おでかけレポ~東海~ 三重

鳥羽へ懐かしさを求めて...やってきたわけじゃないけど船のりばで感じた昭和

記事公開日:2006年7月8日 更新日:

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 先日、三重県鳥羽市へ行ってきました。このブログでは、ゴールデンウィークに鳥羽市を考察したことがありましたが、離島に行かなければ鳥羽市を語ることはできないだろうというわけで、今回は鳥羽の離島へと行ってきました。

 鳥羽の離島へは、鳥羽駅のすぐ近くにある佐田浜から鳥羽市営定期船が運航されています。今回は佐田浜の鳥羽一番街とパールビルでお土産屋さんを覗いて、そして船のりばである鳥羽港湾センターまでをご紹介します。港湾センターには意図されていないと思われる郷愁が漂っていました。初めて来たのにもかかわらず懐かしさを感じるそのわけは。

佐田浜に車を停めて

 佐田浜にある第一駐車場に車を駐車します。離島加盟旅館指定駐車場となっていますので、離島の加盟している宿に予約を入れている場合は駐車場を無料で利用することができます。普通に利用すると、2時間まで1時間300円、それ以降5時間まで1時間250円と結構しますのでご注意です。

 駐車場の前には鳥羽一番街とパールビルというお土産屋さんと飲食店の集合ビルがあります。看板に「伊勢志摩土産なんでもそろう」とあるとおり、フロアにはいくつものお土産屋さんが軒を連ねています。ただ、結構扱ってる商品は被っていますので、効率よく一通りお土産を見るためには、一度見たものを記憶して、次ぎ見たときにはそれを飛ばすという記憶力が必要です。

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浦島太郎ってこのへんなの?

 鳥羽一番街は不思議なことに、1階よりも2階の方が活気がありました。大抵こういうビルというのは、2階以上に人を誘導するのが課題だったりするのですが、ここでは逆の現象が起きています。お土産は食べ物が多く、赤福といった和菓子や、干物や海藻など海産物、そして意味不明のCMでおなじみの松阪牛チップスなどをよく見かけましたが、我々はご当地グッズに注目してみました。

 今ご当地グッズナンバー1といえばやっぱりキティちゃん。「十二単キティ」「伊勢神宮の巫女キティ」「海女さんキティ」などがあります。そのなかに「浦島太郎キティ」というのがあり、店員さんに「浦島太郎ってこの辺のお話なんですか?」と聞くと...。

「いや、竜宮城みたいな観光船があるだけで、関係ない関係ない。」

 と笑って答えられてしまいました。便乗ですね。そしてキティちゃん以外にオリジナルのキャラクターを発見。あまり多くの店では売られていなかったのですが、真珠のキャラクターグッズです。名前はわかりませんでしたが勝手に「パールちゃん」と私たちは呼ぶことにしました。結構いいセンスしてます。貝の大きさの割りにパールがでかすぎですけど。

マンゴーと塩のジェラート

 船の時間まで少し間がありましたので、鳥羽一番街の1階でマンゴーと塩のジェラートを食べてみました。塩ジェラートは口に入れた瞬間は予想以上に甘いのですが、後味が岩塩!という感じでした。夫婦岩のある二見の海水から製塩した「岩戸の塩」を使っているのだそうです。さすが観光地、ジェラートまでご当地。

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年季の入った船ターミナル

 佐田浜の一番先に、鳥羽港湾センターという建物があります。「市営船・観光船・高速船のりば」という文字は色あせ、建物自体も年季が入っていることがわかります。中に入ると、昭和40年代を思い起こさせるやたらと天井の高い吹き抜けの空間が広がります。しっかりとクーラーがかけられており快適です。

 なかには切符売場や観光案内所のほか、なぜか調剤薬局が。離島の方にとっては大切な存在なのでしょうけど、船のりばに調剤薬局というアンバランス感がたまりません。観光客向けの船を出している志摩マリンレジャーのブースだけはイルカのオブジェがあったりと新しいのですが、その他は切符売場を含めて昔のまま。案内地図や書かれている文字などがまさに「昭和」。

 そんな文字で書かれた切符売場は「鳥羽市定期船課」。市営だからここは市の一つの課なわけですね。

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 置いてあるゲームは最近のものなのですけど、全く人影の無いゲームコーナーから流れる、クレーンゲームのBGMを耳にしながら、天井から吊り下げられた昔ながらの時計を見るとそれは故障しています。それをカバーするように奥に小さな時計が置かれています。

 お土産コーナーには「お土産にもつて帰ろう伊勢志摩の味」と昔のゴシック体で書かれています。なぜ「もつて」の「つ」が大きいのか。そんなことを考えながらちょっと固めの長椅子に座り周囲を眺めると、幼かった頃の駅や観光地ってこんな雰囲気だったよなぁ~と初めて来た場所にもかかわらず郷愁を覚えます。作られた昭和ではない、リアルな昭和がここにはあります。

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狙ったわけではない昭和感

 そんな昭和感をここは意図的に残しているわけでは無いだろうと思いきや、のりばにおかしなもの、いやここではその雰囲気にぴったりなものを見つけました。コーラのボトル自販機です。昔は酒屋さんの前などに置かれているのをよく見かけたものです。値段は昔と変わらず「100円」。

 こんなものまで残っているんだと思いきや、そこには「昔懐かしいボトル自販機」という張り紙。よく見るとその自販機は復刻版のようです。確かセントレアのちょうちん横丁でも見かけた記憶があります。でも、あちらは再現された昔の街並みに置かれているだけで違和感がありありでしたが、こちらは妙に溶け込んでいます。

 でも、そんな張り紙をわざわざするということは、意図せずして残されたこの昭和ムードを多少は生かそうという考え方もあるのでしょうか。もちろん、普通のコーラの自販機もあります。

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 失礼な言い方になってしまうかもしれませんが、今回の旅にひとつの楽しみが加わりました。船の乗り場でこの雰囲気です。島にはもっと「昭和」が残されているのではないかという気がしてきたのです。ここ最近、昭和30年代を復刻した施設やテーマパークなどが多く乱立し注目されていますが、私のような昭和50年代生まれにはそれらは「古くて新しい」感覚であり、自分自身の懐かしさを感じることはできません。

 こういった昭和40年代後半から50年代を思い起こさせるようなレトロ感が最も懐かしく感じます。しかもここは作られたものではなく、当時のままというところがリアリティを感じる要因なのでしょう。リアリティがあるのはあたりまえです。その頃作られたリアルなものなのですから。

 鳥羽の考察旅が、意図しない妙なタイムスリップ旅になってきました。では、いよいよ船に乗って離島へと出発です。(次回へ続く)

関連情報

鳥羽一番街

鳥羽港湾センター(三重・鳥羽市)MAP

鳥羽港湾センター

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