★陶芸作家とお話しながら作品を見られます
★飲食ブースで注文すると…え?いいの?
★末広町商店街をブラブラするのも合わせてオススメ
愛知県瀬戸市といえば「せとものの瀬戸」と言われるほどに、陶磁器を代表する街です。この街には、将来の陶芸家を夢見て、若者が集まる場所があります。「やきもの長屋」。ここで若者は修行を積んで、腕を磨き、自らの工房を構えて巣立っていきます。
そんな瀬戸の街に、東海4県(愛知・三重・岐阜・静岡)のやきもの作家が集まって、ただ、陶磁器の作品を販売するだけではなく、「工房から伝えよう」をテーマに、陶芸作家と、やきものを使う側が繋がるイベント、「ユノネホウボウ2015」に行ってきました。
「ユノネ」?「ホウボウ」?
「ユノネホウボウ」は、「湯之根やきもの長屋まつり」としてスタートしたもので、湯之根とは瀬戸市湯之根町のこと。その、湯之根にあるのが夢を求めて集う「やきもの長屋」。このイベントはもともと、その、やきもの長屋のある湯之町で開催されていたもので、そんな湯之根に方々(ほうぼう)から陶芸作家が集まって、また、方々(ほうぼう)に作品が広がっていく…というコンセプトとなっています。
今では毎年、より便の良い瀬戸市の「Mパーク」と「末広町商店街ニコニコ広場」を会場として、この時期に開催されています。今回、縁あってこのイベントを知りまして、末広町と言えば、私の社会人としての原点でもありますので、懐かしさもあって行ってみたのですが、これだけたくさんの陶芸作家の方が自らブースにいて販売されているというのは、これは、本当に貴重な機会ですね。
展示販売&ワークショップ
普段、瀬戸市にやってきて、陶芸作家の作った食器やノベルティ、置物、雑貨などを買おうとしても、当然のことながら、作家の方と話す機会というのはなかなかありません。
あ、これいいな…と、思わず手にとった作品。気になれば気になるほど、その作品の背景を知りたくなるものです。
その作品にどんな想いが込められているのか?
この色はどうやって出しているのだろうか?
作品ごとの風合いの違いはどうやって出しているのだろう?
この表情にはどういう意味が…?
いろんな思いが湧き出ても、でも、それを作家の方に直接聞くことは叶いません。
ところが、この「ユノネホウボウ2015」には、「やきものとその周辺」というサブタイトルがつけられているとおり、陶芸作品そのものだけではなく、やきものの「その周辺」を見せたい、知って欲しい、より深く知ることで、作品への愛着はさらに増す…陶芸作家と、作品と、あなたを結ぶイベントとなっているのです。
欲しくなったらもちろん買えますし、作品を見て、話を聞くだけでもとても興味深く、土の違い、釉薬の使い方、焼き方、さらには作家ごとの全く違う作風を見てまわることができます。東海4県から総勢44組が集まっていますから、それこそ、あれもこれも、気になるものばかりですし、個性が溢れ出ています。
また、会場にはワークショップもあり、体験ができるのですが、このワークショップも、よく見かけるやきものづくりのワークショップとは違い、ブースを開いているのも作家の方で、その作家の方の技法を体験できるものとなっています。気軽に参加できるものでありながら、芸術としての焼き物の一端に触れられる、貴重な機会になっています。
作家さんの器でいただく飲食ブース
ユノネホウボウには、連日飲食ブースも出店していまして、驚きなのは、その提供方法です。通常こういったイベントの飲食ブースといえば、紙コップや紙皿で手渡されるというのがほとんどですが、なんと、参加作家の方の陶芸作品でいただくことができるのです。
私たちも、石窯で焼かれたマルゲリータと、ティラミスラテをそれぞれ別のお店から買ったのですが、こうやって、陶芸作家の方の器でいただくと、味も違って感じられるような気がしますから不思議です。
でも、器一つで印象が全然違うってのは、ありますよね。例えば喫茶店でも、普通の透明のグラスで出てくるアイスコーヒーと、シャレた瀬戸物の器が、それこそ手作りのコースターにのっかっていて、そこに入ったアイスコーヒーでは、流れる空気が変わるというものです。
こうやってフード&ドリンクをいただくことで、やきものの良さを体感して!ということですね。
他にも、末広町商店街ニコニコ広場では、焼き物以外にも雑貨のブースが出ていますし、末広町商店街の各店もこのイベントに合わせての催しをしていたりもしますので、商店街をぶらぶらしながら、やきもの作家とふれあって、作品を手にして、また、普段とはちょっと違った「せとものの瀬戸」を体感できるイベントとなっています。
Mパークの場所と言えば…
「ユノネホウボウ2015~やきものとその周辺~」は、6月5日(金)~7日(日)の3日間、午前10時から午後5時まで、瀬戸市のMパークと末広町商店街ニコニコ広場での開催です。
Mパークは、普段は駐車場となっている場所でして、「招き猫ミュージアム」のすぐ横のスペースです。かつては地下に書店とビデオレンタル店がありましたね。さらに昔は、エビスヤというショッピングビルがあって、スーパーカネスエが入っていましたっけ。あの頃と瀬戸の風景は変わったところもあれば、懐かしい風景もそのままだったり。
いやほんと、かつての末広を知らない人でも、なぜか懐かしさを感じられるのが末広です。そんな街ブラとあわせて、楽しめるイベントなので、オススメです。
まあ私の場合は、懐かしさとともに、社会人として駆け出しだったあの頃の、いろんな酸っぱい気持ちも不意に思い出させられる結果となりましたが…。原点回帰できました。
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