03.西区 名古屋を歩こう

美濃路はまっすぐストレート?

記事公開日:2004年4月10日

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枇杷島の名に悲しい伝説-清音寺

 中島黒體龍王大神社から道なりに右斜め方向に進むと美濃路です。美濃路は1602年に開かれた東海道と中山道の連絡路で、熱田の宮から美濃の垂井を結んでいました。参謹交代や朝鮮特使もこの道を通ったと言われています。1622(元和8)年に枇杷島橋が架けられると、日本三大市場として知られた枇杷島の青果市場と城下の往来で、より一層の賑わいを見せました。街道沿いには昔をしのばせる格子戸や、屋根神さまのほか、今でも食品関係を扱う企業があります。では、名古屋城近くまで美濃路を歩いてみましょう。

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▲美濃路の様子です。昔はもっと人通りがあったのでしょう。 画像 ▲それは、市場があったつい最近まで...。

 名鉄名古屋本線の高架をくぐると、左手にあるのが悲しい伝説が残る清音寺です。1179(治承3)年、当時の太政大臣藤原師長は、平清盛に尾張国井戸田(現在の瑞穂区妙音通駅付近)へと流されました。師長は井戸田村の村長横江氏の娘を寵愛したのですが、後に清盛に許されて都に帰るとき、形見に薬師如来と白菊の琵琶を娘に残しました。しかし娘は別れを悲しんで、庄内川に身を投じてしまったのです。娘を弔うためにこの清音寺が建てられ、この地は琵琶島と呼ばれるようになりました。その後、琵琶島が転じて枇杷島となっていますが、琵琶里橋、琵琶里郵便局といった名前が今も残っています。娘が身を投じる際に小袖を掛けた松は、セントラルパークのタワー広場に残されています。

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▲清音寺です。枇杷島の枇杷は琵琶からきていたのですね。 画像 ▲しかし、いつ琵琶から枇杷になったんだろう。

鷹もお参りした?神社-西願寺・鷹八幡社

 清音寺と道を挟んで反対側には浄土真宗本願寺派の西源寺があります。さらに進むと右手に八幡神社へと続く参道があります。ここは「鷹八幡」と呼ばれ、鷹匠たちが鷹の平癒を祈りました。名古屋城近くにはかつて鷹匠町という地名があり、鷹匠公園に今もその名を残しています。鷹匠たちは城下からこの美濃路を通って鷹八幡にお参りに来ていたのでしょう。

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▲浄土真宗本願寺派の西源寺です。 画像 ▲こちらは鷹八幡。鷹匠は鷹と一緒にお参りにきていたのかな。 画像 ▲こちらが八幡神社の境内にあった大きな木。

神田・天満と並ぶ日本三大青果市場だった-枇杷島スポーツセンター

 美濃路に戻ります。中京銀行のある交差点を過ぎると、道沿いではないのですが右側に大きな公園と施設が見えてきます。枇杷島スポーツセンターです。ここは市の施設でバレーボールやハンドボールなどができる、観覧席を備えた体育館があります。そしてグラウンドも併設されていて、この日も子どもたちのサッカー教室が開かれていました。敷地内には公営住宅もあるのですが、なんとその住宅の壁面には金鯱が描かれています。市は役所だけでなく、こんなところにまで金鯱をあしらっています。さすがにここまでくると少し引いてしまいます...。

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▲枇杷島スポーツセンターは左、右が公営住宅です。見ると...。 画像 ▲やっぱり金鯱が大好きなんです...。

 この枇杷島スポーツセンターがある場所には、かつて枇杷島市場がありました。枇杷島市場はもともと西枇杷島町内にありました。開設された時期については記録がありませんが、名古屋城が築城された頃、家康が青果市場を開いたと言われています。かつては江戸の神田、大阪の天満とならぶ日本三大青果市場と言われていましたが、諸事情から1955(S30)年、西区のこの地に移転しました。しかし市場は1983(S58)年、豊山町に北部市場として移設されてしまい、枇杷島市場は約300年の歴史の幕を閉じたのでした。この中京銀行も、当初は名古屋市民信用組合の東枇杷島支所として開設され、市場の金融機関としての役目を果たしていました。今も美濃路にはお菓子や食品メーカーがその名残を留めています。

大提灯に山笠提灯・壮大な提灯祭り-八坂神社

 国道22号の八坂交差点を越えると、すぐ左手に八坂神社があります。八坂神社は1185(文治元)年に平家の武将がこの少し北側の村はずれに住み着き、祠を建てて祀ったのが起源とされています。その後1610(慶長15)年頃から、美濃路の両側に店が集まり町屋を形成すると住人が一緒に祀るようになり、1702(元禄15)年に現在地に遷されました。そしてこの頃から、提灯祭りが盛大に行われるようになりました。

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▲八坂神社です。お祭りのときの賑わいは凄いそうです。 画像 ▲そして勇壮。美濃路の風物詩です。

