当にたくさんのことを学ぶことができます。別れはつらいですが必ずやってきます。動物も家族の一員と言うならば、亡き後もしっかり供養したいものです。お寺の霊園に入れるとかそういう形式的なことだけではなく、感謝と愛情をいつまでも忘れず心にとどめておくことが、動物達への供養と言えるでしょう。

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▲こちらが本堂。山門の正面にあります。

 長楽寺からクネクネと東方向へ歩いていくと、名鉄名古屋本線の桜駅に出ます。その桜駅の南西に桜神明社があります。桜神明社は古墳の上に建っています。「ひめ塚」とも呼ばれる桜神明社古墳は直径36メートル、高さ4.5メートルの円墳で、須恵器が出土していて5世紀末頃のものと考えられています。北側から西側にかけて幅3メートルの濠の一部が原形のまま残っています。神明社自体の創建は不明です。

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▲円墳「ひめ塚」の上に建つ桜神明社。

 その桜神明社の南側の道を東へ、名鉄の踏切を越えたところに東宝寺があります。東宝寺は桜中村城の家老屋敷跡と伝えられています。境内には「尾張徇行記」の著者である樋口好古撰の石碑「桜村固本碑」があります。石碑にはこんな物語が記されています。土地が荒廃した桜村の村民は生活に苦しんでいました。村の役人がその状況を訴えると、十年間年貢が軽減され村人は喜び豊かになったそうです。「桜村」という名を聞くと、立派な桜の木や、美しい桜並木でもあるのかと思われるかもしれませんが全然違います。谷や挟間を指す言葉に「さく」と「くら」というものがあり、ふたつを合体させたのが「さくら」。この「桜」という地名は谷間という意味なのです。はるか昔には「廻間(はざま)」「作良(さくら)」と呼ばれた時代もあったそうです。

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▲桜村固本碑のある東宝寺。

 桜駅は高架化されておらず、桜神明社と東宝寺の間にある踏切を、大きな音を立てて名鉄電車が通過していきます。桜駅の北側には片側2車線の主要道、東海通(とうかいどおり)が横切っているのですが、踏切があります。この日は交通量調査が行われていました。将来的には高架化されるかもしれません。そうなるとガラっと街の風景は変わることでしょう。

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▲桜神明社のすぐ横を赤い電車が通っていきます。
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▲踏み切りからは桜駅と、次の本笠寺駅が見えます。
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▲片側2車線の大通りに踏切。

 名鉄桜駅から、北に300メートルほど歩くと地下鉄桜通線の桜本町駅がありますので、そちらへと向かいます。ちなみにこの桜通線は、谷間を走っているから桜通線なのではなく、今池から名古屋駅にかけて桜通(さくらどおり)の地下を走っていることから公募で名付けられました。その桜通は、実際に桜並木が綺麗だったことから名付けられています。こちらは本物の桜が由来なのです。

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▲桜駅です。車で横切ったら思わず見逃してしまいそうな佇まい。
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▲ホームが道路のすぐ横にある風景は、名古屋では珍しい。

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