ゴールデンウィーク、東京に住む友人が名古屋へと里帰りに戻ってきました。彼の名古屋っ子味覚を取り戻すため「みそかつ」を食べに行った後、おいでよ!みゃーみゃー通信第20回「何もかもが濃い-味覚の英才教育?」で紹介した、名古屋名物のアイスクリームを開発している「茶っきり娘本舗」に行ってみたいということで、一緒に食べに行ってみることにしました。
名古屋の新名物アイスを食べよう
というわけで、今回は「いっぺんたべてみてちょうでゃあー、名古屋名物手作りジェラートアイス体験編」ということでお送りします。
茶っきり娘本舗は、名鉄瀬戸線尼ヶ坂駅から北東に5分ほど歩いたところにあります。人通りのある場所ではありませんので、お店に着くと店員さんは誰もいませんでした。見渡すとジェラートが売られています。「抹茶」「ほうじ茶」「玄米茶」さすが茶っきり娘本舗。
お茶には力が入っています。そして「そばの実」「やすらぎの桧」とだんだんもの珍しいものが登場し「愛知産とまと」「きしめん」、あとこれは美味しそうな色をしている「名古屋コーチンエッグ」がありました。もちろん全てがジェラートです。
店を見渡すと様々なディスプレイがしてあります。「マスコミも騒がす話題のジェラート・アイスクリーム!!」とあり、なんとホンジャマカの石塚さんとパパイヤ鈴木さんの写真があるではありませんか。そうなんです。テレビ東京の食べまくりバラエティー「元祖でぶや」にもこのお店のアイスが登場したのです。
見ると壁に「御用の方はボタンを押してください」とあります。押すと社長さんらしき人が現れました。「美味しいからとにかく試食してよ」と言われ結局置いてあった全酒類を試食されていただきました。その味は本当にバラエティーに富んでいて、東京に住む友人は「これは土産にぴったりだ」と絶賛。全国発送もしていただけるので遠方でも安心です。
私も結構たくさん購入しました。では、それぞれの味を私なりの感想でお届けします。
▲尼ヶ坂駅近くにある「茶っきり娘本舗」さん
アイス10連発!
ソバの実アイス
これは当日持ち帰り用の在庫が無かったので、その場で食べました。口の中に本当にソバの味が広がります。プチプチしたそばの実の食感が特徴です。ソバと甘い味というのは「蕎麦饅頭」もありますから合いますね。
▲店先にあるものは全て試食させてくれました。
愛知産桃太郎・とまとシャーベット
材料:とまと果肉・糖類(砂糖・ブドウ糖)・安定剤
愛知県はトマトの産地として有名なのですが、その中でもこの「桃太郎」という品種は非常に糖度が高いことで知られています。トマトはジュースとして売られていることはありますが、アイスクリームを見たのは初めてです。まず見た目に、アイスがトマトそのものの色をしていることに驚きです。そして口に入れた瞬間、濃いトマトの風味が口いっぱいに広がります。
ジュースをかなり濃縮したような感じです。一口でこの味を出すのには相当量のトマトを使っているのではないかと思われます。材料の最初に「とまと果肉」が来ていますしね。本当にトマトを食べているような、いやそれ以上の味の濃さです。
▲愛知産桃太郎・とまとシャーベット
極上葵の香抹茶アイス
材料:牛乳・生クリーム・砂糖・ブドウ糖・抹茶・てん茶・安定剤
抹茶アイスというのは一般的にも売られているので、味の想像がつくかと思いきや、てん茶が入っているせいか、また高級な茶葉を使用しているせいか、まったりとこれまた濃い味です。どうやら茶っきり娘本舗さんは味の再現にかなりこだわっている様です。抹茶の茶葉は農林大臣賞受賞のものを使用しているそうです。
▲お茶屋さんが極めた味・極上葵の香抹茶アイス
焙煎ほうじ茶アイス
材料:牛乳・生クリーム・砂糖・ブドウ糖・ほうじ茶・安定剤
抹茶アイスのほうじ茶版かと思ったら大間違い。大体ほうじ茶のアイスというのは、今までありそうで無かった気がします。このアイス、口に入れると本当に茶葉を食べているみたいな感覚です。実際に茶葉も目に見える形で配合されています。しかもパラパラではなく、アイス全体にビッシリまぶされています。ほうじ茶好きにはたまらない逸品です。もちろんこのほうじ茶は自社で焙煎されているそうです。
▲焙煎ほうじ茶アイス
梅肉入り旬の青梅
材料:牛乳・生クリーム・砂糖・ブドウ糖・安定剤・梅肉・酒類
梅のアイスはありそうな感じですよね。でも、実際に梅肉が入っているせいかアイス全体がしょっぱい感じです。お酒が入っているために少しホワっとした味でもありますが、それよりも梅の塩味が優勢ですね。しょっぱいアイスは初めてです。もう少し甘い味を想像していましたが、やはりリアルな味を追及していらっしゃいます。