 提灯祭りは5月の第3土・日曜に行われ、周囲10メートルの大提灯や、800個を超える提灯を竿につけた山竿提灯が、灯される姿は雄大です。また、2日目の日曜には災いを船に乗せて流す「お船流し」も行われます。

メル子ちゃんが現役-美濃路

 その八坂神社の北側には広大な空き地が広がっています。かつては東芝の工場があった場所なのですが、現在は東芝中部支社のある東芝名古屋ビルを残すのみで、その他の敷地は都市基盤整備公団の事業用地となっています。いずれはここにマンション群ができることでしょう。まさか、それぞれに金鯱をあしらう、なんてことはありませんよね。

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▲東芝はビルを残して工場跡地を更地にしました。 画像 ▲そして公団が住宅を建てます。金鯱タウンとかになるのかな...。

 では、美濃路で他に気になったものを紹介していきます。東芝ではなく、三菱のお店です。この日はシャッターが降りていたので幸運にも見られたのですが、そこには見たことの無いキャラクターが描かれていました。「メル子ちゃん」です。三菱電機は三菱エレクトリックコーポレーションの頭文字をとって「メルコ」と略すことがあります。かつてはホームページも「www.melco.co.jp」でした。それは知っていたのですが、メル子ちゃんというキャラクターがいたのには驚きです。調べてみたところ、昭和30~40年代に三菱のお店のイメージキャラクターとして活躍したそうです。ポイントは髪飾りで、なんと三菱のマークになっています。しかし、ということはこのシャッター当時のままなんですね...貴重。

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▲メル子ちゃんです。髪飾りは三菱。

株式会社シマウマって?-シマウマ・カクダイ製菓

 少し歩くと「株式会社シマウマ」という会社を見つけました。何の会社だろう、と思っていると「ワカメ」と書かれた配送のトラックがやってきました。そうです。「♪シマウマ、シマウマ、シマウマ、ワ・カ・メ」というラジオCMでおなじみのシマウマです。シマウマワカメとか、シマウマ印といった会社名ならピンと来たと思いますが、「株式会社シマウマ」では一見何の会社かわかりませんよね。そして、明道町に代理店があったカクダイ製菓の本社がありました。そして、名古屋駅前から移転してきた名古屋中央郵便局の南にあるのが白山神社です。

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▲シマウマ。これでは一体何の会社か...。 画像 ▲こちらがカクダイ製菓。クッピーラムネ。 画像 ▲移ってきた名古屋中央郵便局です。ここもかつては工場だったのかな...。

戦国時代の茶店は今-白山神社

 白山神社は、この地に飛来して落ちて死んだ雉を、哀れんだ村人たちが地中に埋めたところそこから榎が芽をふき、この神社の神木としてあがめられるようになったのが始まりと言われています。桶狭間の合戦の際には、織田信長は戦勝を祈願し、この神社に太刀一口を寄贈したと言われています。

 神社の前は「立て場」でした。立て場とは旅人が杖を立てて休息する場所で、宿と宿の中間にあって、旅人のために茶店などが設けられていたそうです。今も「白山」という喫茶店があります。ひょっとしてそのころから営業していたのでは?と思わせる外観となっています...。いや、さすがにそんなことはないでしょうけど。

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▲白山神社。桶狭間の戦いでの勝利を、信長は祈りました。 画像 ▲喫茶・白山。戦国時代の名残かな。

ネーミングがストレートなのは商品だけじゃない-春日井製菓

 さて、押切北の交差点を越えると、商品もテレビCMも全国展開しているのでご存知の方も多いと思われる、名古屋のお菓子メーカー「春日井製菓」があります。ワハハ本舗の梅垣さんが鼻に入れて飛ばすことで有名な「グリーン豆」や、「黒飴なめなめ、黒飴なめてみろ、元に戻らないんですけど、知らん。」というCMでお馴染みの「黒飴」、「花のくちづけ」といった商品を製造しています。

 愛知県には春日井市という街があるため、春日井製菓を春日井の会社だと思っている人も多いようですが、創業地はここ西区で、由来は創業者である春日井さんの名前から来ています。しかしその縁からか、1972(S47)年に春日井工場を建設しているために勘違いされやすいようです。

 ところで、春日井製菓は最近お菓子のインターネット通販を始めました。その名も「ひろみちゃんのお菓子屋さん」ひろみちゃんって一体誰?と思ったら、担当者が弘美さんなのだそうです。そのままですね。春日井製菓の商品名を見ていると、「黒飴」「のどあめ」「子供のどあめ」「レモングミ」「ラムネいろいろ」「こんぺいとう」「まぜまぜ一番」と実にストレートなネーミングの多いこと。

 これからも春日井製菓はまっすぐお菓子の道を、未来へと歩んでいくことでしょう。

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▲春日井製菓はいつも直球ストレート。

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