- すっかり変貌・JR岐阜駅北口
- せっかくだから無料展望台から夜景も!
- 駅前広場の金ピカ信長像には重大な…
クリスマスを前に、やっぱりひとつはイルミネーションを見ておきたい、ということで、「2009ぎふイルミネーションフェア」が開催されています、JR岐阜駅へと行ってきました。かつて岐阜駅といって、真っ先に思い浮かべるものは「滝画廊」でしたけれども、今はすっかり風景が一変しました。と言っても、一変したのは駅構内と北口だけで、南口は相変わらずですけれども…。
そんな南口の誘惑が気になりつつも、相方と北口広場へと向かいました。そこで出会った、イルミネーションを見下ろしていた岐阜の象徴は、逆に今の岐阜を象徴する事態に陥っていました。
ぐるっと・杜の架け橋
JR岐阜駅北口には、タクシー乗り場、バスターミナル、そして広場が整備されているのですが、それらをぐるっとU字形に「杜の架け橋」が取り囲んでいます。かつて愛・地球博で見たグローバルループのようと言ったら大げさですが、金華橋通から玉宮通、そして長良橋通を空中で結んでいます。さらに杜の架け橋から分岐するように「じゅうろくプラザ」や「岐阜シティ・タワー43」「アクティブG」とも高架で全て繋がる格好になっており、駅前広場が一体となっている印象を受けます。
かつての岐阜駅前とはすっかり様子が変わり、広場には「やすらぎの里」という里山ゾーンも設けられており、まさに名実ともに岐阜県の玄関口としてその存在感は大きくなりました。
そんな岐阜駅北口広場を舞台に、10月23日から2010(H22)年1月31日まで開催されています「2009ぎふイルミネーションフェア」では、一帯で3万球のイルミネーションが光り輝いています。
杜の架け橋にも電飾が施され、もともと青く光る架け橋との相乗効果で、光のなかを歩いているかのようです。そんな光を見ながら、メインのG階段へと足を進めます。
階段をイルミネーションが埋め尽くす
G階段は、階段の半分がイルミネーションで埋め尽くされていて、いくつものツリーや星が点灯しています。この光のなかを歩いてみたいという衝動に駆られますが、さすがにこの電飾のなかを歩くことはできません。
そして階段を上りきったところには、ハート形の煙を出す機関車のイルミネーションが。「SEASONS GREETING」の文字が激しく点滅しています。メリークリスマスではないのが印象的でした。
この言葉選び、かなり慎重ですよね。このイルミネーションを見に来る誰もが、キリスト教信者とは限りませんからね。「SEASONS GREETING」とは、この時期の時候のあいさつで、宗教を問わないものなのです。英語圏で、キリスト教信者以外にクリスマスカードなどを出す際に使われる言葉です。
今や日本は、誰でもメリークリスマスなわけですけれども、そんな風潮に一石を投じるぎふイルミネーションフェア、素敵です。
なーんて思ったりしたのですが、よく考えたらこのイルミネーション、来年の1月末までやってるわけで、だからメリークリスマスではマズかったというだけですね。たぶん。
街がイルミネーション
さて、装飾のイルミネーションを見た後は、もっとスケールの大きなイルミネーションを見に行きましょう。杜の架け橋を渡って「岐阜シティ・タワー43」へと向かいます。
岐阜シティ・タワー43は、2007(H19)年10月にオープンした複合ビルで、マンションを兼ねたビルとしては中部地区でもっとも高い建物となっています。階数はもちろん43階建て。
オープンからわずか半年足らずでメインテナントの服部家具店が閉鎖になってしまったというアクシデントはありましたが、2階には商業施設、3階には医療福祉施設、そして4階には岐阜放送の本社が入っています。新しい岐阜駅前の顔として、その存在感は大きく、金華山から見ても突出しています。
そんなタワー43の43階には展望室が設けられていまして、なんと無料で入場することができるのです。
