マリーン渓谷(アルバータ州)
ロブソン山州立公園から15分ほどで、オーバーランダー滝に到着です。それほど高低差のある滝ではなく、川の一部分が急流になっているという感じです。ラフティングをやったら楽しそうな場所です。この辺りからは氷河が溶けてできた川や湖になるので、水が青や緑といった色を放ちます。
オーバーランダー滝 ムース湖
これが、カナダの湖が綺麗に見える理由のひとつです。ちなみに、オーバーランダーとは金を探すひとたちのこと。かつてはケベックなどからこの地に金を掘り当てようとたくさんの人が訪れたそうです。ここは滝の近くまで寄ることができたので、しっかりとマイナスイオンを吸収です。
▲オーバーランダー滝は目前で見られます。マイナスイオン豊富。
オーバーランダー滝からまた15分ほど走ると、今度は右側に大きな湖が見えてきました。湖の名はムース湖。このあたりではよくムースを見かけることから、そう名付けられているようです。湖は細長く、対岸は見えるのですが道路に沿って延々と続いていて、水平線が見えるほどです。
▲ムース湖です。このボートのエンジンがなかなか始動しなかった。
見ると、ちょうどカナディアンの男性二人がボートを出発させるところでした。エンジンがなかなかかかりません。私達のツアーが通りがかって、注目されたものだから緊張してしまったのかな。そんなことは無いですね。どうやらその二人は釣りをするようです。
「写真を撮っていただけますか?」
ここで、初めて日本人のツアー参加者に声をかけられました。母娘のようです。どうやらワーキングホリデーでバンクーバーに住んでいる娘の所に、お母さんが遊びに来たようです。カメラを渡された相方はやってしまいました。そのカメラにはストラップが付いていなかったというのもありますが、カメラを地面に落としてしまったのです。相方は、普段しっかりものなのですが、おっちょこちょいなところがあります。たまに段差の無いところで転んだりもします。この後、この親子から写真撮影を頼まれることはありませんでした。カメラは大丈夫だったようですが、相方はかなり凹んでいました。
▲水平線の向こうに広がる山並み。本当に雄大のひとこと。
アルバータ州 マリーン渓谷
再びバスは走り出します。このあたりはVIA鉄道が道路に並んで走っています。すると貨物列車が現れました。これがものすごく長く、一体何両あるのかと見ていると、走れども走れども貨物列車は途切れません。全長が1km以上あったと思います。さすが大陸横断鉄道は規模が違う。日本だったら、駅と隣りの駅が電車で繋げてしまえそうでした。
ちなみに、この鉄道はバンクーバーから来ていて、次のジャスパー市に駅がありますから、電車でカナディアンロッキーに来ることもできます。ただし、ジャスパーからは車が必要です。電車はジャスパーを出ると、そのまま東のエドモントンへと向かいます。
するとガイドさんが、
「時計を1時間進めてください。」
と言います。そうです、アルバータ州に入ったのです。地域によって時間が変わるというのも、日本では体験できない経験です。先ほどのムース湖から1時間ほどで、次のマリーン渓谷に到着です。到着したのはブリティッシュコロンビア州の時刻で言えば10時ですが、アルバータ州の時刻では11時。なんだか不思議です。1時間損してしまった気がします。だって今日は23時間になってしまったのですから。
ここはもう、ジャスパー国立公園(Jaspre National Park)に含まれるエリアです。ジャスパー国立公園は、カナディアンロッキーにある国立公園のなかでは最大の面積を誇り、カナダで7番目に国立公園に指定されたところです。
「バスに11時20分に戻ってきてください。」
これが後々ガイドさんを怒らせることに…。マリーン渓谷は、深さ約50mの絶壁です。その絶壁を滝が流れます。そこには普通の橋が架かっています。渓谷は細く、わずか数歩で渡れてしまいます。その細さでその深さ。下を見ると目がクラクラします。この渓谷も水の力でできたもので、氷河からマリーン湖に流れる水が石灰岩を削ってしまったのです。
▲この細さでなんと深さが50メートル。水の力ってすごい。
その深さが50m。自然の力に驚かされます。橋を渡ると、断崖絶壁の向こうに動物が見えました。角があります。何かわからなかったのですが、感動してとりあえず写真に収めます。
周りの人達はどんどん深い方へと歩いていきます。私達は、この辺りで戻らないと11時20分にバスに戻れないと思い、引き返します。案の定、集合時刻には私達以外バスに誰もバスに戻ってきません。ガイドさんは私達に愚痴をこぼします。
▲そして今も流れ続ける水。よく見ると緑色。
「ここは、そんなに長い時間見なくてもいいんだよ。今日は予定がいっぱいだから困るんだよな~。」
他の人が戻って来るまで時間があったので、さっき撮影した動物を見せると、これここで撮ったの?と少し驚いた様子でした。聞くと大きな角のある羊 (Big Horn Sheep)とのこと。私達はラッキーだったようです。遅れること20分、他の人達がバスに戻ってきました。ガイドさんはすっかりテンションが下がり、少しキレ気味でした。
▲ビッグ・ホーン・シープ。崖から落ちそう!
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