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まさしく夢の跡-奈良ドリームランド跡地

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 生駒山頂にある生駒山上遊園地「スカイランドいこま」が奈良県唯一の遊園地となってしまったという話を前回しましたが、唯一の存在になってしまったのはわずか半年前のことです。2006(H18)年8月31日までは、奈良県にもうひとつ遊園地があったのです。それは「奈良ドリームランド」。1961(S36)年に開業した我が国におけるテーマパークの草分けともいえる存在で、その3年後の1964(S39)年には横浜にもドリームランドを開園しています。横浜は2002(H14)年に閉園しており、夢の国はふたつとも夢の跡となってしまいました。

 横浜の方は既に解体されて跡すら残っていないとのことですが、奈良の夢の跡はまだ跡のまま現在も残されているというので、奈良市法蓮佐保山にある奈良ドリームランドの跡地へと行ってみました。

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 わずか半年前まで営業していたとは思えないほど荒廃しており、生気を全く感じません。廃墟というものは廃墟になってどれほどの時間が経過したかは重要な要素ではなく、廃墟になることが決まった瞬間から廃墟となることがよくわかりました。

 入場ゲートからは鉄道の駅らしきものが見え、イメージキャラクターである兵隊が今も「ようこそドリームランドへ」と出迎えてくれているように見えますが、それはお出迎えではありません。

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 ドリームランドは日本ドリーム観光によって作られた遊園地で、和製ディズニーランドといわれるほどに、ロサンゼルスのディズニーランドを髣髴とさせるものだったそうです。日本ドリーム観光は1993(H5)年、ダイエーの傘下に入り、株式会社ドリームパークとなります。

 ダイエーは経営難に陥ると、株式会社ドリームパークを売却。歴史ある遊園地は歴史とは裏腹に古さが目立つようになり客足は遠のく一方。木製コースター「ASKA」といったアトラクションを導入するも、株式会社ドリームパークはその後、2006(H18)年8月末を持って奈良ドリームランドを閉園させました。

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 私は友人からこのドリームランドの存在の話を聞くまで、こういった歴史の生き証人とも言える老舗の遊園地、いや、我が国初のテーマパークがあったことを実は知りませんでした。奈良ドリームランド内には未来の乗り物としてモノレールが走っていたり、さらに横浜ドリームランドにはアクセス路線としてモノレールがあり、それをリニアモーターカーに改造して走らせる計画があったとか...。なぜ夢の国としてまだあった頃に存在を知ることができなかったのか、悔やまれます。

 グーグルマップで、まだ開園していた当時の様子を見ることができますが、この写真も順次更新されていくので、そのうち寂しい状態に姿を変えることでしょう。

 廃墟としてのみ残っているドリームランドのすぐ横には、新築された奈良テレビ放送の本社があります。朽ち果てていく夢の国の入口にある、最新設備を備えたフルデジタルなテレビ局。その風景は嫌というほどにコントラストを感じさせました。

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 現在も奈良ドリームランドの前にあるローソンは営業しています。ローソンというところにも、かつてここがダイエー系列であったことが伺えます。ドリームランドはダイエーから切り離され閉園し、ローソンはダイエーコンビニエンスシステムズではなくなりましたが、今もこのローソンは「奈良ドリームランド前店」です。

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 開園期間45年。それだけ長い間営業していたわけですから、このドリームランドで楽しい時間を過ごした子どもたちの数は数え切れないほどでしょう。いつまでこの残骸が残されるかはわかりませんが、その子たちのドリームランドでの楽しい思い出が、思い出としてだけの存在となってしまう日は、それほど遠いことではないと思われます。

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※以下追記 08.10.22

 ただ、現在の管理会社にお話を伺いましたところ、跡地の転用に関してはまだ決まっていないとのこと。しばらくは現在の状態が続くことになりますが、不法侵入に関してはカメラを配備し、24時間体制で管理しており、実際に通報し逮捕へとつながった事案もあるそうです。

 あくまでも公道から、遠目に懐かしんでくださいとのこと。

 夢の世界は夢のまま、その一歩先は時空の違う世界なのです。時の止まった世界へと足を踏み入れれば、あなたの人生の時の流れも、止まってしまうことになるでしょう。

※当サイトの写真は全て公道上からのものです。敷地内から撮影したものはございません。

↓そんな奈良ドリームランドの廃墟写真を見たい方にオススメの一冊。
ワンダーJAPAN 8 (2008 SUMMER)―日本の〈異空間〉探検マガジン (8) (三才ムック VOL. 201)
ワンダーJAPAN 8 (2008 SUMMER)―日本の〈異空間〉探検マガジン (8) (三才ムック VOL. 201)

 なお、跡形も無くなってしまった横浜ドリームランド跡地レポ「夢を見続け40年・最後は朽ち果て...横浜ドリームランド」はこちらからどうぞ。

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取材協力

KAZ Communications


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