トッピーの放送見聞録

突如・知多内海中継局-計画に無かったものがいきなり!

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<3回シリーズ>テレビ愛知2010年・地デジ10チャンネルのリベンジ!の3回目です。まずは第1回「犬山南中継局-テレビ愛知にとっては超重要局」からお読みください。

 初回は、犬山南中継局の設置によって、岐阜県境の尾張北部におけるテレビ愛知地上デジタル放送の受信環境が一変するというお話を、そして前回は、新設の常滑中継局の設置によって、知多半島中央部と碧南市をしっかりとテレビ愛知がカバーできるようになったというお話をしました。

 ここで問題なのが、知多半島南部です。しかし驚くべきことに、当初「地上デジタルテレビ放送中継局ロードマップ」には乗っていなかった計画が突如現れ、いきなり工事着工となっているのです。テレビ愛知の底力、見せてくれます!

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計画は全く無かった

 常滑中継局はデジタル新設局ですが、これまで知多半島に、アナログ放送の中継局が全く無かったわけではありません。

 知多市に「知多南粕谷(0.1w)」、美浜町に「美浜河和(民放1w・NHK0.5w)」、そして南知多町に「知多内海(1w)」と、3つの中継局があり、このうち前者2つからはNHKと民放全てが、知多内海からはNHKのみが電波を発射していました。

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 しかし、デジタル放送では常滑中継局が当初から設置の計画となっていたのに対し、知多南粕谷、美浜河和、知多内海については名古屋局(瀬戸)にてデジタル対応が可能として、デジタル中継局は置かれないことになっていました。

 ところがです。

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異例のスピードで計画登場

 昨年突如、知多内海中継局について、NHK名古屋とテレビ愛知に限って「デジタル置局」に総務省の計画が変更され、開局時期も2010年3月と発表されたのです。

 これはかなり異例です。この地方では、当初から計画されている中継局でもまだ工事に着手していないところがあるにもかかわらず、それらよりも先に開局することになったのです。

 これこそ、昨年7月にテレビ愛知の社長が記者会見で発言した「他局との調整が必要だが、送信アンテナの変更についても、視野に入れなければならない。」のひとつなのかもしれません。

 もともとアナログの知多内海中継局にはNHKしかなく、NHKのデジタル中継局の設置計画もなかったところに、テレビ愛知とNHKのデジタル送信所を設置させることになったわけですから。

予備免許は出ていませんが...

 今月開局の常滑中継局、2月開局の犬山南中継局は既に工事も完了し、予備免許も付与されているのに対し、知多内海中継局はまだ予備免許も出ていません。しかし、現場を訪れてみて、もう開局は間近であることがはっきりとわかりました。

 名鉄内海駅から西に300メートルほど歩いたところに現在、NHKのアナログ知多内海中継局があるのですが、訪れてみてびっくり。そこには「歩道をなおしています」という工事看板があり、施工者が「NHKアイテック」となっているではありませんか。これはもう、間違いなく送信所の工事です。ただこの時点ではまだ、デジタルの工事かどうかははっきりしませんでしたが...。

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工事は急ピッチ

 さらに「この先、デジタルテレビ放送所工事の為、通ることが出来ません。」という立て看板も設置されていて、それは確信に変わりました。その奥に「立入禁止」看板が見えましたので、その手前まで行ってみることにしました。

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 すると、機材を運ぶレールが既に敷設されており、さらには木の伐採も行われていて、行く手を倒れかかっている木が邪魔をする格好になっていました。

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 肝心の送信アンテナはまだ設置されていない様子でしたが、既存のアナログ中継鉄塔に、真新しいUHFの八木宇田アンテナが取り付けられていて、デジタル電波の測定を行っていることがわかりました。

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 工事を知らせる看板には、工期が3月31日までと記されていましたので、このままいけば、間違いなく3月には開局に漕ぎ着けることができるでしょう。ちなみに、計画されているチャンネルは以下の通りです。

局名 NHK名古屋
総合
NHK名古屋
教育
TVA
テレビ愛知
送信チャンネル 42 39 38

 ここで気になったのが、NHK教育だけが常滑中継局とチャンネルが被っているという点です。チャンネル(周波数)が逼迫しているだけに苦肉の策といったところでしょう。被らせたのがなぜNHK教育なのか...それは簡単です。

デジサポが県外受信を推奨!

