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閉幕間近で大賑わい・最大面積パビリオンにはまだ空きが?

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 9月に入り、土日は20万人を大きく上回り、平日でも多数の来場者のある愛・地球博。そんな状態ではパビリオン巡りもままならず、行列に並びに行くようなものだなと思われている方も多いでしょう。しかしです。この愛・地球博で最大面積を誇るパビリオンが、今でもほとんど待つことなく体験できるということをご存知でしょうか。しかもそのパビリオンは愛・地球博のテーマである「自然の叡智」を体感できるものとなっています。長久手会場でも体験できますし、瀬戸会場ではさらに本格的な体験をすることができます。今回は、混雑する企業館、外国館を尻目に、愛・地球博の真髄ともいえるパビリオンをご紹介しましょう。

最大面積を誇るパビリオンとは

 それは自然体感プログラムです。

「えー、高い入場料を払って万博に行って、自然を体感だなんて…。」

 と仰る方も多いと思うのですが、結構多彩なプログラムが用意されていてこれが面白いのです。あっという間に時間が過ぎてしまいます。特に一人で来場される方や、お子さんにはオススメしたいプログラムです。残暑厳しい日差しに晒されて、ただグローバルループをブラブラするだけならば、森で童心に帰った体験をする方がよっぽど有意義だと思います。

長久手会場・南の森

 会場の最南端にあるEXPOドームの左側に、南の森の入口があります。ここから階段を降りるとすぐ森のビジターセンターがあります。南の森では、3つのプログラムを用意しています。

体験工房「おもいで教室」

 大阪万博が開かれた1970(S45)年。その当時の教室を再現したのがおもいで教室です。当時の暮らしの様子を授業形式で楽しく振り返ります。教室自体の見学は朝9時30分から午後6時まで。プログラムは各20分で1日3回、11時55分、12時55分、13時55分から開かれます。参加方法は教室周辺で配布される整理券を受け取ってください。定員は16名ですが、立ち見での見学も可能です。

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▲こちらが「おもいで教室」。私たちの世代よりもちょっと古い。

体験工房「あそび工房」

 自然のものを使って作られたおもちゃで遊べる空間です。貝合わせやつるの輪投げなど懐かしい手作りのおもちゃで遊ぶことができます。見学時間は午前9時30分から午後5時までで、自由に出入りすることができます。

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▲「あそび工房」では工作の体験などもできました。

森あそびセレクトツアー

 自分のペースでゆっくりと森を散策したい。そんな方のためのお散歩プログラムです。ビジターセンターで5分間のプロローグビデオを見たら森へ出発です。テーブルが鏡になっている「葉っぱのドーム」では、あごをのせると一面に緑が広がって見えます。そして草の生えた土屋根でできている「水のあずまや」では水が不思議な音を奏でる水琴球を楽しめます。

 「空の部屋」で空を切り取って、「森のかくれが」で探検気分を味わえます。通路は森でありながらバリアフリーになっていますので、車椅子でも楽しむことができます。午前10時から午後5時まで、20分ごとに受付があります。見学時間は最低30分は考えておきたいところ。

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▲自分のペースでゆっくり歩けます。青少年公園の面影があちこちに。

インタープリターとあるく森のツアー

 インタープリターとは通訳のこと。森の通訳。すなわち森の案内人と一緒にツアーをするのがこのプログラムです。事前予約を受け付けているほか、当日予約機もあります。でも、予約をしていなくても大丈夫。事前予約をしていたにもかかわらず、ここにはやってこない人が残念なことに結構いるのです。キャンセル待ちに名前を書いて少し待てば、入ることができます。

 集合時間になったら旗のところに集まります。結構一人で参加している人も多く、和気あいあいとした雰囲気で出発です。キノコやセミの脱け殻、そしてモンゴリナラの木やこの青少年公園の森についてなど、詳しく話を聞くことができます。立ち止まって説明をしながらの散策なので、それほど体力は必要ありません。

 そして「ネズミとドングリものがたり」というお話を聞きます。ねずみはドングリをせっせと秋に隠します。それはなんと数千個。というわけで2チームにわかれてドングリ隠しゲームです。相手チームが葉っぱで隠したドングリを探すのですが、これが意外と見つからない。実際、ネズミも自分が隠したドングリを全て見つけることはできないのです。

 そして見つけられなかったドングリのうち、陽が当たる場所のものだけが芽を出す。という、森の営みをレクリエーションを通して学ぶことができます。

 プログラムは50分なのですが、本当にあっという間です。このツアーに参加すると、その後で先程のセレクトツアーのコースを自分で歩くこともできます。午前10時から午後5 時まで30分ごとに開かれます。飛び込みでも大抵大丈夫ですので、気軽に受付に声をかけてみましょう。私が参加した日も人数が少なくて定員には達していませんでした。

