06.千種区 名古屋を歩こう

日本一の公園でオリンピック

記事公開日:2004年7月6日

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幻のオリンピックスタジアム-平和公園

 東山公園の北側にあり、名東区にまで広がっているのが平和公園です。その面積は147ヘクタールを誇ります。かつて1988(S63)年に開催される予定だった、名古屋オリンピックのスタジアム建設候補地であった場所です。オリンピックは結局、韓国・ソウルで開かれることとなり、幻となったためその予定地の森林は消滅することはありませんでしたが、市民の公園として整備が進み、現在は市民に親しまれています。

 平和公園は、猫洞通1丁目の交差点がある通りの北側と南側に大きく分けられます。この南側にオリンピックスタジアムが建設される予定でした。市民の森として数多くの野鳥などを見ることができます。しかし近年は不法投棄などの影響もあり、樹林の藪化も進んでいるためにその数が減少しているそうで、市民グループなどによる保全活動も進められています。

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▲このあたりにオリンピックスタジアムが出来ていたのかな...。
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▲公園の南側は木々が生い茂ります。

 そしてその道路の北側には墓地が広がります。この平和公園は、もともと墓地公園として整備されたものです。戦後の復興事業の一環として、当時の名古屋市にあったお寺のお墓をここに集約して移転させたのです。そのため、戦後拡張以前の名古屋市内のお寺にはお墓が見当たりません。

 平和公園の交差点を越えて、次の交差点が見えてくるとたくさんの墓石が見えてきます。そこには案内図があるのですが、「平和公園墓地配置図」とありお寺の名前が書いてあります。集約されていると言ってもお寺ごとに敷地が決まっており、またお寺も宗派ごとにまとめられています。案内図は宗派で色分けされ、お寺の名前が書かれています。差しずめお墓の団地といったところでしょうか。

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▲北側に到着すると墓地がドーンと現れます。
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▲宗派ごとに色分けされ、お寺ごとに敷地が区分けされています。

 その交差点を右に曲がると平和公園会館があります。さらに歩いていきますと、公園を一周する2車線の道路が現れますので、そこを左に曲がり北上します。すると右側にブロンズの像が見えてきます。これは北村西望さん作の「若き日の母」です。気持ちよさそうに眠る子どもを背負った母親の像です。お墓参りにここへやってきて、こういう像を見たら感慨深くなりますよね。

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▲「若き日の母」です。見るためには横断歩道の無いところを思いっきり渡らなければなりません。

平和公園は日本一-平和堂・慰霊碑・虹の塔

 そしてその像の向かいにある階段を登っていくと平和堂があります。中国っぽい建物です。この平和堂は1964(S39)年、戦災復興事業の一環として建てられたものです。中には千手観音が安置されています。1941(S16)年、南京日中友好として名古屋市は南京市に十一面観世音立像を寄贈しました。そのお礼として南京市から名古屋市に贈られたのがこの千手観音です。その千手観音は約3.5mの大きさで、年に一度開帳されます。名古屋市と南京市は1978(S53)年に姉妹友好都市提携を結んでいて、現在もその縁は続いています。この平和堂からは名東区を一望することができます。

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▲「平和堂」です。3.5mの像が安置してありますから、結構大きいです。
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▲平和堂から名東区方面を望みます。遠くには山並みも。

 平和堂から北西に少し歩くと伊勢湾台風殉難者慰霊碑があります。伊勢湾台風は1959(S34)年9月26日にこの地方一帯を襲った台風で、5,000人以上の死者・行方不明者を出しました。名古屋市も南部一帯が浸水し、当時南区へと炊き出しに行った祖母の話によりますと、街は家の2階まで水に浸かり、死体があちこちに浮かんでいるという恐ろしい光景が広がっていたそうです。伊勢湾台風については被害を受けた区で、様々な痕跡を見ることができます。

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▲伊勢湾台風殉難者慰霊碑です。名古屋市の半分に被害が出ました。

 さらにその道を下っていきますと、高さ21メートルの塔が見えてきます。安らぎの園にあるこの塔は「虹の塔」です。塔の下に入り見上げると、ステンドグラスが日光を通し壁が虹色に輝くというものです。春分と秋分の日に限っては、足元に虹が天から舞い降りるそうです。

