昭和な空間でお菓子大人買い!中央菓子卸市場

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  • 嫁菓子を買いに行ったら…
  • 作られた昭和ではありません!
  • 一般の方も買えます!タイムスリップでお菓子大人買い!

※老朽化のため2024年(令和6年)に閉鎖となりました

名古屋で結婚披露宴をする場合、準備のひとつに「嫁菓子」と呼ばれるものが登場することがあります。それは、引き出物に入れる焼菓子などとは別に、袋詰めのお菓子を用意するもので、もとは「菓子撒き」の風習に由来しています。

菓子撒きとは、お嫁に行く新婦の実家の2階から近所の人たちにお菓子を撒く風習で、嫁に行くことを披露するとともに、嫁入りを円滑に進めるために行ったものでした。

今では、2階からお菓子を撒く「菓子撒き」をする人はかなり減りましたが、名古屋はやはり「嫁菓子」を…と、近所の方だったり、披露宴の参加者にお菓子の詰め合わせを配ること今でも多いのです。

名古屋にこだわったサイトをやっている私たちですから、やはりこの風習は踏襲したい!ということで、名古屋でお菓子といったら明道町。買出しに向かいました。するとそこには、想像をはるかに超えた昭和の風景が残されていました。たまりません…なんてレベルのものじゃないです。

お菓子といったら明道町

西区の明道町といえば、名古屋では駄菓子の代名詞と言われるほどの知名度がありますが、現在「明道町」という地名は残されていません。しかし、信号交差点や高速道路のジャンクション名などとして残されているところを見ると、きっと名古屋っ子にとっては、無くなってほしくない、馴染み深い名前なのでしょう。

明道町にはかつて、「中京菓子玩具卸市場」という大きな市場があり、2000(H12)年3月に閉鎖されるまで、その一ヶ所に駄菓子問屋やメーカーが集中していたことから菓子問屋街が形成されたという成り立ちがあります。

中京菓子玩具卸市場が無くなった現在でも、個別に営業している問屋さんは複数あり、私たちはズバリ「寿・お嫁入菓子」という文字を掲げる「桜井商店」で嫁菓子を注文しました。送料はもちろんかかりますが、披露宴会場まで直接届けてくれます。

嫁菓子には、昆布が入っていたり、鯛の形をしたチョコレートが入っていたりと、縁起のいいものがちゃんとラインナップされています。

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せっかくだから、有名スポットへ!

嫁菓子を発注したところで用事は済んだわけですが、以前から、どうしても気になっていたところがありますので、行ってみます。それは、ちょうどその桜井商店の向かいにあります、「中央菓子卸市場」です。閉鎖された卸市場とは別物です。

外観のトタンは錆び錆び、本当に営業しているのだろうか…と、誰もが思うことでしょう。もちろん営業している現役の問屋街です。しかし、入口を見るとさらにその疑問はふくらみます。

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錆びに錆びたトタンが青空に向かって伸びる姿で出迎えてくれた「中央菓子卸市場」。目線を下に降ろすと…そこには段ボールの山。入っていいのかな…と躊躇せずにはいられません。

ところがです。私たちがそうやって、迷いながら建物を眺めていた数分の間にも、スーツ姿のサラリーマンや、おばさんが普通に入っていくではありませんか。

じゃあ、入っていいよね…と、それでもちょっと勇気を出して、段ボールの山の間を入って行くと…。

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こ、これは…僕の知らない昭和…

ええ、想像はしていました。きっとあの錆びたトタンの向こうには、昭和の空間が広がっているのだろうと。私たちは昭和生まれです。昭和の空気は覚えているつもりでした。ところがです。違ったのです。

そこにあった昭和は、僕たちの知らない昭和。昭和50年代生まれの私たちにとっては、懐かしいを通り越えたタイムスリップとなったのです。

細長い市場は奥へ奥へと続いており、人がすれ違えないほどに詰まれた段ボールに気をつけながら、次々と現われる懐かしの駄菓子とその異次元空間ぶりに、高鳴る鼓動を抑えるのが大変でした。

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通路にあるたくさんの段ボールは、もちろん全てが商品です。どれも、見たことのある駄菓子なのですが、ここは問屋さん。全てパッケージが業務用となっていて、駄菓子やさんが買う単位での販売となりますので、必然的に大人買いとなります。

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すると奥には、駄菓子だけでなく生菓子も。空間としては完全にタイムスリップしていますが、商品はもちろん、今時のものもあります。

一般の人ももちろん買えます

すると私たちの後にも、小さなお子さんを連れたお母さんも入ってきまして、皆さん普通に駄菓子を大人買いしていきます。

「あ~、お腹いっぱいヨーグルを食べてみたいなぁ」といった、幼い頃の夢を叶えることが、ここでは可能なのです!

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私たちも、ラムネ菓子や食べる煮干などを大人買いです!

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昭和と隣り合わせにある21世紀

中央菓子卸市場のすぐ横には、隅田神社があります。この神社は、今は道路となっている江川線のところに流れていた江川のほとりにあった農村で、元禄時代の初め頃、熱病の流行と火事の発生をきっかけに、疫病防止と安全祈願のために祀られたもので、その後は菓子問屋街の神社として、街を見守り続けているとのこと。

神社の境内は、市場と同じように細長く、駄菓子を手に持った子どもたちの姿が思い浮かぶ、まさにノスタルジックな風景なのですが…それもそこまで。

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中央菓子卸市場と隅田神社を見て、ぐるっと180度振り向くと、タイムマシンは逆行します。

かつて江川だった江川線は、6車線の道路になっているだけでなく、そこには立体交差の名古屋高速6号清須線と明道町ジャンクションが。

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この高速道路が開通したのは、2007(H19)年12月。ああ、先ほどまでの昭和前半の風景が嘘だったのではないかと思えるくらいに、平成、そして21世紀へと帰ってくることができました。

そうなんです。冒頭に紹介した、あの錆び錆びのトタンと擦りガラスの中央菓子卸市場の外観は、この、上空を高速道路が走る6車線の道路に面しているのです!

この風景、いつまでも残っていてほしいなぁ。また、ラムネと煮干しが無くなったら買いに来ますね!だって、問屋さんだから、もちろん値段もお値打ちなのだから。

あ、ただし、問屋さんですので、休日はお休みしているのでご注意ください。

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コメント

  1. KAZサン より:

    トッピーさま
    なごや観光ルートバス「メーグル」のボランティアをしていますKANサンです。
    明道町の記事、面白く拝見しました。
    外堀通を走るバスからも問屋さんが見えるので、営業している土曜日にガイドをする時は、明道町や菓子まきのことをお話しています。「懐かしい」という声が聞こえてくる、ガイドをしていて楽しい場所です。
    問屋さんを見てまわったこともありますが、子どもの頃に買ったお菓子が今でもあって、思わず大人買いしようかなと思ってしまったほど(思いとどまりましたが)。
    記事を読んで、また足を運んでみようと思いました。
    中央菓子卸市場にも入ってみたい!です。

  2. トッピー@管理人 より:

    >KAZサンさま こんばんは
    そうですか~。明道町は車窓から見える景色も、
    並べられているお菓子と同じくらい、懐かしいですものね。
    問屋さんの数はここ10年で結構減りましたが、
    それでも、見てまわるワクワク感が今も変わらずありますね。
    中央菓子卸市場は…ほんと、戦後の市場という感じで、
    建物の外に出たら、ひょっとして本当に、
    昭和にタイムスリップしてるんじゃないかと不安になるほどです。

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