★昭和56年にタイムスリップ
★あの世界の山ちゃんの原点がそこに
★名駅徒歩圏内なのに街の雰囲気も最高
「世界の山ちゃん」といえば、名古屋を代表する手羽先のお店として、今や北海道から九州まで店舗を拡大し、手羽先唐揚げの代名詞とも言える存在になっています。
しかし、今回行ってきましたのは「串かつ・やきとり やまちゃん」です。
バッタもの?模倣店?いえいえ、違うのです。その、世界の山ちゃんの原点となった、創業者が新栄に出店した1号店を再現した復刻店なのです。メニューから雰囲気、内装に至るまで、その1号店がオープンした1981(S56)年の世界。
31年前の名古屋に飲みに行きましょう。
周囲の雰囲気も懐かしい
「やまちゃん」の復刻店があるのは、名駅から徒歩5分の場所にもかかわらず、とてもあの、ミッドランドスクエアやタワーズといった高層ビルが立ち並ぶ駅前の近くとは思えない、郷愁漂う街並みが広がる柳橋。近くには柳橋中央市場もあり、時間帯によっては、市場ならではの鮮魚の香りが漂います。
味のある街のなかに、ありました。1981(S56)年6月14日にオープンした当時の、「串かつ・やきとり やまちゃん」の写真が光る、やまちゃん一号店の復刻店です。
店の中なのに外
お店の中に入りますと、その、当時の外観があります。当時は、お店の外にテーブルを並べていたのでしょうか。今はそれをやるといろいろ問題があるのでしょうかね。私たちはその、店の外を模したテーブルに座りました。電柱やアパート入口なども演出として作ってあり、まるでお店の外に置かれたテーブルで飲んでいるかのような気分になります。
このお店は、復刻店を模しているだけでなく、お店の運用も実際にそうなっていまして、見たところ、スタッフは店長さんしかおらず、生ビールはセルフサービス、おでんやどて串もセルフで自己申告となっています。もちろん、このお店は世界の山ちゃんがやっているのですが、店長さんが一人で切り盛りしている、まるで、個人商店のような温かさがあります。
味も違う!
お店のメインはやっぱり串かつ・やきとりということで、串ものを注文。そして、やっはり山ちゃんですから、もちろん手羽先も。
揚げたての串は最高ですね~。一方の手羽先、あれ?ちょっと山ちゃんと味が違う?と思って店長さんに聞くと、やっぱり、世界の山ちゃんとは味付けが違うとのこと。ガツンとくる味で、これもたまりません。
トイレでびっくり!
店内には、そういった電柱や張り紙のほかにも、復刻のワインやビールのポスターが貼ってあるのですが、トイレに入ってびっくり!
トイレの中の壁には一面、コピーではありますが、この「串かつ・やきとり やまちゃん」がオープンした、1981(S56)年6月14日の新聞が貼ってあるではありませんか。
「栄電紙上ショッピング」に「シャープの電卓」そして、当時中日新聞の故意で岐阜放送ラジオが非掲載のラジオ・テレビ欄。これは思わずトイレに長居してしまいます。
栄電社の広告は本当に面白かったです。「5型カラーテレビ付ラジオ79,800円」「ナショナルホームビデオ158,000円」「コンパクトサウンド映写機93,800円」。もう、今すぐ栄電社に電話したくなってしまいます。
名古屋っ子の血が騒ぐ
基本的には、食事はメニューからオーダーするのですが、セルフサービスなのが「どて」と「おでん」です。この「どて」を取りに行ったら、もうね、これは名古屋っ子にはたまらない状態なんです。鍋が。
ぐつぐつ煮えている鍋は、味噌がつぎたしつぎたしで、茶色を通り越して黒に近い最高のこげ茶色。すると店長さんが「横のおでんもそこにつけて味噌おでんにしちゃってもいいですよ」とのこと。
いいんですか!では遠慮なく!
どて、たまりませんねぇ。昔、母親が時間をかけて作ってくれた、あのどての味がしました。甘く深くそして懐かしい味です。名古屋っ子なら、思わず涙してしまうであろうそんな味です。
さらに、そんなどての味を生かした「どて丼」に、キムチチャーハンとご飯メニューも充実。
塩だれやきそばもおいしかったです。ただ、ハムステーキの超スパイシーさには、面食らってしまいました。でもこれ、まさしく昭和の味って感じですよね。飲み物が進む進む。
世界の山ちゃんももちろん好きですけど、このお店もいいですね。ただ、この日は祝日の夜だったので、難なく座れましたが、席数がそんなにたくさんはありませんので、込んでるときもあるかもしれませんね。
でも、このお店には「予約」はありません。当時も無かったのでしょうね。
もちろん、串かつと並んでもうひとつのお店の看板であるやきとりも、おいしかったですよ~。
メニューも然ることながら、お店の内装、雰囲気、演出もまるで昭和56年。しかも、お店の外を出ても懐かしい街並みなので、本当にタイムスリップしちゃったんじゃないかと思えることうけあいです。
昭和56年、私はもう生まれていましたので、その当時の雰囲気は何となく覚えているのですけど、当時は物心付いたばかりの子どもでしたから、飲み屋さんに連れて行ってもらえるわけもなく、知ってはいるけど未体験、そんな懐かしさに触れることができました。柳橋って場所もいいですね。
昭和の名古屋に飲みに行きませんか?