▲梅肉入り旬の青梅
やすらぎの桧
材料:牛乳・生クリーム・砂糖・ブドウ糖・天然香料・安定剤
これは、この春開発された新製品だそうです。2005(H17)年に開催される「愛・地球博」のテーマは自然。自然と言えば木。そこからイメージした創作アイスだそうです。なんと、構想から8年で完成したと言う研究の結晶です。角川書店の「Tokai Walker」でも紹介されたそうです。と言ってもさすがに、実際に木が入っているわけではなく木片をイメージしたツブツブが入っているだけ、と言いたいところなのですがそれでは済みませんでした。香料のお陰で口の中はいきなり桧の森です。なんとこれがアロマ・テラピーの効果を発揮。う~ん、マイナスイオン。
そして、いよいよ名古屋名物の領域です。
▲やすらぎの桧
名古屋名物ナゴヤコーチンエッグアイス
材料:牛乳・生クリーム・砂糖・ブドウ糖・卵黄・赤ワイン・安定剤
名古屋コーチンは食肉用だけではなく、卵を多く産みます。しかもその卵はとても滑らかな舌触りと、少し桜色がかった味の濃い黄身が特徴です。まず驚くのがアイス自体の色です。コーチンの黄身のようにとても濃い赤みがかった黄色をしています。赤ワインも入っていて、口に入れた瞬間そのクリーミーさにびっくりします。
▲名古屋名物ナゴヤコーチンエッグアイス
新名古屋名物えびっ娘アイス
材料:牛乳・生クリーム・砂糖・ブドウ糖・パイン・えび・酒類・安定剤
ここまでくると味の想像がつきません。パインが入っているために見た目は黄色いアイスのなかに、実際に甘海老が入っています。口に入れた瞬間、本当に魚介類の風味が広がります。パインの甘さと海老の苦さが溶け合い、なんとも言えない味の融合です。…。
▲新名古屋名物えびっ娘アイス
名古屋コーチン手羽先アイス
材料:牛乳・生クリーム・砂糖・ブドウ糖・鶏肉・酒類・安定剤
紹介文によりますと「世界初!!名古屋地鶏・名古屋コーチンの手羽先を、みごとアイスクリームへの調合に成功した世界的に有名なアイス」とあります。世界的に有名…にしたいという思いが伝わってきます。見た目には、真っ白なアイスに鶏の肉が散りばめられています。これは普通のアイスに鶏肉が入っていると言う感じで、海老ほどの強烈なインパクトはありませんでした。確かに調合が自然です。
そして最後、極めつけはこちら。
▲名古屋コーチン手羽先アイス
名古屋名物・きしめんアイス
材料:牛乳・生クリーム・砂糖・ブドウ糖・酒類・きしめん・小麦・安定剤
材料に「きしめん」がいるところがいいですね。「小麦粉」ではなくて材料が「きしめん」なのです。こちらも手羽先アイスと同じように、白いアイスにきしめんの破片が散りばめられています。きしめん自体には味がありませんから、特に違和感無く食べることが出来ます。しかし驚くべきはそのきしめんの柔らかさです。アイスの中に埋もれているにもかかわらす硬くなっていないのです。なんとマイナス30℃でも柔らかいままのきしめんを開発するのに、2年かかったとのこと。やることが半端じゃありません。
▲名古屋名物・きしめんアイス
どこで買うことができるの?
興味のある方は、名古屋市北区杉村の茶っきり娘本舗さんに直接行かれるか、ホームページhttp://www.cha-kiri.co.jpにアクセスしてみてください。通販での購入が可能です。また、直接ご覧になる方のためには、東京池袋の「ナムコナンジャタウン」一部の「ココストア」、「世界の山ちゃん」全店で食べることができますが、メニューが限られていますのでやはり杉村のお店に行かれることをオススメします。
名古屋はつまらないと言ってる人間がつまらない
私がなぜここまでこのアイスクリーム屋さんを紹介するのかといいますと、お金をもらったとかそういうことでは決してありません。名古屋を盛り上げていこう、名古屋の新しい名物を作ろうという社長の心意気に惹かれたからです。名古屋はつまらないだとか、面白くないだとか口で言うのは簡単です。名古屋は東京や大阪のように、押し付けられた面白さはありません。面白いものを作ろう、見つけよう、そういった心を持っていれば名古屋以上に面白い街はありません。名古屋を盛り上げる一翼として、これからも茶っきり娘本舗さんには新境地を開拓してほしいものです。
▲みゃーみゃー名古屋で、まさか猫はね…。猫自体が名古屋名物というわけではないし…。
他にもこの日は売り切れでしたが「八丁味噌アイス」ブルーでドラゴンズをイメージした「ドラ吉愛す(アイス)」つぶあんと抹茶が融合したタイヤキ形アイス「あん娘(こ)に逢いタイ」などなどユニークな商品群はつきません。
また買いにいかなきゃ。
コメント