おいでよ!名古屋みゃーみゃー通信

名古屋名物を名乗らないワケ

記事公開日:2004年3月13日

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カレーうどんも名古屋名物?

 前回は少し大袈裟に書いてしまった部分がありました。名古屋の代名詞のように言われるきしめんですが、名古屋っ子はいつもきしめんを食べているわけではありません。むしろうどんを食べることの方が多いくらいです。ただ実際ビジネスマナー講座で、「なるべく早く出てくるものを注文すべき」という話はあります。

 名古屋っ子は総じて麺類が好きなようで、一般的なメニューでは飽き足らず名古屋にしかないメニューがたくさんあります。今回はそのあたりを見ていきます。

 味噌煮込みうどん、うどんころ、と名古屋名物のうどんをご紹介しましたが、もうひとつ名物に「カレーうどん」があります。カレーうどん自体は東京が発祥ですし、全国的にも見られるメニューなのですが名古屋は少し事情が違います。まずスープ、少しとろみが加えられたあん状になっており、ピチャピチャとカレー汁が飛び散ることを防ぐと共に麺に絡みつきやすいようになっています。しかしとろみがあることで、逆に飛ぶ時は大粒で飛ぶことになりますのでそれが服についた時はもう諦めましょう。名古屋には、その名古屋風あんかけカレーうどんをメインメニューと位置付けているうどんのチェーン店があります。

 それは、「♪ちゅるちゅるウマウマ」というCMソングでお馴染みの若鯱家です。まぁ、若鯱という名前の時点で名古屋コテコテなわけですが...。そのCMソングの歌詞には「カレーうどーん、ちゅるちゅる」とありますし、CM自体も謎のインド人風キャラクターが踊っていたりカレー王国の王様が登場するなど、カレーうどんがメインであることがわかります。そしてこのCMソングは妙に陽気で耳に残ります。ぜひ一度若鯱家のホームページでご覧になって下さい。

 ただひとつ難点があるとすれば、ラジオで放送されている「若鯱家交通情報」です。通常、交通情報と言えば大抵当り障りの無いBGMに乗せて渋滞や事故の情報がアナウンスされるのが普通のですが、この若鯱家バージョンではその「♪ちゅるちゅるウマウマ~」「♪カレーうどーんちゅるちゅる、ワオー」という歌に乗せて、「東名高速道路は日進バス停付近で12台が関係する玉突き事故が発生しており死者がでている模様です。ただいまその事故処理が...」とアナウンスされるのです。再現しますと、

「(♪ちゅるちゅるウマウマ~)東名高速道路は日進バス停付近で(カレーうどーん)12台が関係する玉突き事故が(ちゅるちゅる)発生しており死者がでている(ワオー)模様です。」

 これは何度聞いても違和感がありますし、何より話している道路交通情報センターの方がやりにくそうです。

 この若鯱家、最近では関東・関西にも進出を果たしているので、他の地方でも受け入れられているようです。もちろんカレーうどんだけではなく、味噌煮込み、味噌カツ、ころうどん(メニューでは冷たいうどんという名称)もありますので、名古屋の味を全国へと広げる役目も果たしています。

台湾ラーメンは台湾に無い

 続いては名古屋名物のラーメンを見ていきましょう。ラーメンと言えばご当地ラーメンが気になるところですが、個々に出している店はあるものの「名古屋ラーメン」という決まった味はありません。しかし名古屋には名物のラーメンがあります。最初にご紹介するのが「台湾ラーメン」です。これは鶏がらスープに大量の唐辛子と炒めた挽肉、さらにニラがこれまた大量に入ったラーメンです。まず見た目にものすごく辛そうです。そして、全くその通りで「ケホケホ」小さく咳き込みながら食べなくてはなりません。今は無くなってしまいましたが、先日迄すかいらーく系列の中華料理店バーミヤンのメニューにもあり、私はつい最近までこの台湾ラーメンは台湾名物だとばかり思っていたのですが、名古屋名物だと知り驚きました。

「♪台湾料理の味仙(みせん)~。本場の味!おいしいよ!」というCMで有名な味仙というお店が名古屋にはあります。実はこの台湾ラーメン、このお店が開発したメニューで、その後急速に名古屋全体に波及したものなのです。現在ではカップラーメンも発売されていますが、そこには「名古屋の味・台湾ラーメン」と何とも言えない文言が書かれています。味仙の功績はすごいと思うのですが「本場の味!」ではなかったんですね...台湾ラーメンに限っては。もちろん台湾にはこのラーメンは無いそうです。

