ドバイ国際空港(アラブ首長国連邦)へ
「名古屋が元気」
こんな言葉をよく耳にします。名古屋以外の大半の日本人は、この言葉の裏に「トヨタが元気なだけで名古屋自体がなんぼのもんじゃい」という意味を込めて使っているにもかかわらず、ほとんどの名古屋っ子は何を勘違いしているのか、名古屋が我が国のなかで最も元気だと、本当に褒められていると勘違いしています。
世界レベルで元気なドバイへ!
名古屋の方にたくさんご覧頂いているサイトを運営している者として、これではいけないと勝手に危機感を募らせ、この度、そんな井の中の蛙の名古屋っ子として、本当の「元気」とはこういうものだという現実を直視するために、世界に視野を広げ、世界のなかでも景気が良い街の一つだと言われる、アラブ首長国連邦の「ドバイ」へと行ってきました。
ドバイから名古屋が学ぶべきことがあるのでは。そんな思いからレポートをまとめてみました。
ドバイの飽くなき追求
ドバイが潤っているのは、オイルマネーで儲かっているからだけではありません。国民がみんなで幸せになれるようにと、大胆な政策をどんどん実行しているからです。そしてさらにビジネスだけでなく、観光でも潤いを増やそうと言うのですから、その飽くなき追求ぶりに驚かされます。
本物の「元気」とは、これです。
※このレポートは2007(H19)年に書いたものです。
しかしその裏にある、「当たり前の格差社会」は壮絶でした。日本の格差などお話にならない、世界規模の格差を目の当たりにしました。
そんなドバイの詳細なレポートは本編を見ていただくことにしまして、ここでは本編では触れませんでした、ドバイ国際空港でのエピソードをいくつかお話したいと思います。
ドバイの空港で感じた日本なんてそんなもの
免税店と言いますと、真っ先にブランド品やお酒などを思い浮かべますが、それよりも私たちの興味が引くのが、本やCD、DVDなどを売るお店です。そんなお店に入ると、何やら人気があると思われるアニメのDVDが陳列されていました。今や世界でアニメといえば日本なわけですが、このキャラクターは見た目は中国人のような雰囲気のキャラクターで、どう見ても日本の作品ではありませんでした。
アニメ大国日本。のはずか、ドバイの免税店では日本の作品のDVDを見ることはありませんでした。イスラムの人々には受け入れられにくいのでしょうか。と言うよりは、どうもドバイやこのあたりの人にとっては、日本という国にあまり馴染みがないように感じられました。
DVDには、世界をいくつかの地域にわけたリージョンコードの情報が入っています。例えばリージョン「1」のDVDなら、同じくリージョン「1」のプレーヤーでしか再生できないようになっています。ここで販売されているDVDのリージョンは「2」。そのリージョン2の範囲を示す地図が描かれていました。ヨーロッパと中東、そして日本などが「2」に該当します。ですから、ここで買ったDVDは日本でも普通に見られると言うわけです。
しかし、そのリージョン2を示す地図がどうもおかしい。何がおかしいのかと思ったら、日本列島のなかで北海道だけ、色が塗られていないのです。どうやら、北海道はリージョンが違うようです。
まあ、そんなことが当然あるわけなく、塗り間違えたのでしょうね。こちらの人にとって日本の存在感なんてその程度。
アラビア文字の新聞を買ってみたら…
さて、こちらの公用語はアラビア語。イスラム関係のニュースでよく見かけるあの独特な字体です。
人に何かを贈りものをする時に、新聞紙が普通の日本のものではなくて、こんなアラビア文字のものだったらちょっと洒落てるかな、と相方は新聞を買うことにしました。
店員さんに、こちらで一番メジャーな新聞は何かと英語で聞き、買い求めます。するとレジの人は私たちが東洋人であることに驚き、少し間を置いてこんなことを言いました。
「本当にこの新聞買うの?アラビア語だけど?」
不思議だったのでしょうね。ドバイを訪れる人のなかでも、アラビア語のできる日本人は少ないということなのでしょう。それとも私たちは無教養に見えたのかな…。それだったらかなりショック。
東アジアそのものに興味が無い?
