スサノオっていうと、わがままなだだっこのイメージがあるけど、神さまでそんな性格ってどうなんだろうね?
そんなこと言って…。何があっても知らないよ…。
須佐神社(島根・出雲市)
TEL:(0853)84-0605
駐車場:20台
境内自由
出雲市街から車で走ること1時間弱。その名も佐田町須佐にある「須佐神社」に到着です。わざわざここまでやってきたのは相方の希望でして、実は相方は、出雲大社に祀られている大国主大神よりも、その義理の父にあたる須佐之男命の方が好きということで、須佐之男命を祀っているだけでなく、その地に眠っているという伝説のある須佐まで遠路はるばるやってきたというわけです。
須佐之男命はどんな神だったのか。父親である伊邪那岐神(イザナギノミコト)に、海の神として海原を治めるように命じられるのですが、既に亡くなってしまっていた母親に会いたいと駄々をこね、その亡くなった母がいるという根の国に会いに行こうとします。
その前に、姉である天照大神(アマテラスオオミカミ)のいる高天原に挨拶に行くのですが、なぜかそこでやりたい放題。怒った天照大神は天の岩屋に閉じこもってしまいます。須佐之男命は高天原を追放され、この出雲の国へと舞い降ります。
そこで、生贄になる直前の稲田比売命(イナタヒメノミコト)と出会い、稲田比売命を食べようとしていたヤマタノオロチを見事退治し、結婚するのです。退治する際に使われたのが天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)。現在もその剣はご神体として、名古屋の熱田神宮に祀られています。
そんな須佐之男命が眠るのがここ、須佐神社なのです。
須佐神社はそんなに大きな神社ではないのですが、駐車場には大阪など遠方からの車が多く停まっていました。まあ私たちも、「尾張小牧」ってどこそれ?と思われたでしょうが。随神門から入っていきますと、この地方独特の大社造の社殿が見えてきます。県の重要文化財に指定されています。私たちが訪れた時には、熱心にお参りする女性の方がいらっしゃいました。
大社造であり、やはり出雲大社と同じように立派な注連縄が奉納されています。須佐神社は須佐之男命と妻の稲田比売命などを祀っていて、家内安全や身体健全、災厄除けのほか、開運招福から五穀豊穣、安産祈願に良縁祈願、さらには工事安全祈願と、多種多様なお願いを聞いてくれます。さすが須佐之男命!といったところですね。「俺に叶えられない願いごとなどない!」と得意げに言っている姿が目に浮かびます。
境内には「塩井(しおのい)」という湧き水があります。この塩井は、直線距離で25キロほどある、出雲大社近くの稲佐の浜に続いていているといわれています。それは伝説なだけではなく、実際に満潮時には潮の花を噴くというのです。須佐之男命はこの潮を汲んで、この地を清めたといわれています。飲んでお風呂に使えば万病に効果、産湯に用いれば幼児が健康に育つとのこと。やんちゃな子になりそう。
須佐之男命のやんちゃぶりに怒ってしまったお姉さん、天照大神を祀る天照社も境内末社として祀られています。
須佐之男命はなぜこの地に眠っているのでしょうか。須佐之男命は、出雲の各地を開拓するのですが、先ほどの塩井の水でこの地を清めた際、この場所をとても気に入り、土地に自分の名である「須佐」を残し、自ら魂をここに鎮めたとされています。
ですから、須佐神社は須佐之男命を祀っているというだけでなく、須佐之男命自身がこの地を気に入り、そこに今も眠り続けているというわけです。神さまのなかでも一癖も二癖もあった須佐之男命。ヤマタノオロチを退治し、その後も出雲の国を開拓するなど、そのパワーは計り知れません。
そんなパワーを授かることができるであろう須佐神社。全国から多くの人が訪れるのもわかります。
ただし。須佐之男命はそんな簡単に願いごとを聞いてくれるとも思えません。なぜなら、大国主大神が須佐之男命の娘との結婚を許してもらうために挨拶に訪れた際、須佐之男命は大国主大神に対して、蛇のたくさんいる部屋で寝ろといったり、ムカデと蜂のいる部屋で寝ろといったり、数々の試練を与えます。大国主大神はそれを乗り越えて、結婚を認められるわけです。
ということは、この須佐神社でお願いをすると、須佐之男命はすんなりとそれを叶えてくれるのではなく、夢を実現するために、試練の数々を与えることでしょう。でもきっと、それを乗り越えた時には、ヤマタノオロチを退治するようなものすごい力で、パワーを与えてくれるのだと思います。
実際のところ、私はここでお願いをしてから、数々の試練とも思える出来事が次々と身内に起こっています。もちろんこの先には、成就が待っていますよね?須佐之男命…。
続いては、世界遺産の石見銀山に立ち寄って、その後、縁結びの願いにすぐに答えを出してくれる神社や、須佐之男命の両親を祀る神社などがあり、え?あの人も出雲大社で縁結びのお願いをした!?といったエピソードのある松江へと向かいます。
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