台湾ラーメン1 s 台湾ラーメン2
▲これはカップの「台湾ラーメン」です。「名古屋の味」の文字。 ▲挽肉と唐辛子がこれでもかと入っています。

名古屋の味、スガキヤの味

 さて、もうひとつ名古屋を代表するラーメンと言えばスガキヤの白いトンコツラーメンです。一時期は関東にも進出していたのでご存知の方も多いかもしれませんが、白いトンコツスープに何とも言えない化学調味料の味をプラスした味です。スガキヤのカップラーメンは「本店の味」をはじめ全国発売されていますが、本店の味は普通のしょうゆラーメンでこの名古屋のお店で出されている味のラーメンとは違います。名古屋で食べられているのは、同じカップでも「名古屋の味・SUGAKIYAラーメン」の方です。ネット通販もされていますのでご賞味ください。また、スガキヤは甘味にも力を入れており、あんこが大好きの名古屋っ子の間では「クリームぜんざい」が大人気です。

 スガキヤの現在の店舗は静岡県から兵庫県の範囲となっています。以前、関東でもそこそこ受け入れられたのですが、味の問題ではなく店舗の賃料の問題から撤退したそうです。何せラーメン一杯270円ですからね。安すぎます。それでも関西では10円値を上げて280円となっています。やはり賃料支払いが苦しいのでしょうか。

 また、スガキヤには「スーちゃん」という女の子のキャラクターがいます。名古屋ではそれなりに人気でストラップなども発売されています。ちなみに家族にはお父さんの「ラーパパ」、お母さんの「メンママ」、弟の「プーちゃん」、さらに犬の「ウーちゃん」、猫の「ミャーちゃん」がいます。スーちゃんも入れて繋げると「ラーメン、スープ、うみゃー!」となるのでした。ちなみにこのスーちゃん、関東進出時にさくらももこさんデザインを採用した時期がありました。雑誌広告などはしたものの、各店舗のスーちゃんが架け替えられる前に関東撤退、そして廃止となり今や幻の存在となっています。

 この台湾ラーメンとスガキヤラーメンこそが名古屋ラーメンとも言えるのでしょうが、どちらも今の名前で充分ブランドイメージが確立されていますし、どちらかに軍配を挙げることは到底不可能なので、どちらかを「名古屋ラーメン」にすることは無理だと思われます。それとは別にテレビ番組の企画や、時々お店などで名古屋ラーメンを開発しようと赤味噌を使ったり、名古屋コーチンを使ってみたりという企画がありますが、どれも定着していません。

特製ラーメンセット s スガキヤのベル
▲スガキヤの特製ラーメンのカフェセット。リッチに680円。 ▲スガキヤのベル。出来上がると鳴るのでカウンターへ取りに行きます。

名古屋発祥のスパゲティは二種類

 うどん、ラーメンと来て次はスパゲティです。名古屋っ子はイタリア料理店にあるスパゲティ以外に、名古屋ならではのスパゲティを開発しています。まずは「イタリアンスパ」です。これは鉄板の上に卵が敷かれ半熟状態のところにナポリタンが乗っているというものです。車道にある「喫茶ユキ」のご主人がイタリアに出かけた際、皿のスパゲティがすぐ冷めてしまうことから考え付いたメニューなのだそうです。それが名古屋名物になるまでに広がったというわけです。いつまでもアツアツなのも魅力ですが、何と言っても半熟卵とナポリタンをぐちゅぐちゅに混ぜ合わすのがたまりません。

 続いて、サラリーマンによく食べられているのが「あんかけスパ」です。トーストにあんこを乗っける名古屋っ子でも、さすがにスパゲティーにあんこを乗せるわけではなく、太いスパゲティーに、とろっとした「あん」がスープのようにかけてあるというもので、胡椒が効いていて大変濃い味となっています。名古屋に本社を置き、全国展開をするカレーハウスCoCo壱番屋がこのあんかけスパゲティを全国展開するという計画を発表していますので、この3月に銀座に進出する「矢場とん」のみそかつとともに、名古屋の味が全国区へと広がるかもしれません。

 名古屋名物にもかかわらず、「台湾ラーメン」「イタリアンスパ」、そして「若鯱家カレーうどん」「スガキヤラーメン」「あんかけスパ」。なぜ「名古屋」という名を冠しないのでしょうか。そこには、「いつか全国に...」という思いがあるからなのです。

 若鯱家にしてもCoCo壱番屋にしても既に全国展開をしていますし、スガキヤもかつてはそれを狙っていましたし、寿がきや食品のカップ麺は全国区です。「名古屋名物」としての全国区ではなくその味を普通に全国に広げたいのです。だからこそ敢えて「名古屋スパ」「名古屋ラーメン」と言った名前にはしないのです。それでは名古屋に留まってしまうからです。

 つまり、ここにも「名古屋から世界へ」という思いが現れているのです。

イラスト
ロサンゼルスと名古屋は姉妹都市なので(?)、ロスでも手羽先を食べることができます。本当に風来坊あります。

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