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▲インタープリターに説明を受けながら少人数で森を歩きます。

長久手会場・北の森

 グローバルループのコモン3北側から、階段を登っていくのが北の森です。ここには「絵ものがたりの散歩道」と「気づきの道」の2コースがあります。

絵ものがたりの散歩道

 ここでは絵本を読みながら、森をストーリーに沿って歩けるコースとなっています。今は「ゴンちゃんとモンちゃんの冒険」というストーリーになっています。イラストパネルを見ながら冒険。子どもさんにぜひ体験させてあげたいプログラムです。最後には記念にそのお話の絵本をもらえます。午前10時から午後 5時までの受付です。所要時間は20分ほどです。

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▲絵本を読みながら森を歩きます。舞台はこの森。最後は現実とリンク。

気づきの道

 道沿いにはたくさんのアート作品が展示されています。自然とアートの融合を楽しめます。こちらも午前10時から午後5時までの受付です。

 ただ、森といっても長久手会場はもともと愛知青少年公園だったところで、森を歩くというよりは緑地公園を散策するといった印象があります。もっと本格的な森を歩きたい、自然素材のモノ作り体験をしたいという方には瀬戸会場をオススメします。

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▲気づきの道の両側には、自然の素材を使ったオブジェがいっぱい。

瀬戸会場

 瀬戸会場の里の自然学校では、「あるく」「創る」「たたずむ」「感じる」と、多彩なプログラムを用意しています。とことん里山を歩きたい方にはもちろん歩くコースです。私もこれに参加してみました。

森のくらし・きんま道コース

 このプログラムは75分。定員は15名です。長久手会場の南の森とは違い、まずはお互いの自己紹介を兼ねてどこから来たとか、何回目とかそういう話をして親交を深めます。そして里山へと出発。

 実際に手で触って、アカマツとクロマツの違いを体感したり、ムササビが食べた葉っぱを探したり、リスが食べ残したエビフライ型の松ぼっくりを探したりします。しかもそれが見つかるのです。夜になるとその場所にムササビが飛ぶというわけです。

「繭玉広場」では、日本の里山で使われた昔ながらの道具に触れ、「物見の丘」では、丘の上に作られた16メートルのタワーに上り、鳥の目線で海上の森を見渡します。これが絶景。西を望むとJRセントラルタワーズや養老山脈まで見渡せます。そして東には、当初万博開催が予定されていた海上の森。インタープリターの方もこの森が守られて良かった、反対運動に感謝とポツリ。

 さて「きんま道」です。きんま道とは、森の中に木でレールを作ったもので「木馬道」と書きます。そこに木材を乗っけて運ぶというものです。木材の重さはなんと1トン。それはさすがにひっぱれないので、ソリをそのレールに乗せてひっぱってみます。

 これがすごい。ほとんど力を入れていないのに、ソリはどんどん滑っていきます。これにより山からの木の運搬の効率は上がったのですが、事故も多かったそうです。子どもさんだけでなく、大人も大喜びです。

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▲海上の森に再現された、もりのきんま道。

 あっという間の1時間15分でしたが、この時は「この後お急ぎの方がいなければゆっくり行きましょう」ということで、少し延長してお話をしてくださいました。なんか、本当に遠足に来ているような雰囲気で懐かし感じもしました。森を出ます。森の気温は26℃。会場に戻るとなんと気温は35℃。森ってすごいなぁ。というわけでこの時は結局、1時間4 0分くらいのプログラムとなりました。こちらはちょっと体力が弱い方にはつらいかも。

 他には、「どろ染め体験(60分)」「陶器のモザイクアート(60分)」「ショートコース・森のきおく(45分)」「ショートコース・であいの木(45 分)」というプログラムがあります。瀬戸会場の自然体感プログラムは当日予約のみです。長久手会場よりも人気があるので、朝早めの予約をオススメします。

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▲和気あいあいでとても楽しかったです。ツアーガイドは閉幕後もやってほしいなぁ。

 これが万博のパビリオンか?と問われると確かに微妙な感じもしますが、万博の本来のテーマである自然の叡智を体感できる、有意義なプログラムだと思います。やはりインタープリターによるガイドツアーがオススメです。意外な発見が本当にたくさんあります。都会育ちの子どもさんにはぜひ体験させてあげたい内容です。

 ゲーム画面で甲虫に触れるより、実際にセミの脱け殻を手で触ったり、どんぐりを探したり、私たちが子どもの頃は当たり前だった体験をぜひ体験させてあげたいものです。もちろん大人でも、ひとりでも参加しやすい雰囲気なので、むしろひとりで万博に来場される方におすすめします。

※以上は9/10にメールマガジンとして発行したものです。

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