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▲「虹の塔」です。多くの人が行列を作って順番に見ていました。

 お墓が集められているということで、有名な人のお墓もあります。建中寺のエリアには尾張七代藩主である徳川宗春のお墓もあります。再び宗春の時代のように、名古屋が経済・文化の発信基地になることをお祈りすると、「お前が頑張れ」と言われたような気がしました。これからも地味ですが、名古屋市内を歩き回って面白い場所を探したり、名古屋を研究していくことを宗春に誓います。他にも、先ほどの猫洞通1丁目交差点があった道路に合流すると、戦没者を弔う万国英霊塔などがあります。しかし、なかには倒れてそのまま放置されているお墓もありました。

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▲尾張七代藩主である徳川宗春のお墓です。パワーをわけていただきました。
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▲戦没者を弔う万国英霊塔も大きなものが建立されています。
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▲倒れてしまっているものもあります。一人では起こせません...。

コアラ用のユーカリ栽培-猫ヶ洞池・動物愛護センター

 万国英霊塔から西へ歩くと池が見えてきます。猫ヶ洞池です。その池のまわりにはビニルハウスがあります。何が栽培されているのかと思ったらユーカリです。ここで東山動物園のコアラの食事となるユーカリが丁寧に作られています。そしてその奥には名古屋市動物愛護センターがあります。動物ふれあい広場やしつけ教室、また犬や猫の保護・管理が行われています。名古屋市内在住の方であれば、生後3ヶ月の犬や猫を無料でもらいうけることができます。運命の出会いがあるかもしれません。

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▲猫ヶ洞池です。ほとりで景色を眺めている人が多くいました。
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▲ビニルハウスがこんなにたくさん。
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▲ハウスではコアラのためのユーカリが栽培されています。

丘の上に無料の展望タワー-献体の塔・アクアタワー

 まだまだ公園は北に続きます。本当に広い。園内にはサイクリングコースがあるほどです。すると大きな球体の献体の塔が見えてきます。これは医学の進歩発展のためにと自らの遺体を提供した人の功績を称えるために1985(S60)年に建てられたものです。現在も名前は刻み続けられています。献体には本人の希望と6人の家族の同意が必要だそうです。こういった方々の上に医学の進歩は成り立っていて、その恩恵を我々は享受しているわけです。ご本人もそうですが、献体に同意した遺族の皆さんの決断もすごいことだと思います。

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▲献体の塔です。その精神に感謝。
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▲サイクリングでも結構走り甲斐のある距離ですよ。

 そしていよいよ平和公園の北端です。ここには高台地域への給水を目的とした平和公園配水塔があります。その塔は「アクアタワー」と名づけられ、地上40mの景色を見ることができます。開館しているのは土・日・祝日の午前10時から午後4時で、無料です。平和公園をゆっくり散策し過ぎたせいか、到着したのが午後5時...残念ながら景色を見ることはできませんでした。ちなみにこのあたりは飛行機の通り道になっているのか、やたらと大きな飛行機の音が聞こえましたので、タワーからは迫り来る飛行機の姿を見ることができるかもしれません。

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▲アクアタワーは無料、どんなもんかな?
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▲残念ながら閉まっていました。無料ですから使わない手はありません。

 平和公園を駆け足で見てきましたが、これだけ歩くのに1時間半かかりました。そのことからも広大さを感じ取っていただけると思います。その広さは墓地公園として日本一を誇ります。またここで名古屋っ子が大好きな日本一が登場しました。大体、墓地公園というジャンルのライバルが日本にどれだけあるのか知りませんが、とにかく日本一だそうです。

 春には桜、また年中バードウォッチングの人も訪れ市民の憩いの場となっています。

 ただ、気をつけないといけないのは、お彼岸やお盆などは駐車場や道路が大変混雑しますので避けた方が良いと思います。お墓の数も半端ではありませんから。私の父方の祖母もここに眠っています。飛行機の音で安らかに眠れないと困りますが。


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