 この知多内海中継局からは、東海テレビ、CBCテレビ、メ~テレ、中京テレビのデジタル電波は発射される予定がありません。しかし、ここにデジタル中継局の設置が決まったということは、当初の見込みとは違って、名古屋局(瀬戸デジタルタワー)の電波がここまで飛んできていないということです。

 では、現在知多内海中継局周辺の家は現在、どうやってデジタル放送を見ているのかといいますと、それは各家庭のアンテナを見れば一目瞭然。対岸にある伊勢中継局の電波を受信しているのです。

 この地区に対し、デジサポは以下のようなアンテナ工事を必要と見込んでいます。

「津デジタル親局+名古屋デジタル親局」を受信する場合は「伊勢デジタル中継局(全帯域アンテナ)」+「知多内海デジタル中継局(全帯域アンテナ)」をチャンネル関係に合った混合器と増幅器を設置する。

 なんと、広域4局については「伊勢中継局」を受信するようにと、デジサポが指示しているのです。

 ちなみに、デジサポでは「伊勢中継局」について、100wの在名局だけでなく、10wのNHKも当地で受信できると見込んでいます。NHK総合については、知多内海と伊勢でそれぞれ名古屋局と津局ということで番組内容が違いますが、NHK教育については基本的にどちらも同じ内容となっています。だからもし、NHK教育を常滑と同じチャンネルにしたことで何か障害があったとしても、伊勢局も全く同じ内容なので、伊勢が映れば問題ないということになるわけです。

 ということは必然的に、ここでは同じく伊勢10wの三重テレビも完璧に受信できる...いや、それ以前に三重テレビは津局がバリバリ映りますねここは。

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テレビ愛知の底力を見ました

 テレビ愛知社長が今年の年頭に「愛知県内のどこでも地上デジタル10チャンネルを見られるように全力を挙げます」とあいさつしたと、最初の記事で書きましたが、それはスポンサーへのリップサービスでも、机上の空論でもなく、本気で愛知県域のテレビ愛知復権への根拠ある道筋をつけたと言えるのではないでしょうか。

 この知多内海が開局しますと、テレビ愛知は「名古屋本局(瀬戸)」「豊橋」「田原」「鳳来大野」「二川」「常滑」「知多内海」と7局体制になります。

 さらにデジタル新局として「赤羽根」「幡豆」「山海」、そしてアナログ時代の継承局として「稲武東」「稲武西」が予定されていて、合計13局体制になる予定となっています。

 山海は今回ご紹介した3局と同じく、NHKとテレビ愛知のみの中継局ですが、赤羽根と幡豆には広域4局の中継局も乗ることになっています。この計画は昨年12月25日に発表されたことから、当初の予定ではカバーできていたはずの渥美半島の先と幡豆町で、受信できないことがわかった上での計画立案と思われます。

 これにより、テレビ愛知の電波状況は相当改善されるものと思います。

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ハードはこれで地域密着できたけど...

 さて、電波の上では底力を見せてくれたテレビ愛知。そんなテレビ愛知の社長は、今年の年頭あいさつでこんなことも書かれています。

「地域に愛される局を目指して・テレビ愛知は地域に密着し、皆様に愛される放送局を目指します。」

 そうです。テレビ愛知は唯一の、愛知県民のためだけのテレビ局です。かつてテレビ愛知は開局当時「キー局の番組構成が偏っていることを補うために、キー局にない方向性の番組を自社制作でカバーする」という方針を打ち立てていました。

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 しかし...。

 今では、テレビ愛知が作っている番組は、時間の短い番組か、パブリシティの香りが漂う番組ばかり。

 さらには、1日のローカルニュースがたった14分30秒...。

 開局当時の、お昼の主婦向けワイドが帯で30分、夕方ニュースが帯で30分、週末ワイドが1時間30分、それに加えて音楽番組にスポーツ番組、地元経済番組という豪華ラインナップはもうすっかり夢か幻か...と言った状況です。

 三重県における三重テレビのような、県民密着の充実した番組制作は無理だとしても、せめてもう少し、愛知の地元経済をフォローする週末ニュースや、愛知の人々に注目したドキュメンタリーを増やして欲しいですね。

 かつて、5時ですテレビ愛知ニュースやマイユウ!で組まれていた特集は、他局に無い視点で本当に愛知の「人」に密着していましたし、今でもたまに放送されるドキュメンタリーは、愛知における草の根の話題をしっかり取り上げていると思います。

 これでテレビ愛知の地デジ電波環境は整備されつつあります。設備投資が完了する頃にはきっと、昔のテレビ愛知のように、ハードだけでなくソフトも地域に密着したテレビ局に戻ってくれることを期待して、今回のレポートを終わりたいと思います。

取材協力

KAZ Communications

知多内海デジタルテレビ中継所(愛知・南知多町)


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