私たちはドバイには1日滞在するだけで、その後はトルコへと向かう予定になっていたので、飛行機を待ちます。ドバイ国際空港には本当にたくさんの飲食店があり、迷ってしまいます。しかしどこも結構込んでいて、フードコートの座席も全体的にあまり空いていません。
しかし、ある一角だけがガラーンと空いていました。それはタイ料理コーナー。
ひょっとしてあまりおいしくないのだろうかと、ちょっと不安に思いつつもグリーンカレーなどを注文。これが意外とおいしく、量も多かった。
たぶん、こちらの人はタイ料理なんて食べる習慣が無いのでしょうね。北米の空港にはうどん店なんかもあったりするのですが、ここには日本料理なんかは影も形もありません。
日本にもタイにも無関心。極東アジアなんかに興味は無い。なんだか、本当に異国の地に来たのだなと改めて実感しました。
では、いよいよドバイの街へ。砂漠のなかに突如現れた近代都市には、次々と建てられる超高層ビルに人工島、本物の元気とはこういうことか…ドバイでは、そこに生まれただけで既に「勝ち組」です。でも、それって…。世界からお金が集まるドバイをレポートします。
※繰り返しますが、このレポートは2007(H19)年に書いたものです。
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コメント
ドバイ編、最後まで読みました。実際に行った人しか書けない内容で読み応えがありました
名古屋とドバイの元気度比較ですが
>名古屋が我が国のなかで最も元気
これは半分は当たっていると思います、工業生産額や有効求人倍率などを見る限りでは名古屋の景気は底堅く元気さは本物なのでしょう。 決してカラ元気などではないと思いますが。
ドバイの元気さも凄いですね。 私が思うのは名古屋とドバイの元気さは「そもそも基準が違う」のだと思います
名古屋が元気なのは『工業社会』を基準尺度として見た場合です、ドバイが元気であるのは金融や情報・エンターテイメントなどの『知価社会』に於いて元気と言えるのだと考えます
つまり「名古屋」と「ドバイ」は最初から立っている土俵が違うのでしょう。 それぞれの街は違うフィールドにあって共に元気だと言えるのではないでしょうか?
ただ問題は・・・・・・・名古屋が得意とする工業社会のフィールドは今後、重要性が徐々に低下しフィールドがどんどん縮んで行くであろうと思われる事に対して、ドバイがプレーする知価社会のフィールドはこれからどんどん拡大し重要性が増していくと予想される事です
10年後に2つの街をもう一度見比べて見たときに、どんな事になっているのか?
楽しみなようで少し怖い気もしますね。
もう一つ、(「5」文中の)
>名古屋ももう少し観光に力を入れてはどうか?
名古屋周辺は観光資源だけ見れば比較的豊富な地域だと思いますが、これを生かす宣伝とソフトウエア(地域的な接客技術)が極端に欠乏しています(以前も書きましたがw)
この2点は究極的に言えば地域の価値観を変えなければ克服できない事柄ですから名古屋周辺の観光地化には長い時間をかけなければならないのでは? と思います
(2007/11/24 10:26 PM)
はじめまして。いつも、笑い(自虐)含めて読んでます。私は去年まで、天白の住人でしたが、仕事の関係で今は神奈川に住んでます。仕事で言えば、今の東海3県(名古屋でも愛知県でもなく)は日本全体を見回しても元気さでは一番でしょう。これは愛知県人(名古屋ではなく)が誇りに思って良いのは間違いありません。日本中の会社が愛知県を中心にした東海3県を目指してますから。もちろん、トヨタを中心にしてますが、その裾野は車以上に限りなく広いです。一般論ですが、物作りに勝るものはありません、ソフトなんかより。この勢いは二桁年数は続くでしょう。頑張れ、名古屋(?東海3県?愛知県?)
(2007/11/27 12:00 AM)
>noriさま こんばんは
最後の一文は仰るとおりで、私もそれを言いたいのです。
「元気」の定義とは何か。元気=景気が良い、だけではないでしょ?ということを言いたかったのです。確かに名古屋は工業を中心に景気が良いわけですが、それに従事する人々の心身は本当に元気なのか。未来に向かって希望を持ち、活動の源となる「元気」を感じながら暮らしているだろうか。ということです。だから、(数字が良いだけの)カラ元気と表現したのです。
ドバイにおける外国人の扱いを見ると、その格差社会には首を傾げたくなりますが、ドバイ政府が常に、ドバイの国民をどうしたら幸せにできるかという観点から政策を行っている点、そしていかにして、ドバイを世界的な視野から見て魅力的でかつ興味を惹く存在にできるかを模索し、実行している点に感銘を受けたわけです。
名古屋にも潜在的な、世界から興味を惹くことができる「ジョーク」な部分と「誇れる歴史」があるにもかかわらず、それに見向きもせず、ただ単に工業都市として先細りで埋没させてしまうのは、あまりにも勿体のではないか、名古屋はそれでいいの?と私は思っているのです。それがこのサイトを運営している理由でもあります。
>みなたまさま はじめまして こんばんは
確かに、名古屋の工業の景気の良さは日本一だと思います。ただ、今はそれだけですよね。名古屋はそれだけで終わって良い都市だと思われるならそれでいいと思いますが、私はそうだと思いませんので、これからも名古屋のあらゆる事象を、日本中の人に面白おかしく笑ってもらえるように、天の邪鬼にアピールしていくつもりです。それだけ名古屋は面白い街だと思うので。
(2007/11/27 5:26 AM)
こんにちは。ドバイに関する記事、全部読みました。とても面白かったです。”ドバイの熱気”みたいなものを感じました。 (^^)
(2007/12/01 9:35 PM)
>kyu3さま こんばんは
面白かったと仰っていただけて、嬉しいです。ドバイは本当に不思議なところでした。10年後はどうなっていることやら…また行ってみたいです。
(2007/12/05 2:59 AM)