ウミガメにタッチ!人生を感化される-紀宝町ウミガメ公園

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  • ウミガメが産卵する町・紀宝町
  • アカウミガメにタッチ!どころか…
  • シラスにみかんの舞踊り?

ウミガメが見たい!と思い、徳島でも黒島でもなく、三重県に行くことにしました。

岐阜県にある相方の家を出発して5時間。南北に長~い三重県の南端に位置する、南牟婁郡紀宝町へとやってきました。紀宝町は5月下旬から8月上旬にかけて、井田海岸にアカウミガメが産卵にやってくることから、「ウミガメが産卵に来るまち」として有名です。

そんな紀宝町にある道の駅、その名も「紀宝町ウミガメ公園」ではウミガメが飼育・研究されていて、週末にはなんと、チビウミガメにタッチできるイベントがあるというのです。

ちょうど今、人生の岐路に立つ私は、あらゆることに迷いや不安を抱いてしまっているのですが、なんとなく、ウミガメに会えば道が開けるような、そんな気がしていたのです。そう、完全に朝のドラマの見すぎです。

動機はともかく、ウミガメにパワーをもらいたいと思います、間違って玉手箱をもらわないように…。

ウミガメを目指して…

小牧から名古屋高速、東名阪自動車道、そして紀勢自動車道の紀勢大内山インターチェンジへ。そこからさらに国道42号を走ること約85キロ。ウミガメの石像が出迎えてくれる「道の駅・紀宝町ウミガメ公園」へとやってきました。三重県の南北の長さを実感するとともに、高速道路のありがたさを身に染みて感じました。三重県が抱える南北格差…でも、大内山まで高速で来られただけでも短縮になってますよね。私が学生の頃はまだ、紀勢道なんてありませんでしたから。

はやる気持ちを抑えつつ「ウミガメプール」へ。

紀宝町が全国に先駆けてウミガメ保護条例を制定したのが1988(S63)年のこと。その5年後の1993(H5)年にこの紀宝町ウミガメ公園が完成し、さらに2003(H15)年には飼育棟がリニューアルされています。

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ゆったりそしてコワカワイイ?

プールは大小2つあり、両方あわせて60トンの海水が使われているそうです。ウミガメは世界にたった7種類しかいないのですが、そのうち「アカウミガメ」「アオウミガメ」そして「タイマイ」の3種類がこのプールで飼育されています。

それにしても、やっぱりウミガメは大きい。そして何かゆったり感を感じさせてくれますね。それは間違っても「のろま」ではありません。余裕のゆったりなのです。

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しかし、海に出れば泳ぐスピードは時速約40キロ。そのスピードで日本とアメリカを往復してしまうのです。太平洋約1万キロ渡ってしまうそのスケールの大きさ。泳ぐのに最適なボディと可愛らしさを合わせ持つバランス感覚。思わず見とれてしまいます。

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ウミガメは肺呼吸なので、たまに水面から顔を出します。あ…目が合った。顔はちょっとやっぱり怖いかも。コワカワイイ…だね。

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この時、小さなプールにいたのは、アカウミガメとタイマイのハイブリッド(雑種)の女の子。その生年を見てちょっとびっくり、1984(S59)年八重山諸島新城島生まれとのこと。私たちと同じ昭和生まれじゃないですか。昭和仲間。ちなみにウミガメは、人間と同じくらい生きるそうです。

このウミガメプールには、ウミガメの他にもイセエビの仲間やウツボが。ウツボの顔も、ウミガメに負けないくらい怖かった。

そしてなぜか、買ったばかりのデジタル一眼で、ウツボのベストショットを撮ろうとしている相方も怖かった。

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チビアカウミガメにタッチ!どころか…

それではいよいよ、週末の特定日の午前11時から午後3時のみに開催されています、ふれあいイベントの「アカウミガメにタッチ体験!」です。

そこにはまさに子ども用のプールがあって、小さな4歳のアカウミガメが!これはかわいい。

飼育員の方に「頭だけは触らないでくださいね」と言われ、ちょっとおそるおそるタッチ。甲羅はやっぱり堅い!

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すると飼育員さんが「持ち上げてみてもいいですよ」と言って下さったので、私も相方もそれぞれ持ち上げさせていただきました。これがずっしりと見た目よりも重量感があって、持ちごたえと言ったらおかしいですが、ぐっときました。

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殻ではない肌の部分も触らせていただいたのですが、これが柔らかい!たとえがちょっとおかしいかもしれませんが、そう、鳥の肌のような感じでした。持ち上げると、最初はじたばたと手足を動かすのに、そのうち一気にスピードを上げる体制なのかな、両手足をビヨーンと伸ばすしぐさがこれまたたまりません。

そして水の中に返してあげると、呼吸をするためにたまにひょこっと水面から顔を出すしぐさ…もう、ハートを鷲掴みです。

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チビウミガメを持ち上げさせてもらえたことは、かなり心に残る体験になりました。あのボディで、太平洋を横断して、また帰ってくるのかと思うと、そこに秘めた大きなパワーを感じることができましたね。

