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犬猿の花火がついに統合!~岐阜の2週連続巨大花火大会の終焉

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★東海地区最大規模の花火大会が年に2回開催
★その背景には2つの新聞社のつばぜりあい
★2023年夏 ひとつの花火大会に統合

岐阜市の花火大会の特殊な事情

岐阜市の花火大会に行かれたことがある方は多いと思います。東海3県では毎年、数多くの花火大会が開催されていますが、岐阜市で開催される花火大会は、およそ3万発。東海地区最大規模でした。

しかも、それが年に2回、2週連続で開催されてきたのです。

2週連続で3万発の花火大会といっても、1万5千発ずつではありません。3万発・3万発と、それぞれ打ち上げられてきたのです。あわせて6万発です。同じ場所で2回もそれだけの大規模な花火大会があるのは全国でも岐阜市だけ。その背景には、岐阜の新聞と名古屋の新聞の、威信をかけた戦い、激しい競争、意地の張り合い、つばぜりあいがあったのです。

60年以上にわたるその戦いに、とうとう終止符が打たれることになりました。

統合されることになったのです。

花火大会に花火大会をぶつける泥沼バトル

岐阜市の長良川河畔で打ち上げられる花火大会。毎年先に開催されてきたのは中日新聞主催の「全国選抜長良川中日花火大会」です。

毎年7月最終土曜日の開催です。そしてその翌週、8月最初の土曜日に開催されるのが岐阜新聞・岐阜放送主催の「全国花火大会」です

まずは中日の花火大会が開催されて、その次の週に岐阜新聞の花火大会が開催されるという流れでした。

では、歴史的にはどちらが先に始めたのでしょうか。それは開催回数を見ればわかります。

新型コロナの影響でいまのところ最後の開催となった2019年の回数を見てみましょう。

中日花火大会は「第63回」、岐阜新聞花火は「第74回」です。岐阜新聞のほうが回数が多いですね。

岐阜新聞、かつての岐阜タイムス、岐阜日日新聞が花火大会を初めて開催したのは、戦後すぐ、1946年(昭和21年)のことでした。

一方、中日新聞が岐阜市で初めて花火大会を開催したのは、1957年(昭和32年)です。岐阜新聞に遅れること11年です。

つまり、岐阜新聞がもともと岐阜市の長良川河畔で花火大会を開催していたところに、中日新聞が同じ場所での花火大会をぶつけてきたという構図なのです。ケンカ売ってきた、ととられてもおかしくないことですよね。岐阜新聞も黙っていませんでした

中日新聞がまるでケンカを売るかのように、岐阜市の岐阜新聞花火の同じ場所で花火大会を開催すると決めた1957年(昭和32年)、岐阜市からも目視できる距離にある大垣市で、岐阜新聞大垣花火大会を開催するようになったのです。

その結果、岐阜新聞の花火大会の前の週に中日新聞が同じ場所で花火大会を開催し、さらにその中日新聞の花火大会と同じ日に、岐阜新聞は至近距離で別の花火大会を開催するという構図になったのです。

そんなバトルが、1957年(昭和32年)から2019年(令和元年)まで、63年にわたってくりひろげられてきたのです!

2つの花火大会に翻弄された岐阜の人々

毎年7月最終土曜日には、大垣市で「岐阜新聞大垣花火大会」、岐阜市で全国選抜長良川中日花火大会」が開催され、その1週間後には岐阜市で岐阜新聞の「全国花火大会」が開催される、それは夏の風物詩でもあり、中日花火で花火に気づいて、あ、来週が岐阜新聞花火だから来週行けばいいねということができた一方で、岐阜の人々の生活に大きな影響を与えました。それが交通渋滞です。

交通渋滞と言えば、ラジオの交通情報がありますが、そこにも花火大会をめぐるバトルの影響がありました。

岐阜新聞には岐阜放送という放送局があります。別会社ですが事実上ひとつで、2000年(平成12年)まではずっと、岐阜の放送メディアはラジオもテレビもすべて岐阜新聞とともにありました。

岐阜新聞にとっては、自社の花火大会は、中日花火の翌週になるため、できるだけ中日花火には行かないでほしいという思いがあり、岐阜放送では中日花火については徹底的にスルーする方針がとられていました。

そのため、中日花火当日のラジオの交通情報では「今日は大垣市で花火大会、岐阜市では『大規模なイベント』があるため、激しい渋滞が予想されます」とアナウンスされていたのです。本当はどちらも花火大会なのに、岐阜市は『大規模なイベント』。日本道路交通情報センターも気をつかっていたというわけですね。

岐阜放送ラジオのパーソナリティにとっても、中日花火の日は要注意です。万が一「今夜は花火ですよね」などと口走ってしまった時には即座に大声で「大垣で」という必要がありました。

一方、中日新聞側にとっては、中日の花火が終わればもう岐阜市の花火は終り。8月に入ると花火に触れることは一切ありませんでした。

この花火をめぐるケンカもあってか、中日新聞と岐阜新聞はまれにみる犬猿の仲であったのですが、潮目が変わったのは2001年です。

FMラジオ・ハーフマラソンで両社の仲は次第に…

2001年。平成13年春、岐阜県初となる県域のFMラジオ放送局が誕生します。「岐阜エフエム放送」です。この放送局には中日新聞・岐阜新聞の双方が出資し、事実上の中日・岐阜新聞の合弁企業の誕生となったのです。とはいえ現場はピリピリ。中日新聞ニュースと岐阜新聞ニュースは明確にわかれており、間違えようものなら推して知るべしです。しかし、この岐阜エフエム放送は破綻という結末を迎えます。

それから10年の月日が流れ2011年、平成23年「ぎふ清流マラソン」が初開催。実行委員会が主催という形式をとり、表向きはあまりわからないようになっていましたが、主催側が中日新聞、岐阜新聞が後援という体制での開催となり、事実上の共同開催事業となりました。少しずつではありますが、両社は歩み寄りを見せ始めました。

そして2023年、とうとう花火も統合されることになったのです。

岐阜市の犬猿の2つの花火がとうとう一本化

当事者である中日新聞がこう報じました。

新型コロナウイルスの影響などで2022年夏まで三年連続で中止が決まっている、岐阜市長良川河畔の花火大会について、岐阜市と岐阜商工会議所、中日新聞社、岐阜新聞社が、来夏の開催に向けて実行委員会を設立することになり、四者の代表者が4月27日、岐阜市役所で記者会見。

これまでの「全国選抜長良川中日花火大会」(中日新聞社主催)と「全国花火大会」(岐阜新聞・岐阜放送主催)について、2023年夏以降は、実行委による年一回の開催を目指す。というのです

岐阜新聞、かつての通称「岐日」の花火大会に、中日新聞が花火大会をぶつけ、さらにそこに岐阜新聞が別の花火大会をぶつけた、63年にわたるバトルにいま、終止符が打たれるのです。

これまで、岐阜市の花火はまるで2つの新聞社のつばぜりあいによる火花のようでしたが、これからはまた違った見え方になるのでしょうね。

FMラジオ、ハーフマラソン、岐阜市の花火大会と手と手を取り合うようになった中日新聞と岐阜新聞。

果たして、次に一緒になるものは、何なのでしょうか。

動画でもご覧ください

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