展望室の高さはなんと150メートル。直通エレベーターにてわずか45秒で到着です。
この高さ、結構すごいんですよね。あの名古屋テレビ塔でも、スカイデッキは90メートル、スカイバルコニーは100メートルですから。テレビ塔に例えるなら、150メートルだなんて、東海テレビとCBCの送信段に当たるほどの場所なのです!って、わかりにくいですね。
そんな150メートルの世界から眼下に広がるのは、さっき見てきたイルミネーションが輝く岐阜駅北口。上から見ると改めて、青く輝くデッキがぐるりと取り囲んでいる様子がわかります。さらに冬のイルミネーションと、街の光が加わって、一層まばゆいばかりの夜景が形成されています。
東と北と西は見えるけど…
展望室は東と西の両方向にあります。東方向は各務原市方面。JRの線路が伸びている様子がよくわかりますし、名鉄岐阜駅前が賑やかな様子も伝わってきます。
そして北方向を見ると、オレンジ色に伸びているのが忠節橋通り、その先、マーサ21周辺が特にまぶしいことがここからでもよくわかります。また、北東方向にあるやななタウン・柳ヶ瀬も、一層輝きを増しています。
一方、西方向には大垣や瑞穂の夜景が広がるのですが、手前にこれといった繁華街が無いためか、東方向に比べると、若干光がまばらな印象を受けますが、そのおかげで、国道21号線を車が走っていく様子や、列車の行きかう様子も見られます。
さて、どう考えても、もっとも夜景が綺麗なのは、一宮や名古屋を見渡せる南方向です。まあ、東の展望室からも、名古屋駅のセントラルタワーズが見えないことはないのですが、そんな南方向の正面には、ゼットンが運営する「スカイレストラン・forty three」がありますので、見たい方はお食事をどうぞ。
岐阜の象徴に課せられたノルマ
東の展望室から夜景を見ていますと、北東方向にポカンと黒く光の無い空間があることに気づきます。そう、金華山です。
そんな闇夜の金華山の中に浮かび上がっているのが、オレンジ色に輝く「GBSタワー」と「岐阜城」です。両方ともライトアップされているので、まるで空中に存在しているかのように見えます。
岐阜城といえばもちろん織田信長。
実は、このぎふイルミネーションフェアを見守る位置に、信長がいるのです。
岐阜駅北口の駅前広場には「信長ゆめ広場」というスペースがありまして、そこにこの9月26日に設置されたのが織田信長の銅像です。
この信長像は、岐阜市制120周年を記念して、募金を募って製作されたもので、その高さはなんと3メートル。台座もあわせると11メートルという堂々たるもの。
マントを羽織っていることも、西洋かぶとを手にしていることも、そしてなぜか火縄銃を持っていることも、この際気にしないとしてもです。なぜ、金ピカなのでしょうか。
金ピカの信長がイルミネーションに照り返されるという、なかなか滑稽な構図になってしまっています。
さらにこの信長には、重大なノルマが課せられているのです。
この像を設置したのは、十六銀行の顧問や岐阜新聞・岐阜放送の会長らが発起人となった「信長公の銅像を贈る会」という団体で、先月の報道によりますと、制作費3000万円を投じて完成させたのですが、実はまだ、募金が800万円ほど不足していて、製作者に支払いを待ってもらっているのだそうです。
あと800万円…。
なんという見切り発車。こんな現状を知れば知るほど、金ピカの信長公の輝きが、より空虚なものに見えてしまいます。
季節は寒いけれど、暖かい気持ちになるため…にイルミネーションを見に行ったのですが、懐の寒い岐阜の現実に触れてしまい、なんだか切ない気分で岐阜駅を後にしたのでした。もちろん、今回は相方と一緒に訪れておりますので、南口には訪問しておりません。念のため。
関連記事

関連情報

コメント
相方さんと一緒ではないときはもっぱら南口なんですか?
>びょん吉さま こんばんは
さあ~どうでしょうね~。
ご想像におまかせします。