もちろん、ウミガメを飼うことは国際法・国内法で制限されていますので、買って帰ることができるのはグッズだけ、というわけで、このウミガメプールにはウミガメグッズショップが併設されています。店内を見渡す限りウミガメグッズ。よくぞこれだけ集めました!という感じです。

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そうそう、そのウミガメプールの前には、子ども用の遊具が置かれていたのですが、そこはやっぱり「カメ」。で、カメと対抗馬となればやっぱり「ウサギ」。

ウサギとカメの物語と言えばやっぱり、堅実なカメの方がイメージがいいわけですが、特にここではその傾向は顕著でしょう。まさかここで、ウサギに子どもを乗せて記念写真だなんてありえません。

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シラスとミカンの舞踊り?

さて、朝から5時間かけてここまでやってきましたので、やっぱりお腹がすきました。ここはもちろん道の駅です。物産館の2階には食堂がありまして、海の幸からステーキ、そしてデザートなどを食べることができます。

相方は迷わず「しらす丼(600円)」、そして私は以前から気になっていた「めはり(200円)」と、何が古道なのかこれまたとても気になった「古道うどん(480円)」をいただきました。

「しらす丼」はやっぱり新鮮ですね!そして握り飯を高菜で巻いた「めはり」、私は想像していた味とちょっと違ったので、ああそうなんだ…と。もっと味が濃いものだとばかり思っていました。やさしい味ですね。

最後に「古道うどん」は、山菜うどん…ですよね?どのあたりが古道なのかは結局よくわかりませんでした。

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一方、1階では地元名産品がたくさん売られていたのですが、そこで店員さんが一生懸命売っていたのが「みかん」。紀宝町を代表する名産ですね。

味見をさせてもらったところ、ちょっと酸味が強い。相方とそんな話をしていると、店員さん曰く、「これは獲ったばかりだから酸味があるけど、1日置いて明日になれば、酸味がすーっと抜けて甘みだけになるよ。」とのこと。

実際のところ、翌日酸味が抜けなかったとしても、もうここまで返品になんて絶対来るわけがないわけで、その言葉を信じるしかありません…が、5キロで750円というお値打ちさに、買おうかどうかなどという迷いは消え、私と相方とそれぞれ5キロずつ買ってしまいました。

で、翌日酸味はどうなったかって?ご想像におまかせします。

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海岸の道路から海が見えない

さて、ここまでずっと海岸線に沿っている国道42号線を走ってきたわけですが、海を見ることはありませんでした。なぜなら、ここは伊勢湾とは違って紀伊半島の先。すごく風が強いため、砂利浜と道路の間に松の防風保安林が設けられているのです。

なので、海を見るためには、ウミガメ公園から道路を渡って、さらに林を抜ける必要があります。すると見えました!七里御浜です。

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七里御浜は、総延長23キロにも及ぶ海岸線で、日本の渚百景にも選ばれています。そして防風林が必要なことがわかります。初冬のこの日、防風林の外側とは全く違って海岸には強い風が吹き荒れ、時に波が轟音を立てて荒々しく打ち付けます。

海岸線はずっと遠くまでなだらかですが、波は全然穏やかではありません。

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ウミガメの進む方向とスピード

青い太平洋の水平線を見ながらふと私はこうつぶやきました。

「ウミガメはこの海岸で生まれ、海に出るまでは必死で歩くものの、そのスピードはやっぱりのろまなわけで。でも、いったん海に入って波に乗ってしまえば、時速40キロでアメリカまでを往復してしまう。しかも自分が進むべき方向を常に把握している。すごいなぁ。」

それを聞いた相方はひとこと。

「あなたも早く波に乗ってもらわないと困るんだけど。」

「す…すみません。」

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それにしてもこの七里御浜の雄大さはすごい。海岸線がこれだけ長く続いていることも珍しいですし、海の色も綺麗。デジタル一眼を持つ相方も力が入り…あれ、なんかカメラの向いてる方向が…。

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そのレンズの向いた方向では、11月13日に座礁したマルエーフェリーの船体がまだそのままになっていて、重油流出を食い止める作業などが進められていたのでした。

ウミガメ保護条例が制定された1988(S63)年に比べると、紀宝町に上陸・産卵するウミガメの数は半減しているとのこと。地球温暖化や環境破壊、そして漁業による影響があるのでしょうね。大変だと思いますが、これからもウミガメが産卵に訪れる環境がずっと残されることを祈っています。

誰かさんみたいに、ウミガメのように世界とつながる仕事を…なんてことは言いませんが、やっぱり、歩みは遅くとも、コツコツと少しずつ波に乗って、弛まなく歩み続けることが、ゴールに辿りつく最短の方法なのでしょうね。でも、焦ってウサギになってしまったら元も子もない。

不安を感じる暇があったら、悩む暇があったら、落ち込む暇があったら、その時間を足を踏み出すことに使おう。

さあ、明日からまた、少しずつでも毎日歩き続けよう。

関連情報

道の駅紀宝町ウミガメ公園

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